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発酵と食薬で心と体を整える! 薬剤師・大久保愛先生が語るセルフケアと発酵アワード2025

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発酵アワード

不調は体からのSOS! 薬剤師・漢方カウンセラーの大久保愛先生が登壇するイベントで、「わたしの“食薬”原点:発酵食品が教えてくれた、心と体をととのえる習慣」をテーマに、「食薬(しょくやく)」という考え方や、心と体の状態を知るための10の動き、話題の「発酵アワード2025」など、毎日の暮らしに役立つヒントを伺いました。さっそく、その一部をレポートしていきます!

監修 : FYTTE 編集部

ダイエット専門誌として1989年に雑誌創刊し、2016年よりWEBメディアに。ダイエットはもちろんのこと、ヘルスケア、ビューティなど体の内側からも外側からも美しくかつ健康でいるための体づくりのノウハウを、専門家への取材とともに紹介。“もっと、ずっと、ヘルシーな私”のキャッチフレーズとともに、編集部員も自らさまざまなヘルシーネタを日々お試し中!

Contents 目次

「食薬」って? 大久保先生の原点はアトピーとの向き合い方に

「食薬」とは、漢方や薬膳の知恵をベースに、現代の栄養学やライフスタイルに合わせて“心と体を整える食事法”のこと。提唱する大久保先生ご自身も、幼少期からのアトピーやアレルギーに悩まされ、自然療法と向き合ってきた経験を持ちます。

そんな大久保先生が大学卒業後、さまざまな食事法を自らの体で試す中で、効果を感じたのが「キャベツ」だったのだとか…!

「1週間に1玉キャベツ食べる生活を3か月続けたところ、なんと長年悩んでいたアトピーが劇的に改善したんです」(大久保先生)

この経験から「特別なものでなく、身近な食材で心と体は整えられる」と確信し、「食薬」という考えを体系化するに至ったのだと、語ってくれました。

不調は“体からのメッセージ”! 簡単セルフチェックで自分を知る

わたしの“食薬”原点:発酵食品が教えてくれた、心と体をととのえる習慣

イベントでは、自分の体の今の状態を知るための、簡単な10のセルフチェック法「動いてわかる漢方チェック」も紹介されました。

どれもその場ですぐ試せるのはもちろん、これらの動きは滞っている部分をほぐすセルフケアにもなるそう。気になるところがあれば、そこが“整えどき”かもしれません!

動いてわかる漢方チェック

1.かかとをつけてしゃがめる?
…かかとが浮いたり、うしろに転がってしまう人は要注意。

2.両腕を真上に上げられる?
…ひじを伸ばしたまま、耳のうしろまでスムーズに腕が上がりますか?

3.舌を「ポン!」と鳴らせる?
…上あごに舌を吸いつけて、きれいに鳴らせるかチェック。

4.胸の中心を押すと痛い?
…胸骨の真ん中あたりを押してみて、痛みがないか確認。

5.眉頭(眉毛のいちばん内側)を押すと痛い?
…眼精疲労や頭痛のサインかも。

6.耳たぶを回すとギシギシする?
…耳をぐるぐる回したときに、違和感がないかチェック。

7.肋骨の下に指が入る?
…スムーズに指が入らない人は、内臓が緊張しているかも。

8.背中の後ろで合掌できる
…肩甲骨まわりの柔軟性をチェック。

9.首をゆっくり回せる?
…回しにくい、痛い、左右で可動域が違うなどがないか確認。

10.鼻の下にペンを挟める?
…口輪筋の衰えをチェック。

 

引っかかるポイントがあった人は、漢方でいう「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」のどこに不調が出やすいかがわかります。完璧を目指すのではなく、日々の体の声にそっと耳を傾けることが、食薬セルフケアの第一歩です!

発酵食品は“台所の文化財”!? 暮らしにとり入れたい理由とは?

イベント後半のテーマは「発酵」。大久保先生は、発酵食品を「伝統の知恵と最新科学をつなぎ、心と体を支える“台所の文化財”」と表現しました。

「かつて冷蔵技術がなかった時代に必要不可欠だった発酵ですが、保存技術が発達し、うまみ調味料も普及した現代では、“なくても困らないもの”に。けれど、最新の研究では、発酵食品が腸内環境を整え、美容や健康に役立つことが次々と明らかにされています」(大久保先生)。

また漢方の「整体観念(人も自然の一部であり、心と体の全体のバランスを見て整える)」という考え方と、土地の風土や微生物との調和で生まれる発酵食品はとても近い存在だと、大久保先生。

発酵食品は、日々の生活習慣や体に“いいスイッチ”を入れてくれる可能性を秘めているのかもしれませんね♪

発酵アワード2025発表! 発酵愛あふれるアイテムがずらり

発酵アワード

イベントの目玉は、大久保先生が選ぶ「発酵アワード2025」。「健康によいか」「続けやすいか」「作り手の想いが届くか」という3つの基準から選ばれた、注目の発酵アイテムはこちら!

【食卓に発酵 部門】

▶ 各地の酢酸菌 むろ過 濁り酢
「江戸時代は当たり前だった濁り酢ですが、ろ過技術の進歩で透明な酢が主流に。近年、酢酸菌自体の健康効果が見直され、その価値が再注目されています。コストも時間もかかる中、蔵元さんたちが協力して文化を守り、伝えようとしている姿勢がすばらしいです」

 

【発酵ドリンク 部門】

▶ 糀甘酒糀ぽんと「糀エナジードリンク」
「白麹を使うことでクエン酸が増し、甘すぎずさっぱりとした酸味が特徴。甘酒を“エナジードリンク”という現代的なスタイルで提案し、新しい層に届けようとしている点が評価されました」

 

【発酵おつまみ 部門】

▶ Tファーム「沼山大根ぬか漬」
「一度は生産が途絶えた伝統野菜を自然栽培で復活させ、無添加のぬか漬に。そのストーリー性と、素材へのこだわりが光る逸品です」

 

【発酵コスメ 部門】

▶ Fas「ザ・ブラックエッセンス」
「化粧品の基材として一般的な水の代わりに、780種類もの成分を含む黒米発酵液を使用。2段階発酵で低分子化し、肌への浸透性を高めています。さっぱりしているのにしっとりする使用感も魅力です」

 

【特別賞】

▶ コンブチャバイオキット
「紅茶キノコとも呼ばれるコンブチャを自宅で手軽に育てられるキット。菌(スコビー)が育っていく様子を観察でき、発酵を楽しく体験できる点がユニークです」

 

発酵アワード

そして、これらの中から選ばれた栄えあるグランプリは、「各地の酢酸菌 むろ過 濁り酢」

「酢酸菌が生きている濁り酢には、免疫バランスを整えるはたらきが期待できます。何より、味がまろやかで本当においしいんです。納豆にかけたり、ドレッシングに使ったりと、毎日の食卓に手軽にとり入れやすいのも魅力。蔵元さんたちが『発酵文化を未来に残したい』という強い想いでていねいに作っていることを、ぜひ多くの人に知ってほしいです!」と、大久保先生は受賞理由を語りました。

イベントを通じて伝わってきたのは、「食薬」や「発酵」は単なる健康食品ではなく、私たちの心と体、そして日々の暮らしそのものを豊かにしてくれる存在であるということ。
ぜひみなさんも、お気に入りの発酵食品を見つけて、毎日の生活に楽しくとり入れてみてはいかがでしょう!

 

取材・文/FYTTE編集部

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