「スプーン印」「ばら印」でおなじみのDM三井製糖が、人生100年時代を健やかに生きるための新しいライフスタイル“適糖生活”をテーマにしたトークイベントを開催! 栄養学の専門家・西村一弘教授と、料理研究家のコウケンテツさんが登壇し、糖の正しい役割や、毎日の食卓でムリなくとり入れられる活用法を紹介しました。イベントでは、未来の幸せに寄り添うための“糖とのじょうずなつき合い方”について、分かりやすく解説されました。さっそく、その内容をレポートします♪
Contents 目次
少子高齢化と健康の“いま”

冒頭では主催者を代表して、DM三井製糖執行役員事業推進本部長の高橋靖子さんが挨拶。サステナビリティの重要課題として「幸せの時に寄り添う」を掲げ、食を通じて“未来の幸せ”に貢献する「適糖生活」の浸透を目指していることを語りました。
栄養学の専門家である駒沢女子大学の西村一弘教授は、急速に進む少子高齢化の現状について解説。昭和時代は10人以上でひとりの高齢者を支えていた社会構造が、現代では“ほぼ1対1”に近づく「片車状態」状態へとシフト。
とくに40〜50代の世代が20年後にいかに自立して自分の足で立っていられるかが、社会全体の大きなテーマになっていると言います。
やせすぎは意外なリスクに?

健康寿命をのばすために欠かせないのが、心身の活力が低下した状態である「フレイル(虚弱)」を防ぐこと。西村教授は“やせているほうが健康”というイメージに警鐘を鳴らし、BMI(体格指数)と死亡率の関係を見ると、とくに高齢期(65~79歳)では やせればやせるほど死亡率が上がるというデータを紹介しました。
さらにBMIの急激な低下(10%以上)は、認知症リスクの上昇とも深く関わっており、脳を守るためにも“エネルギー不足”の状態を作らないことが大切だと説明します。
これは、脳は糖(ブドウ糖)をエネルギー源としているため、低血糖状態が続くと脳細胞が減少し、これが認知症に繋がりやすくなるからです。
糖質は「悪者」ではない!

続いて、世間で「控えたほうがいい」と思われがちな糖質について、正しい役割を説明。
糖質は体を動かすエネルギー源であり、脳がふだんから使っている唯一のエネルギー源でもあります。糖質が不足すると、集中力や考える力が落ちてしまう可能性も…。
また筋肉を大きく作るときにはたんぱく質だけでは不十分で、糖質が“合成のためのエネルギー”として不可欠。糖質とたんぱく質を一緒にとるほうが筋肉量が効率よく増えることも紹介されました。

さらに、和食のバランスとしても総カロリーの約半分(50%)を糖質でとることが理想とされています。低糖質・高たんぱく食を長く続けると、心臓疾患や腎臓に負担がかかるリスクがあることも意外なポイントです。
日本では糖質制限の風潮があるにも関わらず、糖尿病患者は増加傾向にあり、「糖質の量だけが原因ではない」という重要な示唆にもふれられました。
コウケンテツさんが語る「心と食卓の栄養」

料理研究家のコウケンテツさんは、食卓の変化や旅先で感じた気づきを紹介。
家族4人の食卓から、ひとりで食べる“おひとりさまごはん”が増えるなか、「人生の先輩を尊重する文化」や、ゆるやかな人とのつながりは、食の栄養だけでなく“心の栄養”にもなると語りました。
また、健康長寿の島として知られるギリシャ・イカリア島では、70〜80代の人たちが夜遅くまで楽しく集まったり、60歳からバイオリンを始めたりと、「何歳になってもチャレンジするメンタリティ」が生き方を豊かにしているというエピソードも。

後半では、日常生活で活用できる砂糖のじょうずな使い方も紹介!
砂糖は甘みをつけるだけでなく、酸味や苦味をまとめ、料理を“調和”させる味の調停役だと語り、「砂糖を減らす」よりも「じょうずにつき合う」ことが大切だと強調しました。
その上で、家庭で簡単にとり入れられる砂糖の活用法も紹介されました。
1.砂糖もみ
…野菜を砂糖で軽くもむと、シャキッとした食感を保ちながら水分が抜け、塩分を調整しやすくなります。塩分制限が必要な人にもおすすめ。
2.砂糖まぶし
…肉に先に砂糖をまぶしてもみ込むと、肉がかたくなるのを防ぎ、しっとり柔らかく仕上がります。砂糖のメイラード反応による香ばしい焼き色がつくのも魅力。
質のいい糖を選ぶ「スローカロリー」

西村教授が最後に紹介したのは、“糖の質”に注目するという考え方。
通常の砂糖(ショ糖)は吸収が早く血糖値が急上昇しやすいため、過剰なインスリン分泌を促し、結果的に脂肪を蓄えやすくなることがあります。そこで注目されるのが「スローカロリー」。
DM三井製糖の「パラチノース(スローカロリーシュガー)」は、てんさい(ビート)由来の天然素材で、通常の砂糖よりもゆっくり吸収されるのが特徴。約5倍の時間をかけて吸収されるため、血糖値の急上昇を防ぎ、同じエネルギー量でも太りにくいといいます。
パラチノースはスポーツの世界でもとり入れられ、強豪駅伝チームやパラリンピック選手など、持久力が求められるスポーツの世界にも貢献しているのだとか! コウケンテツさんも、パラチノースを使うことで疲労回復や筋肉にいいレシピを紹介しました。
最後に西村教授は「正しい知識を持ったうえで、適切な糖を適量とる“適糖生活”を続けてほしい」とまとめ、コウケンテツさんも「正しい情報を知った上で、甘いものを楽しむ心が健全なメンタルにつながります。じょうずに糖と付き合っていってほしいですね!」とメッセージを送りました。
今日からできる小さな工夫で、ムリなく続けられる“適糖生活”を始めてみてはいかがでしょうか?
取材・文/FYTTE編集部



