テレビやラジオ、YouTube、イベント司会などで活動するアナウンサー・櫻井知里さん。実は櫻井さんは⾼校３年生の時に、お父様の病気をきっかけに家庭が経済的に困窮。そこで、お金を生み出す力の必要性に気づき、独学で経済や投資を学び始めたそう。その後、さまざまな投資手法を検討しながら、自身に合ったスタイルを模索し、太陽光や不動産への投資に着手。そして今ではなんと、総資産４億円超えを叶えた女性なのです。

【櫻井知里さんの投資経歴】
2009年：300万円を元手に、副業で中古ブランド品の販売開始
2011年：投資に使えるお金を1000万円貯める
2013年：株式投資スタート
2013年：太陽光投資スタート
2015年：収益不動産投資開始（1棟6戸）
2015年：資産１億円突破！
2017年：２棟目の不動産投資（1棟9戸）
2020年：サービス付き⾼齢者向け住宅経営
2021年：資産４億円突破！

櫻井さんがどのようにして自分に合う投資スタイルを見つけ、資産を大きく伸ばしていったのか、そのヒストリーから紐解いていきます。はじめたばかりの頃は「損切り」（保有している株式の価格が下落した際に、さらなる損失を防ぐためにその株を売却し損失を確定させること）が続いたり、不動産投資（不動産を購入し、運用・管理することで家賃収入や売却益を得る投資手法）での融資交渉に苦労したりしたそう。数々の試行錯誤を経てたどり着いた現在のスタイルには、これから投資を始めたい人へのヒントがたくさん詰まっています。

自分に合う投資スタイルを見つけ、総資産４億円超えを実現するまで

櫻井さんは、株式投資（企業が発行する株式を売買することで利益を得る投資方法）からスタートしたそう。しかし、最初はなかなかうまくいかない日々が続いたと振り返ります。

「株式投資はとても難しくて。なかなかうまくいかず損切りばかりの日々でした。そんな中で試行錯誤しながら色々チャレンジする中で『投資は長い目で見てやっていくもの』だと分かってきました。安く買って高く売るという投資の原則に立ち返りながら、じゃあ、安いとは何で判断するのか、高いというのは何を指標として考えていけばいいのだろうと、具体的な指標の見方などを突き詰めていきました。株の見方は様々あるのですが、学ぶ中で原則に立ち帰りながら長期投資を意識しました。また、株の場合は、この株を応援するつもりで長く投資をしていこうというスタイルに変えてからのほうがうまくいくようになりました」（櫻井知里さん）

――不動産投資は順調に進んだのでしょうか。
「株と違い、不動産投資は失敗なく資産が増えていきました。不動産も“長く投資する”と決めています。長期の視点を持ちながら、プラスで『複利投資（元本に加えて得られた利息にもさらに利息がつく仕組みで、長期的に資産を増やすための効果的な方法）』という形で続けています」

――「長期投資＋複利」で資産が増えていったのですね。
「はい。貯めたお金をさらに再投資していくというのが複利の考え方で、不動産投資も大きなジャンルで言えば複利のようなもの。資金を増やし、その増えた分の資金をさらに再投資して増やしていきました。そうやって再投資、再投資という風に投資をしていくことで資産が増えていくという学びもあったので、最終的にはやはり長期投資＋複利でお金をどんどん増やしていくという形がいちばんいいと私は思っています」

――また、投資がうまくいかなかった時期は、今振り返るとどんな課題があったと思いますか。
「無計画だった、と思います。買いたいから、上がりそうだからという単純な理由で買ってしまっていたので。そこからきちんと計画を立てるようになりました。まず『１年間でどのくらいお金を増やしたいのか』という目標を立てて、『じゃあいくら使えるのか』『毎月どのくらい増やせばいいのか』といった目標値から、『自分が投資に使えるお金はいくらか』に落とし込んで投資を行ってきました」

節約やポイ活がじょうずな人は、じつは投資もじょうず!?

――そもそも、毎月投資に使える金額がほとんどないor限られている、という人も多いかと思います。投資に使える資金を増やすためにできることはありますでしょうか。
「節約などで浮いたお金を、少額投資するところからはじめてみてはいかがでしょうか。例えば『１万円節約できた』とします。その１万円をそのまま持っておくのはもったいないなと思っていて。それは増やせるチャンスでもあるからです。せっかく節約できたお金なので、今度はそれを増やすために少額投資にチャレンジしてみる。今は投資ブームで少額投資も増えていて、１万円からはじめられる投資も様々あります。浮いたお金を増やしていく行動をすることで、将来的な資産にもつながると思います。もちろん投資は、無理のない余剰資金で行うことが基本です」

――FYTTE読者は健康を維持するための継続力がある人、また節約やポイ活に励んでいる人も多いのですが、これらは投資にも役立てることができますか。
「健康のために生活を整えたり、節約やポイ活がじょうずな方は、ご自身を律することができる方が多い印象があります。投資家の人も自分を律し、また節約家も非常に多い印象にあるので、それで言うとすごく似ているなと思います！」

――確かに、健康維持や節約、ポイ活をしている人は、計画を立てることもじょうずな印象があります。
「せっかくその節約やポイ活という形で、ご自身の生活のところを律したり、ポイントを貯めたりできるスキルがあるので、それを投資にも繋げていけるといいですよね。目標金額までにどう資産を増やしていくかを具体的にシミュレーションしていくこともおすすめです。資産運用のシミュレーションができるサイトがインターネット上には様々あるので、それで計算してみるのもよいと思います。もちろん投資なので減ってしまうリスクも当然あります。ですので、まずは節約やポイ活で貯めた余剰資金ではじめてみること。少額でも投資をすることで10年後に見えてくる景色は全然違うものになってきますよ！」

アナウンサーと投資家、二刀流だからこそ仕事も人生も楽しい！

――投資をしていたからこそ得られた体や心の面での変化はありますか。
「メンタルがとても安定して、ポジティブでいられますね！　生活のために追い込まれて仕事をするというのではなく、本当に好きな仕事が好きなだけできていて、すごく充実感があるんです。余裕をもった気持ちでいられるのが大きいのかなと思います」

投資でお金の土台を作ることが、心の余裕や好きなことへの挑戦を後押ししてくれる。櫻井さんの言葉から、未来の選択肢を広げるヒントが見えてきました。まずは小さな一歩から。無理のない範囲で未来の自分に、健康と同時にお金も投資していきましょう。後編では、多忙な櫻井さんの健康維持の秘訣にも迫ります！

※投資にはリスクが伴います。価格変動等により元本を割り込む可能性もありますので、投資判断はご自身の責任で行ってください。

取材・文／小野寺紗名美（FYTTE編集部）