冬は冷えや水分不足、運動量の低下により腸の働きが弱まりやすい季節です。さらに年末年始の食べ過ぎ・飲み過ぎが重なることで、便秘やお腹の張りを感じる人が増えています。最新の調査では、「腸の調子が悪いとダイエットの成果が出にくい」と感じる人が7割に達しており、正月太りが戻りにくい背景には「停滞腸」が深く関係していることがわかりました。そこで、6万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸のスペシャリスト・松生恒夫先生(松生クリニック院長)が、この停滞腸を整えるための「大腸リセット・ダイエット」を提唱。その具体的な方法をご紹介します。
Contents 目次
寒さと食生活の乱れが引き起こすリスク
冬は気温の低下で体が冷えやすく、水分をとる量も減りがち。さらに寒さによって自律神経が緊張し、外出や運動の機会も減るため、腸の動きが弱まりやすくなります。こうした要因が重なり、いつもより便秘やお腹の張りなど腸の不調を感じる人が増える季節と言われています。
また、寒さと食生活の乱れは、腸に大きな負担をかけることが調査結果でもわかりました。

「冬は気温の低下で体が冷え、自律神経が緊張することで腸の動きが弱まります。また、年末年始はごちそうを食べる機会が増え、便秘(35.2%)や、お腹の張り(32.5%)といった不調を訴える人が多くなります。腸の動きが落ちると代謝も下がり、「体重が減りにくい」という悪循環に陥ってしまうのです」(松生恒夫先生)
そこで、腸のスペシャリストである松生恒夫先生(松生クリニック)は、年末年始の「停滞腸」の改善には、大腸リセット・ダイエットが有効であると指摘。本記事では、松生先生による解説とともに、効果がある食事法「地中海式和食 ® 」や「7大食材で実践できる大腸リセットプログラム」をご紹介いたします。
年末年始の食べ過ぎ飲み過ぎ、冬太りの原因「停滞腸」とは?
「停滞腸」とは、腸のぜん動運動が弱まり、便やガスがスムーズに流れなくなっている状態を指します。内容物が腸内に滞ることで、ぽっこりお腹や肌荒れ、ダイエットの停滞を招きます。
「停滞腸」セルフチェックリスト
以下の項目のうち、3つ以上当てはまる人は腸が停滞している可能性があります。
□ 水分の摂取量が少ない
□ 野菜・果物をあまり食べない
□ 外食が多い
□ 食事量が多いわけでもないのに、なかなかやせない
□ 食後、下腹がぽっこりと出てくる
□ ふだんからあまり体を動かす習慣がない
□ 最近、ストレスを感じることが多い
医師がすすめる「停滞腸」におすすめの「大腸リセット」

松生先生は、機能が弱まった大腸を一度まっさらな状態に戻し、腸本来の力をとり戻す「大腸リセット」をおすすめしています。方法について詳しく見ていきましょう!
「大腸リセット」とは?
便がたまったり機能が低下したりした大腸を、一度「クリーン・コロン(きれいな大腸)」に戻し、その後に腸内環境を改善する食材を段階的に補給していく方法です。
大腸リセットを実践するうえでおすすめなのが、腸にやさしい食材をムリなくとり入れられる「地中海式和食 ®︎」(オリーブオイルや野菜、豆類、発酵食品などを中心にした食事)。その中でも、とくに重要なのが次に紹介する腸の動きをサポートする「7大食材」です。
1. オリゴ糖:善玉菌のエサになり、自然な排便をサポートする。
2. 水溶性食物繊維(海藻・りんごなど):便をやわらかくし、ぜん動運動を活発にする。
3. ココア:食物繊維やマグネシウムが豊富で、腸を内側から動かす。
4. オリーブオイル:オリーブオイルに含まれるオレイン酸が小腸で吸収されにくいことにより、潤滑油(下剤のような役割)のような働きをすることで排便を促す。
5. 植物性乳酸菌(ラブレ菌):生きて腸まで届きやすく、腸内環境を改善する。
6. キウイフルーツ:2種類の食物繊維をバランスよく含み、便通を改善する。
7. もち麦:水溶性食物繊維β-グルカンが豊富で、血糖値の上昇も抑える。
次に具体的な方法をご紹介します。
「7日間大腸リセットプログラム」のやり方

短期集中プログラム「7日間大腸リセットプログラム」 は、初日に腸内をいったん空にし、2~7日目で腸によい食材を集中してとり入れることで腸内環境の動き(働き)を立て直します。
【1日目】リセット(空っぽにする日)
医師推奨の下剤と水分(1.5~2L)をとり、腸内の便を出し切ります。食事は控え、腸を休ませるためにファスティングドリンクやペーパーミントティーなどで過ごします。
初日にリセットする理由は、年末年始の食べ過ぎや飲み過ぎで鈍った腸をリセットし、自然な便意と排便リズムをとり戻すことが目的です。
【2~7日目】育てる(集中投入期間)
「7大食材」を毎日摂取します。食物繊維は1日15g程度から段階的に増やし、肉中心の食事を控えて魚や大豆、主食は白米にもち麦をプラス、みそ汁を1日1回とり入れた「地中海式和食 ®︎」を意識します。甘いものはお菓子ではなく、果物を食べましょう。
7日間のプログラムが終了するころには、自然なお通じに戻り、リズムが整っているのが理想です。終了後は特別なことはせず、そのまま意識していた食事を継続することが、腸内環境をキープするコツです。
簡単でおいしい! 医師おすすめの「オリーブ・ココア」

腸を温め、動きを活性化させる1杯として松生先生が推奨しているのが「オリーブ・ココア」です。
簡単なので毎日続けやすいドリンクですので、ぜひ作ってみてください。
【材料(1杯分)】
• 100%純ココア 小さじ2
• お湯 300ml
• オリゴ糖(液状) 小さじ2~3
• エキストラバージン・オリーブオイル 小さじ2
【作り方】
1. ココアにお湯を注ぎ、よく混ぜる。
2. オリゴ糖を入れてさらに混ぜる。
3. 最後にオリーブオイルを加える。表面に薄い油膜が広がったら完成。
※オリーブオイルは混ぜずに、そのまま飲むのがポイントです。
記事で紹介した、腸の動きをサポートする「7大食材」は、身近なものばかり。すでにとり入れている人は継続し、毎日の食事にプラスして季節に左右されない腸内環境を作り、整えていきましょう!

【監修者】 松生 恒夫(まついけ つねお)先生
松生クリニック院長。医学博士。東京慈恵会医科大学卒業。6万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸疾患治療の第一人者であり、便秘外来の専門医として地中海式食生活などをとり入れた診療で高い効果を上げている。
文/FYTTE編集部



