「お茶にダイエット効果がある」というのは、よく知られています。「お茶」というと思い浮かぶのは「紅茶」と「緑茶」ですが、この2つのお茶がもつ効果はそれぞれ少しずつ違うのだとか。「総合的にみると紅茶がおすすめです」という日本紅茶協会認定ティーインストラクターの森田麗子さんに、くわしく教えてもらいました。
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紅茶に含まれる“ポリフェノール”に脂肪吸収を抑える効果が
紅茶と緑茶は、もともと同じ茶葉からできています。それなのに、お茶の色も、お茶が持つ効果も違うのは、その製造方法によるもの。緑茶は茶葉を発酵させずにつくり、紅茶は強発酵茶ともよばれ、完全に発酵させてつくるのです。
「紅茶は発酵させる過程で紅茶ポリフェノールができるのですが、この紅茶ポリフェノールに脂肪の吸収を抑制したり、血糖値の上昇を抑えたりする働きがあるんです」(森田さん)
ほかにも紅茶ならではの効果がいろいろあるのだそう。
「紅茶に含まれるカフェインには脂肪を燃焼させる働きがあります。緑茶にもカフェインは含まれていますが、1杯あたりのカフェイン量でくらべると緑茶より紅茶のほうが多いんです。さらに、紅茶ポリフェノールには整腸作用があって消化を促進するような働きがありますし、紅茶の香りはアロマ効果も高いこともわかっています。それらの点から、ダイエットには紅茶をおすすめしたいですね」(森田さん)
また、ダイエット効果を期待して飲む場合には、ホットのほうがおすすめだといいます。
「ホットで飲むことで、代謝が上がり、腸内の環境もよくなるという効果があります。ホットなら湯気が広がるのでアロマ効果も高まって、リラックス効果もアップしますよ」(森田さん)
暑い日は冷たい紅茶でリフレッシュも!
ホットで飲んだほうが効果は高まるということですが、暑い日にはアイスティーを飲みたくなってしまうこともありますよね。
「ホットのほうが体を温める効果やアロマ効果が期待できますが、紅茶そのものの成分はホットでもアイスでも変わりません。暑い日に冷たいものをムリにガマンしていたら、ストレスがたまって、かえってよくないですよね(笑)。アイスティーは、飲んだときにすっきり感がありますし、のどもうるおって、気分もリフレッシュできます。体が冷えるほど飲みすぎるのはよくありませんが、体が欲しているものを飲んだほうが美容にも健康にもいいですよね」(森田さん)
せっかくアイスティーを飲むなら、おいしく飲みたい! ということで、おいしいアイスティーのつくり方を教えてもらいました。
「急激に冷やすのがポイントです。グラスにめいっぱい氷を入れて、そこに通常の2倍くらいの濃さでいれた紅茶を注ぎ入れて軽くかき回すと、とてもきれいなアイスティーができますよ。つくり置きしたい場合は、大きめのザルやボウルを使って大量につくるのがおすすめです。ボウルいっぱいに氷を入れ、通常の2倍くらいの濃さでいれた紅茶を一気に注ぎ入れて軽くかき回したらザルにあけて氷を取り除きます。こうすると紅茶が薄くなりません。飲むときに氷を入れたり、ミルクで割ったりするとおいしいですよ」(森田さん)
この方法で、熱湯でいれた紅茶でつくったアイスティーは、水出しの紅茶よりも衛生面でも安心で、マイボトルで持ち歩くのにも適しているそう。アイスティーはガムシロップを入れたくなりがちですが、ダイエットを考えるならストレートで。どうしても甘みを加えたいときは、低糖質や低GIの天然由来の甘味料がおすすめです。
取材・文/小高希久恵