ファスティングのダイエットは、ふだんよりも摂取カロリーを抑えて脂肪を減らす方法。炭水化物がメインの野菜スムージーを食事代わりにする方法などがありますが、たんぱく質が足りないと、脂肪よりも筋肉の量が減ってしまいやすいんです。
書籍『4日間でやせる! ヨーグルトファスティング』(学研プラス)で紹介されているのは、筋肉量の低下を抑えて、脂肪を減らせることが最新の研究で確認された方法。たんぱく質が豊富な「グリークヨーグルト」を取り入れて、4日間のファスティングをします。
ファスティングで「野菜と果物のスムージー」だけをとった場合、「グリークヨーグルト+スムージー」をとった場合で、筋肉量、脂肪量はどう変化する? それでは、気になる結果をチェック!
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■方法:「スムージー群」と「ヨーグルト群」に分かれて摂取カロリーを同等に
決められた食品だけをとり、1日の消費エネルギーもおおむねそろえるため、4泊5日のファスティング合宿が行われました。合宿の監修は、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科先任准教授の鈴木良雄先生です。
ファスティングを行ったのは、20~30代の女性24人。次のように「野菜と果物のスムージー」のグループと「グリークヨーグルト+野菜と果物のスムージー」のグループに分かれ、それぞれ指定の食事をとりました(摂取カロリーは同等)。
【ヨーグルト群】
脂肪0・無糖のプレーンのグリークヨーグルト+野菜と果物のスムージーを朝昼夕の食事に。
●1日の摂取カロリーと比率
759kcal(たんぱく質76.7g、脂質2.3g、炭水化物126g)
ヨーグルト群のほうは、摂取カロリーのうち、たんぱく質が4割で、炭水化物は6割ほど。スムージー群よりも高たんぱくなバランスです。
【スムージー群】
1杯に3~5種類のいろいろな野菜と果物を使用したスムージーを朝昼夕の食事代わりに。
●1日の摂取カロリーと比率
760kcal(たんぱく質8.7g、脂質5.3g、炭水化物193g)
野菜と果物のスムージーだけのグループは、摂取カロリーの炭水化物の割合が約9割。たんぱく質は4.6%で、ヨーグルト群の10分の1程度です。
・実験では、両群のエネルギーと食物繊維量をデキストリンと食物繊維で合わせました。
・水は自由に摂取。
・ビタミン、ミネラルをサプリメントで補給。
・ウォーキングなど軽い運動も行いました。
※データ『VLCDのたんぱく質量が体組成に及ぼす影響』(順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科先任准教授 鈴木良雄先生)
■結果:ヨーグルト群のほうが筋肉量の減少を抑えられ、脂肪の減少率が高かった!
ダイエットで代謝のいい体をキープするポイントは、筋肉量を維持して余分な脂肪を落とすこと。ファスティングの結果も、筋肉量と脂肪量の変化に注目して!
下のグラフを見ると、「ヨーグルト群」「スムージー群」の両グループともに体重が2kgほど減少して、一見、スムージー群のほうが減っています。しかし、筋肉量、脂肪量の減少率に違いが!
下のグラフのように、炭水化物の割合が高く、たんぱく質が少なかったスムージー群に比べ、高たんぱくなバランスだったヨーグルト群は、筋肉量の減少率を半分以下に抑えられています。さらに、脂肪量の変化は、ヨーグルト群がスムージー群の倍近くでした。
4日間のファスティングで、グリークヨーグルトからたんぱく質をしっかりとった結果、筋肉の分解を抑えられ、脂肪を減らせたことがわかります。
また、ウエストサイズの変化は、スムージー群が0.9cm減、ヨーグルト群は1.8㎝減で、ヨーグルト群がスムージー群の2倍減少。胴体(おなか周り)の脂肪の重さは、スムージー群は300gほど減り、ヨーグルト群は500gほど減少しました。
さらに、4日間のファスティング前後でケトン体の数値を調べたところ、スムージー群よりもヨーグルト群のほうが倍以上増えていました。これは、ヨーグルト群のほうが、脂肪がよく燃焼されていたことを示しています。
書籍『4日間でやせる! ヨーグルトファスティング』(学研プラス)には、ダイエットを助けるグリークヨーグルトの選び方や1日の量、とるタイミングなど実践法が詳しく書かれています。ヨーグルトファスティングに興味がある人は、参考にしてみてください!
『4日間でやせる!ヨーグルトファスティング』(学研プラス)¥1080
文/掛川ゆり 写真/小澤晶子