冷凍野菜は下ごしらえも必要なく、食べたいときに必要な分だけサッと使うことができてとても便利ですよね。自分好みに食べやすく味つけをできるのもうれしいポイント。今回は、そんな冷凍野菜を家庭で簡単に作れる方法をご紹介したいと思います。「野菜を丸ごと買っても使い切れない」とお悩みの人にもおすすめです♪
Contents 目次
ニーズの高まる冷凍野菜
冷凍野菜の輸入量は年々増加傾向にあります。財務省貿易統計を基に作成された「冷凍野菜の輸入量推移」によれば、2017年に初めて100万トンを突破しました。
ばれいしょやほうれん草、スイートコーン、ブロッコリーが前年を大きく上回り、国内ではコーンやかぼちゃといった野菜が生産量を大きく伸ばしています。
生鮮野菜の価格高騰によって、流通業界において価格変動の少ない冷凍野菜の販売を強化するようになったこと。また、手軽に調理できる食材として冷凍野菜が定着してきたことがうかがえます。
また、冷凍野菜は生鮮野菜に比べて栄養価が劣ると考えられがちですが、医学博士で管理栄養士の本多京子先生によれば「冷凍野菜は野菜の栄養価が高い旬の時期に収穫され、速やかに加熱処理、冷凍加工されるので、生鮮野菜と比べても栄養価は遜色ありません。それどころか冷凍前に加熱処理をすることで、酵素の働きが止まり、鮮やかな色合いを長く保つことができるというメリットまであるのです」とのこと。
最近では数種類の野菜をグリルしたものや、洋風、和風それぞれの料理に合わせやすいように野菜がセレクトされたものなど、食のシーンに合わせた冷凍野菜ミックスが販売されています。高齢化や世帯人数の減少、共働き世帯などを背景に、ニーズの多様化が進んでいるようです。
家庭でおいしく!自家製冷凍野菜の作り方
ニーズの高まる冷凍野菜ですが、じつは家庭でも簡単に作ることができるんです。これから冬の時期に活躍するごぼうやきのこ、かぼちゃなど。一度に使いきれない野菜や安い時期にまとめ買いしたいものは冷凍して置くと便利です。
「簡単な下ごしらえをしてから冷凍すれば、料理の手間も省けます。野菜の種類、栄養素の性質、料理方法などに合わせて『カット』『加熱』『アク抜き』のいずれかの下ごしらえをしてから冷凍しましょう。カットするだけのきのこ類は、炊き込みご飯や炒めものなどさまざまな料理に幅広く活用できます」(本多先生)
それでは、本多先生に教わる、自家製冷凍野菜の作り方を見ていきましょう!
【初心者向け】カットタイプ〈きのこ類、キャベツなど〉
カットしてそのまま冷凍!おいしさ長持ち
きのこ類は石づきをカットして、小房に分け、数種類ミックスさせた状態で冷凍します。
※しいたけは包丁で切らずに手で割くと、しいたけの香りが残ります。
【中級者向け】加熱タイプ〈かぼちゃ、ブロッコリーなど〉
加熱してから冷凍!調理の手間を省く
<1>かぼちゃは種とワタを除いて一口大に切ります。
<2>ふんわりラップをして電子レンジ(600W)で約4分加熱します。レンジから出し、そのまま5分蒸らしてから冷凍します。
※野菜が乾燥気味の時は水大さじ1をふってから加熱しましょう。
※皮をむき、つぶしてから冷凍すると、スープなどにも便利に使えます。
【上級者向け】アク抜きタイプ〈ごぼう、レンコンなど〉
酢水につけてから冷凍!変色を防ぐ!
<1>ごぼうはささがきにします。
<2>酢水にくぐらせたのち、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭き取ってから冷凍します。
※酢水につけることで、酵素のはたらきを止め、変色を防ぐことができます。つけ過ぎると風味や栄養が損なわれるため、さっとくぐらせる程度にしましょう。
※酢水:水1Lに対し、酢大さじ1程度
家庭でおいしく冷凍するための3か条は、
【1】うすく平らにならす!
効率よく食材を冷やせるので省エネに。解凍も短時間でOK。
【2】ジッパーつきの袋で空気を抜いて保存!
風味が損なわれないようにするため。袋の上からアルミホイルで包めば、さらに空気を遮断できる上、冷凍効率もぐんとアップ。
【3】1袋ごとに小分けに!
必要な分だけさっと使えるので便利。
家庭で作った冷凍野菜は、種類を問わず2週間ほどを目安に食べきるようにしましょう。
文/FYTTE編集部