ここ2〜3年よく耳にするようになったと感じている人も多いであろう「グルテンフリー」。小麦のものに注意する食生活のこと? ぐらいに思っていませんか? 実際にグルテンフリーの食生活をはじめて体の変化を実感したという一般社団法人グルテンフリーライフ協会のフォーブス弥生さんに、グルテンフリーをはじめるきっかけとその変化について教えていただきました。
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欧米ではすでに定着しつつある「グルテンフリー」
プロテニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチの書籍の影響もあり、最近では少しずつ耳にするようになった「グルテンフリー」や「グルテンフリーダイエット」。小麦、大麦、ライ麦などの麦類から生成されるたんぱく質のグルテンを含まない食品が「グルテンフリー食品」。グルテンフリーの食習慣・食生活のことを「グルテンフリーダイエット」と呼びます。
もともとは、小麦アレルギーやグルテンが分解できず小腸が炎症を起こすセリアック病、グルテンの摂取により何らかの体調不良が起きるグルテン過敏症(グルテン不耐症ともいう)といった免疫疾患を持つ人向けの食事療法として始まったものです。
海外においては、スーパーモデルのミランダ・カーや元アメリカ大統領のビル・クリントンなどの多くの有名人が実践し、欧米では急速に普及しています。
私のコーナーではこの「グルテンフリー生活」についていろいろとお話ししてきましたが、改めてお伝えしたいと思います。
私がグルテンフリーとの出会ったときのこと
「グルテンフリー」、この言葉を初めて耳にしたのは、今から約10年前のことです。その当時の私は、小麦、大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質が「グルテン」と呼ばれることすら知りませんでした。私の夫はグルテン過敏症、つまり小麦などのグルテンを口にしただけで体調を崩す体質です。当時の私は本当にパンが大好きで、毎朝パン食だったのですが、夫との生活をきっかけに、小麦抜きの生活をはじめました。当初は自分がパンやパスタを食べない生活をするなど、まったく想像もできませんでした。
しかし、毎日の食事において、毎回別メニューを作ることは手間がかかるため、試しに私も夫に合わせて2週間の小麦抜きをはじめてみると、私の考えは180度、変わりました。毎日食べていて、あんなに大好きだったパンを「食べたい」といっさい思わなくなったのです。
グルテンフリー食に変えただけで、自然と適正体重に
これはグルテンに含まれるたんぱく質成分の「グリアジン」の摂取が少なくなったためです。「グリアジン」には、過剰に摂取すると食欲を増進させたり、血糖値を急上昇させる作用があります。それまでは、たまの外食で食べすぎて、体重を気にすることもあったのが、努力することもなく、自然に「食」への抑制が利くようになりました。
また私の場合は、さらに肌ツヤが改善し、慢性的な疲れも消えました。風邪もほとんど引かなくなりましたし、忙しさからくるイライラなどもなくなり、感情が安定しました。体調が好転したおかげで、心も穏やかになり、気持ちはいつも前向きで新しいことに挑戦する気持ちも湧いてきたのです。
英語に、「You are what you eat.」という表現があります。まさに「食べたものがあなたを作る」のです。私が考えていた「健康」には、まだまだ上があり、小麦を抜くだけで、心も体もこれだけ健康になり、どんな年齢でも生まれ変われると自分の体で痛感しました。
人間は十人十色というように、食生活においても「自分に合った食べもの」「自分に合わない食べもの」があるということを知っていただきたいのです。私にとっては「グルテンフリー」が合ったように、だれかほかの人にとっては、その人なりのベストの食事があるからです。そして、それを知っているのは、自分自身の体と心です。毎日の食生活の中で、まずは自分に適した食物を摂取する選択肢をご自分でさがしてみませんか。
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