自宅で料理する余裕がないときには、つい外で食事を済ませることが増えてしまいがち。またお付き合いなどでの外食もありますよね。でもそんな風に外食が続くと、体を壊してしまわないか心配にもなります。一方、自炊は栄養のバランスがとれて好ましいともされます。実際のところはどうなのでしょうか。日本の研究グループが実際のところを報告しています。
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外食が続きがちな人はどれくらい?
忙しくて自宅で料理して食べている時間がとれない!外食が続くと、出費はかさみますし、「体によくないのでは」という心配もあります。
厚生労働省が2015年に20代以上の男女およそ7000人を対象に行った調査によると、外食を週に2~3回以上利用している人は17%でした。一方で、お弁当や惣菜を週に2~3回持ち帰って食べている人は26.0%。
男女別で見てみると、外食が週に2~3回以上となっているのは、男性では24.9%、女性では10.2%となり、女性よりも男性のほうが高い結果。お弁当やお惣菜を週に2~3回持ち帰って食べているのは男性で28.3%、女性で24.0%。
外食したり、お弁当やお惣菜で済ませたりするのは、ごく当たり前のことになっていると言っていいのでしょう。
ただ、外食が続くと、塩分をとり過ぎてしまうなど、問題もありそう。日本の大阪にある国立の研究機関である医療基盤・健康・栄養研究所の研究グループが、栄養のバランスという面から調査結果を発表しました。
問題点については夕食のとり方によらず共通
調べたのは、自分で夕食を自分で調理して食べている頻度が、栄養バランスに影響してくるのかどうか。
研究の対象となったのは、日本の既婚女性143人(年齢は25歳~44歳)。自宅で毎日夕食を作っている人とそうではない人に分けて、栄養がどれくらいとれているのかを調べたのです。
栄養がとれているかどうかは、14の代表的な栄養素などを調べています。
結果として、自宅で夕食を作っているかどうかで、栄養の面の違いは出ないことがわかりました。問題点があったとしても、それは自宅で料理したときも変わらなかったのです。例えば、塩分。自宅で作っていないと塩分が少なくなるかというとそうではなく、毎日夕食を作っていても、塩分は高めになっていました。このほか、飽和脂肪酸が多い、食物繊維が足りないという点でも自宅での調理と外食とは変わりなかったのです。
研究グループは、自宅で夕食を作っていないからといって栄養が不十分になることはなさそうだと結論づけています。
自宅で作るかどうかというよりも、塩分を控えめにして、食物繊維を意識的にとるといった、食べるものを正しく選ぶことこそ必要と言えそうです。
<参考文献>
厚生労働省「平成27年国民健康・栄養調査」2017年3月公開
J Nutr Sci. 2019 Apr 22;8:e14. doi: 10.1017/jns.2019.9. eCollection 2019.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31037217