薄着になる季節。そろそろ本格的にダイエットに取り掛かりたいと思っている人も多いのでは? そこで、コンディショニング・トレーナーの桑原弘樹先生に、ダイエットの要にもなる失敗しらずの食事コントロール術をうかがいました。いまダイエット中の人で、なかなか続かない、上手くやせられない、という人も必見です!
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絶対避けたいダイエット法とは?
「世の中にはいろいろなダイエット法がありますが、どのダイエット法にも一応それなりの理論があります。ただひとつだけ、絶対にやってはいけないのが“単品ダイエット”。
例えば、りんごだけ食べ続けるダイエットとかがありますよね? 体は1個の食べものの栄養素からは成り立っていません。たんぱく質、脂質、炭水化物の3大栄養素が、体を作る材料となり、また体や脳を動かすエネルギーになることで成り立っています。例えばりんごは微量栄養素も豊富で健康にうれしい果物ですが、りんごにはたんぱく質と脂質がほぼ含まれていません。りんごしか食べないというやり方は、体重は落ちますが、筋肉量も落ちてしまいます。メリハリのある美しいボディを目指すみなさんには、ひとつの食品しか食べないというダイエットはやめてもらいたいと思います」(桑原先生)
これだけやっておけば失敗しない王道テク
3大栄養素とはたんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)ですが、この3つの共通点は人間が生きていくためのエネルギーをもつという点。それぞれの栄養素には、とる分量のバランスによって、余計なエネルギーとして体に蓄えられてしまうか、効率よくエネルギーとして使えるか、同じカロリーの食事をとっても差がでてきます。このバランスを、それぞれの頭文字を取って“PCFバランス(エネルギー産生栄養素バランス)”といいます。
「この3大栄養素の摂取バランスを整えることで、より効率よくエネルギーが作られるため、ボディメイクにいい結果が期待できます」(桑原先生)
理想的な“PFCバランス”とは?
日本人の理想のバランスは、たんぱく質(P)が全体のカロリーの15%、脂質(F)が25%以下、炭水化物(C)が60%となりますが、パーセンテージですと分かりにくいですよね? そこで実践するときのポイントは2つ。
1.高たんぱく低脂質の食事を心がける
肉や豆類をたくさん食べる。肉は脂質の少ない部位を選び、皮や脂身がある場合は取り除いて調理する。
2.極端な炭水化物カットをしない
炭水化物をカットし過ぎると、体重が落ちたとしても筋肉が分解に向かってしまいます。さらに炭水化物が体内で分解されたブドウ糖が足りなくなると、脳へのエネルギー不足という悪影響も心配されます。
「PFCバランスが整っていると、エネルギー産生が高まるので食べたものが脂肪になりにくいのです。ダイエットを始めるなら、まず最初におさえておきたいポイントです」(桑原先生)
よりダイエットを意識した“PFCバランス”
「理想的なPFCバランスに慣れてきて、さらに上を目指したい、やせるだけでなくメリハリボディになりたい! という人には、さらに理想のバランスがあります」と桑原先生。
「理想的なPFCバランスをちょっとだけ崩して、より高たんぱく低脂質にする。そして炭水化物も少しカットするとより効果的です。炭水化物をカットする場合は、朝昼では抜かず、夜ごはんで抜くこと。朝と昼に抜いてしまうと、日中の糖質不足から筋肉が分解されやすくなります。料理が苦手で、肉など食材からたんぱく質を多くとることが難しい人は、プロテインを取り入れるのも一案です」(桑原先生)
「ライフスタイルのなかの要のひとつ“食”を見直すことで、調理も楽しくなって食べることももっと楽しくなります」と桑原先生。夏に向けてのダイエットの第一歩として、まずは食から見直していきましょう。
撮影/渡辺裕子 文/大石結花