多様化するライフスタイルの中でも、「なるべく時間と手間をかけずに、栄養バランスのいい食事をとりたい」というニーズは、多くの人々に共通するものでしょう。ミールキットやカット野菜などを使った時短調理がスタンダードになりつつある中、時短調理を新たなステージへ導く存在として、今、電子レンジを活用して野菜の副菜を手軽に用意できる「eおかず」が注目を集めています。
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「副菜どうしよう」のプレッシャーから解放!「eおかず」とは?
ミールキットやカット野菜などの時短食材、時短レシピを紹介するアプリや動画などのニーズが高まる中、野菜のおかず「副菜」にフォーカスしたソリューションとして、人気料理研究家の河瀬璃菜(りな助)さんが提唱する「eおかず」が注目を集めています。「eおかず」とは、電子レンジで、野菜を、おいしく、ヘルシーに、効率的に調理した副菜のこと。ネオマーケティングが、全国に住む20~40代の既婚女性900人、既婚男性300人を対象に行なった調査の結果によると、主婦や主夫の約9割が家族に野菜を食べさせたいと考えている一方で、7割以上が料理に手間ひまをかけられないと回答。さらに、8割以上が副菜についてワンパターンになりがちだと答え、半数近くが野菜料理に苦手意識を持っていることが明らかになりました。
そもそも電子レンジは、食材の水分だけで加熱をするため、野菜のうま味を十分に引き出すことができるうえ、鍋でゆでるのに比べて、ビタミンCなど水に流出しやすい栄養素がより多く残り、加熱時間も短縮できて経済的です。さらにこれからの季節は、高温多湿になりやすいキッチンでの熱中症対策にもいいとされています。おもにあたためや解凍、下ごしらえなどに使われてきた電子レンジを調理器具として活用することで、副菜調理への悩みに解決糸口が。「eおかず」は、令和という新時代の救世主となりそうです。
袋のままレンチンできる進化系カット野菜や、初のレンジ専用調味料など続々登場!
最近、メディアやSNSなどで「eおかず」がとり上げられる機会が増えてきたことに伴い、さまざまな関連商品が登場し、売り上げを伸ばしているそう。
袋のままレンチンできるカット野菜の進化系「このままレンジ♪シリーズ」(サラダコスモ)は、機能性表示食品の「大豆イソフラボン子大豆」に、にんじんとキャベツが加わった「3品目のナムルサラダ」(98円・税抜)、 「大豆イソフラボン子大豆」に、かぼちゃ、さつまいも、ブロッコリー、にんじん、キャベツが加わった「6品目の温野菜サラダ」(198円・税抜)の2種類展開。袋入りのままでレンジ調理ができ、下処理も不要なのが魅力です。
また、本格調味料、香味野菜など、揃えるのに手間のかかる素材を1本にまとめ、 電子レンジ調理に最適な配合にした、野菜のおかず用液体調味料「かけてチン♪温菜おかず」(味の素)も登場。好みの野菜にかけて短時間電子レンジで加熱するだけで、野菜の栄養を逃すことなく、野菜本来のおいしさを最大限に引き出した温かい野菜のおかずを作ることができる初のレンジ専用調味料で味は「バーニャカウダ味」「コクうま黒酢味」(オープン価格)から選べます。
続いては、レンジで作れる簡単「eおかず」のレシピをご紹介します。
レンジで簡単!時短!夏野菜を使った「eおかず」レシピ
注目されているとはいえ、電子レンジを使って作れる副菜のレパートリーが少ないという人のために、旬の夏野菜を使った「eおかず」レシピ2種をご紹介します。
カラフル野菜のレンジラタトゥイユ
<材料(3〜4人分)>
ズッキーニ 1本
赤・黄パプリカ 各1個
たまねぎ 1/2個
A
トマトジュース 200cc
コンソメキューブ 1個
塩こしょう 少々
オリーブオイル 適量
パセリ あれば
<作り方>
(1)ズッキーニは1cm幅の輪切りにする。たまねぎはざく切りにする。パプリカは2cm角に切る。
(2)ボウルにオリーブオイル以外の全ての材料を入れ、ふんわりとラップをかけたら600wの電子レンジで5分加熱する。ラップをはずし、さらに10分加熱する。
(3)(2)器に盛り、パセリをちらし、オリーブオイルをまわしかける。
枝豆とトウモロコシのツナマヨサラダ
<材料(3〜4人分)>
とうもろこし 1本
たまねぎ 1/2個
枝豆(正味) 100g
ツナ缶 1缶
マヨネーズ 大さじ3
めんつゆ(3倍希釈) 小さじ1
塩こしょう 少々
<作り方>
(1)とうもろこしは実を包丁で削ぎ落とす。たまねぎはみじん切りにする。
(2)ボウルにとうもろこし、枝豆、たまねぎを入れ、ふんわりとラップをかけたら、600wの電子レンジで3分加熱する。
(3)(2)にツナ缶、マヨネーズ、めんつゆ、塩こしょうを入れて混ぜ合わせる。
「時短調理」、「電子レンジ活用」などというと、「手抜き」という罪悪感を感じてしまいがちですが、よりよく豊かな暮らしを求めるがゆえ、仕事や趣味、スキルアップやワークアウトなど、日々の中に多くの「したいこと」「すべきこと」を抱える人が多い中、バランスのとれた食事を効率的に作って、時間を有効活用したいと思うのは、とても自然なことではないでしょうか。そういった時代の流れやライフスタイルの変化の中で、「eおかず」は「副菜プレッシャー」を跳ね飛ばし、「野菜を食べたいけれど、手間ひまをかけられない」などの悩みを解消する存在として、広く浸透していきそうです。
文/野田美香