腸内環境が悪化すると便秘になって苦しいことはもちろん、老廃物がうまく排出されないことで、代謝機能の低下を招くことも。そこで、「腸活」を積極的に取り入れてやせるための土台づくりを行っている管理栄養士の豊田愛魅さんにそのポイントをうかがいました。
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腸のためには食物繊維とビフィズス菌!
豊田さんは肝臓と腸を整える食事法で、なんと13kgもの減量に成功しました。
「やせやすい体になるためには、基礎代謝量が大きい肝臓の機能を強化するのがポイントですが、それだけではやせられないんです。腸も整えないと、老廃物がうまく排出できなくなり、エネルギー消費量や代謝機能などが低下してしまうんです。そのためには、腸内細菌のエサとなる食物繊維と、腸内に多くすむ善玉菌・ビフィズス菌、この2点が大事だということがわかりました」
食物繊維は寒天でとれば手軽!
食物繊維の1日の目標量は成人女性で18g以上。この量はレタスだと8個分、トマトだと13個分の量に匹敵。そう考えるとかなりの量。毎日、クリアするのはなかなか大変です。
そこで、豊田さんがおすすめするのが寒天を活用する方法
「寒天は1日わずか2gで、便秘や腸内環境改善に効果を発揮するという研究データがたくさんあるんです。寒天は水を抱え込む力が強く、体内に入ると数百倍もの水分を吸って膨張した状態で大腸に到達し、効果を発揮してくれます。ですから水分を一緒にとることも大切」
食物繊維は、その性質から水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に大きく分けられ、1:2 のバランスで摂取することが効果的とされています。寒天はその両方をバランスよく含むため、腸内環境を整えるのに理想的と考えられているのです。
糸寒天はちょい足し食材として優秀
寒天には糸寒天、角寒天、粉寒天などがありますが、後者ふたつはゼリーや水ようかんなどをつくるときに使うもの。料理にちょこっと活用するなら糸寒天がおすすめなのだそうです。
「みそ汁やスープなどには、戻さずそのまま入れます。あえものやサラダなどには水で戻して具材として加えます。戻すといっても水につけて10秒もかからないので手軽なんですよ。ただ、汁ものや炒めものなど、温かいものに使うときは、火を止めてから加えてください。沸騰しているところに加えると溶けてしまいますから。せっかくならシャキシャキとした食感も味わってくださいね」
さらに、主食を控えめにしたいときのかさ増しアイテムとしても活用度大なんだそう。
「もどして細かく米粒状に切ったものを炊いたごはんに加えたり、もどして長いままパスタに混ぜたり、使い勝手がいいんです。テレビ番組で芸能人の食生活改善をするときにも寒天はよく使うのですが、血糖値が下がるなどの効果が上がっています」
乳酸菌ではなくビフィズス菌 を!
腸内環境の改善のためには乳酸菌というイメージがありますが、豊田さんによれば、ビフィズス菌のほうが重要なのだそう。
「腸内バランスを改善するためには腸内にすむ善玉菌を優位にすることがポイント。実際、大腸内にすむ善玉菌は、ビフィズス菌99.9%、乳酸菌0.1%と圧倒的にビフィズス菌が多いのです。乳酸菌は主に小腸にすんで免疫などに関わっています」
ビフィズス菌をとる方法としては、やはりヨーグルトが一番手軽。ただし、ビフィズス菌にも数多くの種類があって、自分の腸内細菌と相性がよいかは食べてみないとわからないそう。
「ヨーグルトは1日100gで腸内環境の改善に効果があると言われています。まずは、同じヨーグルトを毎日100gとる生活を2週間続けてみましょう。合っていれば便の状態が変わるなど変化が出てくるはずです」
ビフィズス菌は一度にたくさん摂取しても、腸内にそのまま定着し続けることはないと言われているので、毎日とり続けることが大切なのです。
もっと簡単に腸内環境を整えたい。そんな人には、豊田さんが開発した寒天とビフィズス菌を一度にとれる食品をとり入れるのも手。特別加工粉寒天を使用しているので、コーヒーやお茶など温かい飲み物に溶かして飲めるのがとっても便利ですよ。
「びふぃ寒天」30包入り¥3,700(税抜)/リッチライフコンディショニング
https://item.rakuten.co.jp/kanten-eare/bifi-kanten-t2/#bifi-kanten-t2
もっと詳しく知りたい人は
ずぼやせ 「生きているだけで痩せる体」をつくる食事術 (豊田愛魅著/光文社)
ダイエット難民だった管理栄養士がたどりついた、「しっかり摂って痩せる」習慣をつくる食事術。
取材・文/野上郁子<オフィスhana>