ダイエットを成功させる秘訣は何なのでしょう。ダイエットが難しい理由として考えられるのは、なかなか継続できないカロリー制限、リバウンドしやすい体など。このたび、米国の研究グループが、ダイエットを成功させる秘訣を分析。そこから見えてきたことは、日ごろの食生活を考えるヒントになりそうです。
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6か月の追跡調査からヒントを探る
これまでもダイエットのための食事法については、さまざまな方法が紹介されてきました。最近では、炭水化物を減らす方法などが人気。「これが大切」といわれていることはそれぞれですが、カロリーを減らす、食物繊維や栄養素のとり方を変えるなどの方法が一般的です。そのうえで年齢や性別なども、ダイエットの成功を左右する要素になります。
このたび米国の研究グループが注目したのは、「食物繊維」です。ダイエットの成否にどのように影響するのか、摂取する栄養素や各人の違いなども踏まえて調べました。肥満傾向の345人(女性53.9%)を対象として、必要とされるカロリー値よりも750kcalのカロリー制限を実施。そのうえで、対象者をランダムに4つのグループに分け、6か月にわたって追跡調査しました。4つのグループは、「低脂肪&標準量のたんぱく質」「低脂肪&高たんぱく質」「高脂肪&標準量のたんぱく質」「高脂肪&高たんぱく質」で、それぞれグループ名の通り異なる特徴をもつ献立で食事してもらいました。いずれのグループでも、食物繊維が少なくとも1日当たり20g含まれるように献立が考えられています。
食物繊維を多めに食べるとやせる
調査からわかったのは、食物繊維が体重減少にとって大事だということでした。というのも、6か月間の食物繊維の摂取量の変化が、体重減少に特に関連性が高かったからです。食物繊維の1日の平均摂取量が開始前よりも4g増えると、6か月間で体重は約1.5kg減るという計算が成り立ちました。食物繊維の摂取と体重減少の関係は、いずれのグループでも同様。体重減少は、主要な栄養素やカロリー摂取量とは無関係でした。
さらに、食物繊維を目標摂取量分しっかりと食べていた人は、食事プランをきちんと守れていることもわかりました。研究グループは、「食物繊維の摂取は、カロリー制限のある食事療法に必要不可欠な構成要素」と結論。ダイエットを進めるときには、食物繊維がとれているかにもっと注目するとよいかもしれません。
<参考文献>
Dietary fiber: An integral component of a successful weight loss intervention
https://nutrition.org/dietary-fiber-an-integral-component-of-a-successful-weight-loss-intervention/
J Nutr. 2019 Oct 1;149(10):1742-1748. doi: 10.1093/jn/nxz117.
https://academic.oup.com/jn/article/149/10/1742/5512578
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31174214