フルーツはヘルシーな食品の代表格といっていいかもしれません。さまざまな研究から、フルーツを定期的に食べていることがダイエットを含めた健康的な生活習慣につながると明らかになっています。そんな効果のひとつが、心へのメリットです。落ち込む気持ち、不安な気持ちが、フルーツを食べることで解消されるようなのです。
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世界のデータを分析
今回注目されたのは、フルーツとメンタルとの関係ですが、フルーツや野菜をたっぷりとると心によい効果があるという研究結果が次々と出始め、注目されていました。
このたび国際研究グループが、世界保健機関(WHO)と米国疾病予防管理センター(CDC)の世界的な調査を分析しました。調査とは、世界中の国々で、心身の健康状態や生活習慣などの状況をアンケートで聞いたもの。国際研究グループはこの調査データに基づいて、10代の6万5000人以上を対象に、フルーツ・野菜の摂取と心の問題との関係について調べたのです。
フルーツを食べると不安が軽くなる
分析の結果、フルーツと野菜を食べる人はメンタルトラブルが少ないことが明らかになりました。さらにフルーツについては、不安を和らげる効果があることもわかったのです。
まず、フルーツと野菜をとる回数について、1日4回以下と5回以上で分けて比べたところ、1日4回以下だと、5回以上の人と比べうつ病が多くなっていました。そのうえで、フルーツと野菜を分けて分析すると、野菜が関係したのはうつ病で、フルーツについてはうつ病に加え、不安症が少なくなっていることもわかりました。
その原因については明らかになっていないものの、フルーツや野菜を食べることが、何らかの理由によりメンタルトラブルを防ぐ方向に働くとしたらうれしいこと。落ち込むことがあったり、不安感に悩まされていたりするときに、たとえば、ぶどうやりんご、いちごなどを食べてほっとひと息つくのは科学的にも意味があるのかもしれません。
<参考文献>
J Affect Disord. 2019 Oct 8;261:172-180. doi: 10.1016/j.jad.2019.10.007. [Epub ahead of print] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31634676