食べてもまだ食べられる。食後のスイーツには手が伸びる。ダイエットを考えれば、ほどほどがよくてもついつい食べ過ぎに…。ドカ食いをしがちな私たちの心にはどんな秘密があるのでしょうか。このたびその秘密について研究グループが明らかにしています。
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どうして食べ過ぎてしまう?
「ダイエットが頭から離れないにもかかわらず、おいしいものには目がない」「甘いものをガマンできない」。そんなふうに思っていて、ついつい食べ過ぎてしまうという人は多いはず。食べられる量には限度があるはずなのに、食べたいという気持ちがおさまらないことを不思議に思う人がいるかもしれません。結果として、体重が増えていって、肥満の道につながることも。
こうしたドカ食いの背景には何があるのか、米国バージニア大学の研究グループがこのたび研究報告を行いました。こうしたドカ食いを招いてしまう原因のひとつとして、高カロリーの食品が関係している可能性があるようです。
「最初のガマン」が大切
そうしてわかったのは、体の正常なリズムが狂うことで、異常なドカ食いにつながる仕組みがあることです。高カロリーのものを食べると、脳のなかで喜びを感じるときに出てくるホルモン「ドーパミン」の出方が悪影響を受けてしまうのです。この結果として空腹を感じる体のリズムが壊れてしまうと考えられるそうです。
研究グループがこうした結果を得たのは、動物実験で確かめられたからでした。マウスに高カロリーのエサを与えたところ、通常のマウスではみられなかった、食べるのが止まらないという行動が始まったのです。ところが、脳のなかでドーパミンを出せないタイプのマウスの場合には、同じように高カロリーのエサをとっても、食べ続ける行動を起こすことがありませんでした。こうしたところから、研究グループは脳のなかで感じる快感の感覚が食べ過ぎを引き起こしてしまうと考えたのです。
高カロリーの食品が、ドカ食の引き金となってしまうという結果に。最初のガマンが思いのほか大切ということかもしれません。
<参考文献>
WHEN YOU EAT MIGHT BE AS IMPORTANT AS WHAT YOU EAT
https://news.virginia.edu/content/when-you-eat-might-be-important-what-you-eat
Study finds dopamine, biological clock link to snacking, overeating and obesity
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(19)31468-X