フルーツを食べるとき、皮はどうしていますか? もし当たり前のように皮をむいて捨ててしまっていたら、じつはそれ、ちょっと残念な食べ方のようです。フルーツの栄養をおいしく、ムダなくとるための食べ方について、管理栄養士の大柳珠美先生にうかがいました。
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栄養豊富なフルーツの「皮」に注目!
これまでフルーツの栄養とその効果(関連記事参照)について紹介してきましたが、さらにフルーツのスゴイところは、その皮に含まれる栄養素です。
「最も栄養があるのはフルーツの果肉ではなく、じつは“皮”の部分です。たとえば、腸をキレイにしてくれる食物繊維のペクチンは、りんごの皮に多く含まれていますし、抗酸化作用の高いポリフェノールが含まれているのは、ぶどうの果肉ではなく皮と果肉の間です。皮ごと食べられるフルーツは、よく洗って、できるだけ皮ごと食べるとよいでしょう。皮ごと食べる場合には、無農薬の国産フルーツを選ぶと安心ですね」(大柳先生)
これから旬を迎えるスイカも果肉の下にある皮の白い部分に栄養が豊富で、むくみの改善に役立つ「シトルリン」が赤い部分よりも多く含まれているそう。
「スイカの皮をそのまま食べるのは難しいですが、白い部分を薄く切ってサラダにしたり、昔ながらのぬか漬けにしたりするのもアリですね」
みかんの「外皮」も無駄にせず活用を
みかんやオレンジなどの柑橘類の場合は、果肉をつつむ袋の部分に食物繊維が多く、袋にある白いすじの部分には、毛細血管を強くするヘスペリジン(ビタミンP)が非常に豊富に含まれています。せっかくの栄養を捨ててしまうのはもったいないので、みかんやオレンジは、白いすじを取らずに袋ごと食べるのがオススメです。
また、あまり知られていませんが、柑橘類のビタミンCも、じつは果肉より外皮に豊富に含まれているそう。
「ゴワゴワしたみかんの皮をそのまま食べるのは難しいですが、キンカンなどは、ヘタをとったら生のまま皮ごと食べるといいですよ。オレンジの皮はオレンジピールにしたり、すりおろした皮や皮ごと輪切りにしたものを紅茶に入れて、オレンジティーにしたりするのもよいですね。輸入のオレンジやグレープフルーツには防カビ剤が使われていることがあるので、皮を活用する場合は無農薬の国産フルーツをよく洗って使いましょう」
生食、ジュース、ドライフルーツ…オススメの食べ方は?
そのほか、フルーツはジュースやドライフルーツなどの加工品もありますが、効果的なとり方はあるのでしょうか。
「忙しいときなどは手軽にとれるフレッシュジュースもよいですが、一般的に加工の過程で、生のフルーツに含まれる酵素やビタミンCなどせっかくの栄養が失われてしまいがちです。また市販のジュースや缶詰には、血糖値を上げやすい添加物や果糖ブドウ糖溶液が含まれていることもあるので、ジュースを飲みたいときはしっかり表示をチェックしてください。フルーツの栄養だけをあますところなくとりたいなら、栄養豊富な旬のフルーツを生のまま食べるのがオススメです」
また、おやつとして常備しておくには、保存が効くドライフルーツも最適。フルーツをそのまま乾燥させた自然な甘みのものを選ぶのがポイントです。
「市販のドライフルーツは、砂糖を使用したものや添加物を含むものもあるので、選ぶときにはパッケージを見て、砂糖や添加物を使っていないものを選びましょう。また栄養が凝縮されたドライフルーツは、生のフルーツに比べて高糖質でもあることを忘れずに。なかでも手軽に食べられるレーズンはつい食べ過ぎてしまいがちなので、糖質の摂取オーバーにならないよう、くれぐれも食べ過ぎには注意し、空腹を抑えるくらいの感覚でとるとよいでしょう」
取材・文/井上幸恵