ほっそりとしなやかに引き締まった体に憧れるものの、筋トレが苦手だし続かない。運動をしてやせるなんて自分にはムリかも…そうあきらめていませんか? 「タテ伸びモーション」は、ラクにキレイにやせたいという人におすすめのボディメイク・メソッド。日常の動作にとり入れながら実践できるというその方法を、考案者であり、パーソナルトレーナーの日高靖夫先生に教えていただきました。
Contents 目次
筋トレよりも効果的な「タテ伸びモーション」とは?
「タテ伸びモーションは、体をタテに伸ばしながら細く引き締めていくボディメイク・メソッドです。
つきたてのお餅を思い浮かべてみてください。やわらかなお餅をスーッと縦に伸ばすと真ん中が細くなりますよね。このお餅を伸ばす動きが、タテ伸びモーションの動作です」(日高さん)
この「お餅理論」の要領で、体を縦に伸ばすと、体の真ん中あたりにあるウエストが細くくびれます。「タテ伸びモーション」は、そのくびれを体に形状記憶させることで、ウエストが引き締まった美ボディになるというメソッド。
「タテ伸びモーションが目指すのは、腹筋が6個に割れたシックスパックのようなたくましい体ではなく、お腹が細く、縦に伸びた女性らしいボディラインの体です。ボディラインが整えられることで、メリハリのある“愛され美ボディ”になれますよ!」
キレイな姿勢をキープして代謝がUP!
「タテ伸びモーション」を行うと、理想的なボディラインが手に入ると同時に、やせやすい体にもなれるそう。なぜ、やせやすくなるのでしょう?
「体を縦に伸ばすと、背すじが伸び、姿勢がキレイに整えられます。このキレイな姿勢が、美しいボディライン&やせやすい体をつくるカギです。
もう少しくわしく説明しますと、背すじを伸ばすことで背骨が正しい位置に整えられ、キレイな姿勢の軸ができます。姿勢の軸を保つには、背骨まわりの『姿勢筋』と呼ばれるインナーマッスルを働かせて背骨を支える必要があります。
つまり、キレイな姿勢をキープすると、自然と姿勢筋が使われて代謝が上がり、脂肪が燃えやすい、やせやすい体になるのです」
反対に、背中が丸まった悪い姿勢をとり続けていると、体の土台となるインナーマッスルが硬く縮んで、ボディラインを崩すことに。代謝も落ちるため、太りやすい体になります。
そうならないためにも「タテ伸びモーション」で姿勢を正し、美しいシルエットを描くスレンダーボディを叶えましょう。
「タテ伸びモーション」基本の姿勢の作り方
まずは「タテ伸びモーション」のベースとなる基本姿勢の作り方をご紹介します!
●お尻をプリッとヒップアップ
骨盤を立て、お尻の位置を上げましょう。お尻の位置が上がることで、丸みのある女性らしいヒップラインになります。
1、はじめに横向きの姿勢をチェック。骨盤がうしろに傾いていませんか? 骨盤がうしろに傾くと、お尻が下がり、胸も落ちて猫背になります。そのまま放っておくと、ボディラインがどんどん崩れ、脂肪もつきやすくなります。
2、両脚を腰幅に開いて立ちます。両手を腰に当て、骨盤を前に傾けて。自然とお尻の位置が上がります。
●両手を上げてバンザイ
バンザイのポーズで背すじを伸ばし、背骨を正しい位置に調整。背骨の位置が整うと、お腹まわりがスッキリします。
1、骨盤を前傾させた姿勢で、息を吐きながらバンザイのポーズで両手を天井方向へ。おへそをタテに伸ばすイメージで上半身を伸ばし、耳に腕をつけて。頭上で左右の手をクロスし、手のひらを合わせます。
2、お腹を縦に伸ばした状態をキープしたまま、両手を体の横にゆっくりと下ろします。体にキレイな姿勢を形状記憶させましょう。
「立つ・座る・拾う」モーションを実践しよう!
日常生活では、立つ、歩く、座る、拾う、という動作が日常動作の9割を占めると言われています。歩くは、立つ動作の応用と考えられるので“立つ・座る・拾う”の3つの動作の美しさを極めるエクササイズが『タテ伸びモーション』の基本の動き。さっそく試してみましょう!
●立ち姿が美しくなる「バレリーナモーション」
バレリーナのようにしなやかでスラリとした体を作ります。この動作がスムーズにできるようになると、ふだんの立ち姿勢や歩く姿勢がグッと美しく変わりますよ!
1、両脚を閉じて立ち、骨盤を前傾させます。息を吐きながらバイザイのポーズで両手を天井方向に上げて。おへそを縦に伸ばすイメージで上半身を伸ばし、腕を耳につけます。頭上で左右の手をクロスし、手のひらを合わせましょう。
2、床からかかとを上げ、つま先立ちになり、自然な呼吸をくり返しながら50秒キープ。難しい人は、5秒キープを10回行って。
●座る姿が美しくなる「イチローモーション」
元メジャーリーガーのイチロー選手が試合中に行っていたポーズをイメージしながら背中を伸ばし、細く長い内ももの筋肉を刺激。キレイな姿勢で座ることのできる筋力を養います。
1、 両脚を肩幅の2倍に開いて、つま先を外側に向け、背すじを伸ばします。ひざの内側に両手を置き、ひざの角度が90度になるようにお尻を下げます。両脚と床の間に長方形をつくるイメージで行って。
2、息を吐きながら、左手で左ひざを外側へ押し出すようにします。右肩は自然と内側に。その姿勢で5秒キープ。
3、息を吐きながら、反対側も同様に5秒キープ。これを、左右5往復くり返します。
●拾う姿が美しくなる「お辞儀モーション」
拾う動作のポイントは、背すじをまっすぐ伸ばすこと。そうすることで、ひざ裏〜もも裏の筋肉が伸び、ヒップラインがキュッと引き上がります。
1、長さのある突っ張り棒や傘などを用意し、背中にあてます。頭、背中、お尻の3点がつくように、背すじをまっすぐに伸ばしましょう。
2、ひざを軽く曲げ、お尻をうしろに突き出すように股関節からお辞儀をします。ひざ裏〜もも裏を伸ばしながら5秒キープ×10回行って。
立つ・座る・拾うの3つのモーションは、日常生活のすき間時間に行なうと効率的。3週間ほど続けると、筋肉の状態が変わり、理想的なボディラインが現れはじめます!
立つ・座る・拾うモーション 応用編
日常動作の美しさを極めながらトレーニングする「立つ・座る・拾うモーション」応用編で、ボディラインに磨きをかけましょう。
●ウエストシェイプ&ヒップアップを叶える「ななめ壁ドン」
壁に手をつき、上半身&下半身を伸ばすことで、背中〜ウエスト、脚の裏〜お尻のラインが引き締まり、全身のシルエットをスッキリ整えます。
1、壁の前に立ち、脚を肩幅に開く。床と平行になるように、壁に両手をつける。このとき、肩が上がらないように気をつけて。
2、壁に両手をつけたままひじとひざを伸ばし、お尻をうしろに引く。背中は自然なカーブを保ち、わきの下、ひざ裏をじっくり伸ばしながら30秒キープ。
●背中&内もものラインを引き締める「カエルポーズ」
股関節を開いて内ももの筋肉を伸ばすことで、ほっそりとした太もものラインを作ります。腰〜背中もストレッチされて美しいバックシャンに。
1、脚を肩幅に開き、背すじを伸ばして立つ。両足のつま先を外に向け、胸の前で両手のひらを合わせる。
2、ひざの向きとつま先の方向をそろえ、お尻を下ろしてしゃがむ。ひじでひざを外側に押し、視線をまっすぐ前に向ける。1→2を10回くり返す。
●視線集中! 理想のボディラインを作る「モデルポーズ」
デコルテから背中、背中からヒップ、ヒップからレッグまで、一気にアプローチするポーズ。メリハリの効いた理想的なボディラインを実現できます。
1、両手を骨盤におき、頭、背中、お尻の3点を一直線のラインでつなぐ。股関節から上半身を曲げ、脚の裏側が伸びるのを感じるところまで前屈。
2、右ひざを伸ばし、左ひざを軽く曲げてかかとを上げる。肩甲骨から動かすイメージで、上半身を右にねじる。
3、次に右ひざをかるく曲げて、かかとを上げる。肩甲骨から動かすイメージで上半身を左にねじる。2→3を15往復する。
運動が得意ではない人でも、筋トレが続かない人でもチャレンジしやすいタテ伸びモーションで、女性らしいボディラインをGETしましょう!
衣装提供:GapFit
モデル/ヤハラリカ 撮影/山上忠 ヘア&メイク/斉藤節子 取材・文/野口美奈子