ストレッチと筋トレは対になり、ボディメイクやダイエットの軸となるものです。ストレッチというとゆっくり時間をかける「じんわりストレッチ」が主流ですが、柔軟性向上のためにプロの世界では「PNFストレッチ」や筋膜リリースも合わせてとり入れるようになっています。今回は、東京を拠点にストレッチ講座を展開する柔軟美トレーナーの村山巧さんの『自分史上最高の柔軟性が手に入るストレッチ』からご紹介していきます。
Contents 目次
ストレッチの新時代へ
「今、ストレッチの世界は、新たな時代を迎えています」と村山さん。努力と根性のストレッチ1.0から、現在のストレッチ2.0へ。ストレッチ2.0は、「イタ気持ちいい」「ムリしない」「じっくり」「ゆっくり呼吸する」など。
「間違ってはいませんが、それだけでは柔軟性を獲得するまでに長い時間を要します」
村山さんが紹介するのが、ストレッチ3.0の世界。
「筋膜リリースと筋コンディショニングのPNFストレッチという2つの科学的アプローチから最速で体をやわらかくする正攻法の手法です。ごく一部のプロフィギュアスケーター、新体操選手、チアダンサーだけが知っている、いわば“柔軟革命”です」
それではさっそく簡単な首のストレッチを通して、ストレッチ3.0の世界を体感してみましょう!
PNFストレッチで脳科学的アプローチ
【首のストレッチ】
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)と僧帽筋をストレッチします。この部位がこりかたまると、背中にムダ肉がつき、胸が下垂しやすくなります。ストレッチをして柔軟性を高めることで、首こり・肩こり、姿勢も改善されます。
【脳科学 アプローチ (PNFストレッチ)】
(1)両肩を下げ、ムリなく首を横に倒せるところ(以降、「ブロックポイント」と呼びます) まで倒してスタート。伸ばしている側の肩が上がるとストレッチ効果が半減するので注意しましょう。
(2)2秒間息を止めて赤、青の両側(写真2矢印)で綱引きをするイメージで力を入れます。
(3)息を大きく吐いて首の力を脱力すると同時に手で頭を引きます。(2)(3) の動きを3回くり返します。
(4)あらためて首を横に倒してみてください。 (1)よりも首が横にムリなく倒れる実感があるはずです。
こりがある部分を圧迫する筋膜アプローチ
【筋膜 アプローチ】
(1)首の横を押さえて首をゆっくり大きく動かします。
(2)首のつけ根を押さえて首、肩、背中を大きく動かします。
(3)僧帽筋は手で押さえにくい筋肉なので、 肩甲骨にボールなどを当て、体重をのせて背中を大きく動かします。次にボールやフォームローラーに体重をかけて肩を大きく回します。さらにボールやフォームローラーに体重をかけて体を前後にスライドします。
※フォームローラーはバスタオルを丸めたものでも代用可能です。
短時間負荷をかけて抵抗し、脱力する、という動きが特徴の脳科学アプローチ。そして、こりがある部分を圧迫しながら、筋肉や関節をゆっくり大きく動かすというのが筋膜アプローチの基本的な考え方。別の部位でも基本的な方法は変わらないので、ご自身で応用してとり入れることもできるでしょう。
文/庄司真紀
参考書籍
『自分史上最高の柔軟性が手に入るストレッチ』(かんき出版)