久しぶりにストレッチをすると体のかたさを実感することがありますよね。そんなときには、“柔軟美トレーナー”の村山巧さんのストレッチメソッド「トップギアストレッチ」を試してみましょう。最速かつこれまでよりも柔軟性が高まること間違いナシ。今回は、村山さんの『自分史上最高の柔軟性が手に入るストレッチ』から、体側部のストレッチをご紹介していきます。
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最短で結果を出す手法
ストレッチは時間をかけて、ゆっくりと伸ばしていくのが定説。しかし、村山さんのメソッド「トップギアストレッチ」はさらにスピーディに結果を出します。
「これまでのストレッチは安全第一という考えのもと、車にたとえると超安全運転、いつでもどこでもローギアにして時速30kmで走行するようなもの。それに対してトップギアストレッチは、『PNFストレッチ』と『筋膜リリース』を両輪としつつ、私の指導経験のなかで適宜アレンジを加え、最短で効果を出すべく進化させたストレッチ手法です」と村山さん。
PNFストレッチとは、もともとリハビリの世界で発達した筋コンディショニングの手法です。
筋肉を強く収縮させたあとに弛緩させることで脳の運動系の神経を刺激し、短時間で筋肉や関節が本来有する可動域を覚醒させる手法であり、脳科学をベースにしたものということができます。ここでは、PNFに基づくエクササイズを「脳科学アプローチ」と呼んでいます。
また筋膜リリースとは、全身を覆うボディスーツのような筋膜のゆがみを正常に戻すことで、筋肉や関節が正しく動けるようにする手法です。筋膜リリースはダンサーをはじめ、プロスポーツ選手の間でもウォームアップやクールダウンに広くとり入れられているように柔軟性向上に有用です。
くびれをつくる【体側部のストレッチ】
体側部の腹斜筋をストレッチします。運動不足や猫背、長時間のデスクワークでこり、この部位がこりかたまると腰痛の原因にもなります。柔軟性を高めることで、ウエストのくびれ、腰痛の改善などが期待できます。
【脳科学 アプローチ】
(1)自然に上体を横に倒し、止まったところからスタート。
(2)ひじをもって横に体を倒すと同時に、それに抵抗して下に力をかけます(2秒抵抗)。
(3)体側部を脱力し、さらに横に引きます(2秒脱力)。体が真横に倒れるように意識します。前傾になると体側部ではなく、主に背中のストレッチになるので注意。
(4)(2)(3)を3回くり返したらあらためて上体を横に倒し、効果を確認します。 左右に倒して比べてみると、エクササイズの効果が実感できます。
筋膜のアプローチ
この動きでは、ストレッチやマッサージなどに使えるポール状のアイテム「フォームローラー」を使います。スポーツ用品売り場や通販などで購入できますが、手元にない場合は、バスタオルを丸めたものでも代用可能です。
【筋膜 アプローチ】
(1)ろっ骨と筋肉を引きはがすイメージで指の腹を使ってゆるめます。
(2)わきから腰骨までフォームローラーの位置を少しずつ変えながら体をあずけます。
(1)体側部にフォームローラーをあてがい、 胸側に体を倒します。
(2)背中側に体を倒します。わきから腰骨までフォームローラーの位置を変えながら行います (写真はわき)。
これまでストレッチで結果を感じられずに苦手意識をもっている人も多いかもしれません。トップギアストレッチはその点、結果をすぐに実感できるので、継続することも楽しくなります。毎日取り組めば1か月後には大きな差となって現れるでしょう。
次回は内もも(内転筋群)のストレッチをご紹介します!
文/庄司真紀
参考書籍
『自分史上最高の柔軟性が手に入るストレッチ』(かんき出版)