パーツを鍛えるだけでなく、全身運動にもいいのが筋トレ。科学的に見た筋トレのダイエット効果とは…? 日本最大のコンテスト団体ベストボディ・ジャパンを主宰する谷口智一さんの書籍『10万人が注目! 科学的に正しい人生を変える筋トレ』から、筋トレのモチベーションが上がる筋トレのダイエット効果についてみていきましょう。
Contents 目次
筋トレがダイエットに効く理由
1.1日の代謝が上がる
「筋トレは『EPOC』(運動後過剰酸素消費量)が多いため、トレーニング中のみならず、筋トレをしたあとにも脂肪燃焼モードが続きます。それは筋トレなどの運動を行うと、体が酸素を必要とするからです。トレーニングが終わると回復するフェーズとなり、この間に新陳代謝が行われていきます。そして脂肪燃焼も促進されますから、筋トレ後にふつうに仕事をしていても、勝手に体が脂肪燃焼モードに突入してくれます」(谷口さん)
年々落ちてしまう代謝を高めるには、朝の筋トレがよさそうです。
2.血糖値のコントロール機能向上
ダイエットと関連する血糖値も筋トレによって改善できます。
「筋トレなどの運動を行うと、筋肉はグリコーゲン(糖の一種)をエネルギーとして使用します。そして、足りなくなった分を貯蔵しようとする。このことから、筋トレ後に食べる炭水化物は体脂肪になりにくいといわれているほど。もし食べた炭水化物を脂肪にしたくなければ、筋トレ後のタイミングに食べるのがベストといえるでしょう」
グリコーゲンを主なエネルギーにしているのは、遅筋よりも速筋だそうです。速筋は瞬発力のある筋肉細胞で、筋トレなどの無酸素運動で鍛えられます。
3.脂肪を燃焼する
筋肉がつくことにより、脂肪の代謝を促す効果がある成長ホルモンが分泌され、太りにくい体質になっていきます。ちなみに、通常のトレーニングと比べて、成長ホルモンの分泌が促されるといわれるのが加圧トレーニング。
「加圧トレーニングはお金もかかりますし、血栓ができやすくなるというリスクも報告されています。加圧トレーニングをしなくても、いつもの筋トレに『スロートレーニング』をとり入れると効果的でしょう。スロートレーニングとは、ゆっくり行うトレーニングで、成長ホルモンの分泌を効果的に高められることが確認されています。動作をゆっくり行うことで乳酸が形成されやすくなり、その乳酸が脳下垂体を刺激。成長ホルモンの分泌を促します」
スロートレーニングは3~5秒かけて関節を伸ばし、同じ時間で戻すのがポイント。コツは関節を伸ばし切らずに行うことです。
ダイエットに効く筋トレ
【リバースプランク】
(1)脚全体を床につけて座り、背中はまっすぐ伸ばし、顔は正面を向く。両腕もまっすぐ伸ばす。手のひらは床につけるも、指先は前方(つま先のほう)に向ける。
(2)両手と両脚のかかとを床に押しつけ、上体を持ち上げ、背中からかかとまでがまっすぐになるようにする。この姿勢のままで30秒キープする。(1)〜(2)を3回繰り返す。
「脂肪細胞には2種類あり、いわゆるぜい肉である白色脂肪細胞と、筋肉のような働きをする褐色脂肪細胞に分かれます。褐色脂肪細胞は白色脂肪細胞を燃焼させる働きがあります。この褐色脂肪細胞もシェイプアップの強い味方となりますが、多く存在するのが肩甲骨周辺とわきの下あたり。リバースプランクでこのあたりの広背筋を鍛えてあげると褐色脂肪細胞の活性化が期待できます。ストレッチなどでも活性化できますが、ホルモン分泌や筋トレ後のカロリー消費を考えれば筋トレのほうがいいでしょう」
ダイエットの際は筋トレも合わせて行うと効果が相乗します。長い目で見ても健康上のメリットがあるので、ぜひ続けたいですね。
文/庄司真紀
参照元
『10万人が注目! 科学的に正しい人生を変える筋トレ』(SBクリエイティブ)