女性の心と体に潤いをもたらす「膣ヨガ」を紹介する本連載。今回のテーマは「リンパ」です。リンパが滞ると、むくみや冷え、下半身太りの原因になりますが、じつは、免疫力にも関係があるそう。そこで、膣ヨガの考案者であり、セラピスト&インストラクターの鈴木まり先生に、リンパの流れをよくする方法を教えてもらいました!
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リンパの停滞がむくみ、冷え、風邪の原因に
そもそも、なぜ、リンパは滞るのでしょう?
「いちばんの原因は、運動不足ですね。リンパ管は静脈に寄り添うように全身に張り巡らされていています。そのため、運動不足で血行が悪くなると、リンパにも悪影響が及び、滞りが生じるのです」と鈴木先生。
リンパの流れが滞ると、体の中のよぶんな水分や老廃物が十分に回収されず、体内に残ってムクミや冷えを招くことに。また、老廃物がたまると代謝が悪くなり、脂肪も蓄積しやすくなります。
「さらにリンパには、そけい部、わきの下などにリンパ節があり、ウイルスや細菌と戦い、病原菌の抗体を作るリンパ球が存在しています。リンパの流れが滞ると、このリンパ球の働きが弱化し免疫力が下がるため、冬場は特に、風邪をひきやすくなりますね」(鈴木先生)
そこで、役立つのが「膣ヨガ」です。
「膣への意識を高めて下半身を充実させながら、全身のリンパの流れをよくすることで健康な体を維持でき、その結果、見た目の美しさも叶えることができます」(鈴木先生)
今回は、上半身、下半身のリンパを流す方法を、それぞれご紹介。仕事や家事の合間に、ぜひ、試してみて!
美しいバストラインを作る「美バストリンパマッサージ」を動画でチェック!
上半身のリンパの流れを促すマッサージ。両手を体に密着させて、ゆっくり動かしながら左右のわきの下にあるリンパ節にリンパを流すことで、上半身のむくみを解消。バストラインもキレイに整えられます。
〈1〉右手で右の腰をしっかりつかみ、手のひら全体で圧をかけながらゆっくりわきの下へ。途中で左手も加え、両手を交互に動かしながらわきの下までさすり上げる。
〈2〉両手でさすり上げながらお腹前面を通り、左のわきの下まで、ゆっくりマッサージ。
〈3〉左のわきまで来たら、再びお腹の前面を通って右側へ。5往復する。
手のひらでアイロンをかけるイメージで行いましょう。手のひら全体を使って、ゆっくりていねいにさすることで、リンパの流れがスムーズになります。
冷えの改善にも役立つ「むくみケア脚さすり&足つり防止ストレッチ」を動画でチェック!
リンパ節のある、そけい部から足首に向かってリンパを流したあと、そけい部を伸ばすことで、下半身のリンパの滞りが一気に流れます。また、そけい部を伸ばすときにお尻と膣に力が入るため体が温まりやすく、温かい血液が足先まで流れて、抹消の冷えの改善にも。
〈1〉あぐらの姿勢から右脚を横に伸ばす。両手で太ももをグッとつかみ、そのままゆっくり足首→そけい部を往復しながら1分ほどさする。
〈2〉お尻を床から上げ、上半身を左に向ける。お尻と膣に力を入れて、できるだけ上半身を起こす。
〈3〉両手を左脚の太ももの上にのせ、右脚のそけい部をストレッチ。そけい部の伸びを感じながら腹式呼吸を10回くり返す。反対側も同様に。姿勢がぐらつく場合は、両手を体の横の床に置き、体を支えて。
〈3〉のストレッチでは、上半身を起こすことよりそけい部を伸ばすことを意識するのがポイント。体がかたい人はそけい部の伸びを感じる範囲で上半身を起こして。
リンパの流れをよくするマッサージ&ストレッチ、いかがでしたか? 全身のリンパをスムーズに流し、この冬を元気に過ごしましょう!
撮影/山上忠 取材・文/野口美奈子 動画編集/しぶちこ
【参考書籍】
『心とカラダをON&OFF! 膣ヨガ』(宝島社)