CATEGORY : フィットネス |モチベーション(メンタル)
「このままではAYAではなくなる」そんな焦りから新たに生み出されたAYAさん流フィットネスマインドとは
コロナ禍の最中、すっかり運動不足。モチベーションが低下して、気持ちも体もゆるみがちという人は多いのではないでしょうか。今回は、美しいボディの代名詞的存在でもある、フィットネスプロデューサーのAYAさんにインタビュー。これまで当たり前だったことが当たり前でなくなり、環境が大きく変わったこの1年。AYAさんは、トレーニングとどのように向き合ってきたのか教えていただきました。
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自分自身や体とじっくり向き合ったステイホームでは、新たな発見も
どうしても行動が制限されてしまうコロナ禍。外出自粛によってAYAさんもジムで体を動かすことができなくなり、自宅で過ごす日々が続いたそうです。
「ステイホーム期間は思いっきり体を動かすことができず、活動量が大幅に減りました。すると、体のもたつきを感じるようになったんです。マズイ、このままではAYAではなくなってしまう。そんな思いが頭を駆け巡って、最初はとても焦りました」
そう振り返るAYAさん。これまで当たり前にしてきたことができない、人とも会えない。その日々に戸惑いつつも、変化した日常だからこそ得たこともあったようです。
「ステイホームがすべてマイナスだったかというと、そうではありません。自分の体と向き合う時間が山ほどできたことで、新しい発見も多くありました。例えば、トレーニングが制限されてしまう分、ストレッチをたくさんするようになったんです。すると、自分の体の硬いところや、弱いところに改めて気づきました。これまでもストレッチは毎日していましたが、意外と見逃していた。じっくり体と会話することができたからこそ、気づけたことだと思います」
さらに、自分自身を客観視することができたと話します。
「これまで、『運動はどこでもできる』『特別な環境がなくてもできる』と唱えてきたAYAが、いざ、家に閉じ込められたときに何をするのか。どういう行動をとるかを第三者的な目で観察してみたんです。すると、家ではどんなトレーニングができるかをあれこれ考え、常に体を動かす自分がいました。1日のスケジュールも無駄がないように組み、家に閉じこもっていても、忙しく動いてじっとしていることがない。そんな自分に直面し、『自分は、体を動かすことが大好きな人間なんだ』と、改めて知る機会になりました」
これまでと同じではダメ。時代に合ったやり方で、運動の大切さを伝えていく
家でできるトレーニングを自分の体で勉強できたというAYAさん。体を動かすことの大切さを一層実感したことはもちろん、知識の引き出しが増えたことで、より多くの人に発信し、伝えていかなくてはいけない。そういった使命感も強くなったようです。
「これまではフィットネスのイベントなどを通して、皆さんと直接触れ合うことができました。しかし、今はそれができない。じゃあ、どうやって伝えていけばいいのか。どうすれば、伝わるかを深く考えていく中で、インスタグラムでのライブなど、オンライン配信にも力を入れるようになりました。私自身、皆さんと直接会えるイベントが大好き。だから、それができる日がいち早くくることを望みますが、でも、それを待って止まっていてはダメだし、これまでと同じではダメ。時代が変わったら自分も変わっていかないと置いてけぼりになる。私だけでなく、誰もがそう感じたと思います。この時代に合ったやり方や、今できることは何なのかをものすごく考えたし、追及してきました。その期間を経たことで、自分の引き出しも増えたと思います」
一歩が踏み出せない人たちに、追い打ちをかけたい
活動量が減り、体はゆるんでいく……。そんな状況に「運動しないとマズイ」と痛感しながらも、行動がついていかないという人も多くいます。「そんな人をやる気にさせたい」と、AYAさん。
「私だけでなく、全人類が運動の大切さを痛いほど感じたと思います。これまでも『やらなくちゃいけない』ということは、なんとなくわかっていた。そういう人も、本気で『マズイ』という気持ちになったのではないでしょうか。そこに、もっと追い打ちをかけるのが、私の役目だと思っています。画面や誌面の向こうでハードに動く私の姿を見たり、かけ声を聞いたりして、皆さんが焦ってくれたらいいなって、思っているんです。『うわっ、またAYAが追い込でるよ』『ガツガツやってるよ』そんなふうに思いつつも、見て見ぬふりできない。AYAを見ると、『ビクッとする』、うっとうしいほどに運動というワードがつきまとって『動かないとヤバイ』という気持ちになってしまう……、そんな存在でいいんです(笑)。だから、どんどんメディア等にも露出して、皆さんの気持ちに火をつけたいです」
AYAさんは、フィットネスをもっと身近なものにするために、「日本総フィットネス化」という目標を掲げ、フィットネスの魅力を多くの人たち伝えてきました。また、人気スポーツブランド「PUMA(プーマ)」のグローバルキャーペーン“SHE MOVES US”の一環として、「PUMA WOMEN」のプロジェクトディレクターにも就任。“SHE MOVES US”は社会で活躍する女性を賞賛し、活動をサポートするためのキャンペーンですが、AYAさんもその理念に強く共感したそうです。
「私の考えに賛同してくれて、『ファンです』『AYAもトレーニングも大好きです』と言ってくれる方たちは、コロナ禍であってもきっとトレーニングをやってくれているはずです。そうではない、『やらなくちゃ』という気持ち止まりであと1歩が踏み出せないゾーンの人たちをどう引き込んでいくかは、私の課題のひとつ。そこを視野に入れ、目標である『日本総フィットネス化』をかなえるべく、柔軟に活動していきたい。そして、この時代に合ったフィットネスをプーマさんとも一緒に考えながら、より多くの女性に発信をしていきたいです」
次回は、AYAさんが「いい訳しがちな人」へ助言。「家トレ」のポイントも教えていただきました。
撮影/田辺エリ 取材・文/柿沼曜子