骨盤底は筋肉や靱帯などから成り立っていますが、出産などの影響によって弱くなり生活に支障をきたすこともあります。あお向けで腰を浮かせる「ケーゲル体操」が有名で取り組む人は多いかもしれません。海外研究でもケーゲル体操の効果を認めていますが、プラスアルファの工夫についても検討されているようです。
Contents 目次
骨盤底を強くする取り組みは有効?
骨盤底の筋肉や靱帯などが弱くなる状態は「骨盤底機能障害(PFD)」と呼ばれています。それによって子宮や膣などを支えられずに尿失禁をはじめとしたトラブルが起こりやすくなることが問題になります。そんななかで注目されているのが骨盤底筋を鍛えるトレーニングです。あお向けになって腰を浮かせる「ケーゲル体操」が有名で、海外研究ではいくつも骨盤底筋を鍛える効果についての研究が行われています。
スペインの研究グループは骨盤底機能障害と診断された女性を対象に、ケーゲル体操のような自宅でできる骨盤底のトレーニングに、事前の集中的なリハビリを組み合わせる方法について検討をしています。31人の女性にインタビューした結果として、エクササイズ自体も大切ですが、リハビリを行う専門家の助言を受けながら行うことで継続でき、効果的だと指摘しています。
ヨガとの組み合わせにも注目
一方で中国の研究グループが注目しているのは、ケーゲル体操にヨガを組み合わせる方法です。骨盤底機能障害の症状に悩んでいる74人を2つのグループにランダムに分けたうえで、一方のグループにはケーゲル体操だけを行ってもらうのですが、もう一方のグループにはケーゲル体操に加えてヨガにも取り組んでもらいました。
するとヨガと組み合わせることで、ケーゲル体操だけを行うよりも骨盤底機能障害の症状が改善し、生活の質が高まる効果が認められました。
骨盤底のトレーニングを行うときには、自宅でのトレーニングに加えて女性泌尿器科にリハビリの相談をしてみたり、ヨガに取り組んでみたりすることで一層症状の改善につながるのかもしれません。
<参考文献>
Navarro-Brazález B, Vergara-Pérez F, Prieto-Gómez V, Sánchez-Sánchez B, Yuste-Sánchez MJ, Torres-Lacomba M. What Influences Women to Adhere to Pelvic Floor Exercises after Physiotherapy Treatment? A Qualitative Study for Individualized Pelvic Health Care. J Pers Med. 2021 Dec 14;11(12):1368. doi: 10.3390/jpm11121368. PMID: 34945840; PMCID: PMC8706048.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34945840/
Nie XF, Rong L, Yue SW, Redding SR, Ouyang YQ, Zhang Q. Efficacy of Community-based Pelvic Floor Muscle Training to Improve Pelvic Floor Dysfunction in Chinese Perimenopausal Women: A Randomized Controlled Trial. J Community Health Nurs. 2021 Jan-Mar;38(1):48-58. doi: 10.1080/07370016.2020.1869416. PMID: 33682549.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33682549/