毎日の歩数や移動距離などのデータをスマートウォッチなどで測る人も増えているかもしれません。数字で見えると日々のエクササイズなど生活習慣を変えるモチベーションアップにもつながります。今回、海外研究で、そんな活動量計をもっとじょうずに使うためのオプションについての報告がありました。数字を測りっぱなしにしない工夫が効果的なようです。
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データの測りっぱなしはもったいない?
「継続は力なり」というのは何においても当てはまりますが、フィットネスやダイエットも続けることが大切です。ですが、生活習慣を改善してそれを続けられるか、挫折してしまうかは紙一重といえるのかもしれません。続けるのは困難も伴います。そんな日々の運動を続けていくときの支えとして活動量計を使っている人も多いはず。歩数や移動距離などのデータを自動で測定してくれる「アクティビティモニター」(万歩計や各種のトラッカー、スマホアプリなど)が、運動を続けたり増やしたりするうえで有用であることは最近の研究からも示されています。
今回、チェコなど3か国の研究グループは、活動量計をもっとじょうずに使う方法に注目して、さまざまなオプションを試してその結果を報告しています。オプションとして検討したのは、運動についてのカウンセリング、何らかのご褒美、目標設定といったものです。それらが運動を続けるための支えとして有効なのかを過去の研究に基づいて分析しています。
過去の研究では運動をうながす効果を比べたものが85件見つかりました。これらの研究の合計参加者は1万2000人です。ほぼすべての研究が歩数を増やす効果を調べていました。
オプション追加で約1000歩の差
こうして有効なオプションと認められたのが、目標を設定すること、またその活動量計と他人からのカウンセリングを組み合わせることでした。目標設定すること、人によるカウンセリングをオプションとして加えることによって、1日の平均歩数を研究期間中に926歩高める効果がありました。さらに研究が終わってからも413歩高める効果が続いていました。なお、検討の結果によると、カウンセリングは電話やビデオを介して行うとよいようです。これらのオプションは、ご褒美の設定、スマホアプリを使ったフィードバックなどよりも効果があるようです。
歩数計や活動量計はデータをとるだけでも満足しそうですが、そこにもうひと工夫を加えることでより効果的なエクササイズが可能になるわけです。スマートウォッチなどを使っている場合には参考にしてよいかもしれません。
<参考文献>
Vetrovsky T, Borowiec A, Juřík R, et alDo physical activity interventions combining self-monitoring with other components provide an additional benefit compared with self-monitoring alone? A systematic review and meta-analysisBritish Journal of Sports Medicine Published Online First: 07 September 2022. doi: 10.1136/bjsports-2021-105198
https://bjsm.bmj.com/content/early/2022/09/06/bjsports-2021-105198