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ヤハラ、世界で最も過酷といわれる「サハラマラソン」完走! #ヤハラサハラ 第6ステージ
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観光じゃ体験できない貴重な経験
最後のステージなのにまた後ろのほうになって、人が少ない状態でゴールに向かいました。途中、デザート(砂漠)ツアーでラクダ乗り体験をしている観光客たちに遭遇して、「みんな何やってるの?マラソン?嘘でしょ?!」って驚かれました。
今まで完全にそっち側(観光客側)だったのに、今となっては観光客が変に見えます。着飾った格好で、砂漠なのにヒールを履いて、動きにくそう・・・とか思ってしまいます。
わたしも以前に海外でデザートツアーをしたことがありますが、今回サハラマラソンで砂漠を自らの足で、一歩一歩踏みしめて堪能できたのってすごい貴重だったと思っていますし、観光だったらクーラーの効いたジープでさーっと早く砂漠の中心まで行って、用意された晩ごはんを食べて、ベリーダンス見ながら騒いで・・・って。その時は貴重な経験と思ったけど、それより何百倍も貴重な経験をさせてもらえたなと思いました。
砂漠でひとりぼっちになって、地平線の彼方まで独りで、この壮大な景色の中に独りきりになれる、独り占めしているような貴重な景色を堪能したのは、遅くて前後に人がいなくなった私の特権でもあります。
なんて考えつつも、観光客がいるって街が近いんだな、という安心感も得られました。
大きな財産となった出逢い
このサハラマラソンでは、戦争で両腕を失った元兵士の方や、両足義足の方、目が見えない方とも会いました。全員の方が完走できたわけではないのですが、スピードが同じくらいだったので毎日のように彼らに会って、毎日大きな勇気をもらいました。
私は両手両足が不自由なく使えて目も見えているけど、サハラマラソンに挑戦すると決めた時はすごく怖かったし、勇気がものすごくいりました。でも彼らに比べたらなんてちっぽけだったんだろうと。
目の見えないおじさんはスペイン人で、何を喋っているかは全くわからなかったんですが、毎日ずーと大きな声で喋っていて、併走の人はたまにうなずくだけで基本的におとなしく彼に腕をとられていました。崖のステージでは常に危ないほうに立って、進路を伝えていて、両腕のない方の併走者は、自分の荷物だけでも重いのに、彼のリュックも持って進んでいました。
彼らをみて毎日、私もっとやれるな、いろんなことできるな、自分で自分の可能性や限界を決めてしまっているということはこういうことだったんだなと、思い知らされました。挑戦する強い心を持った彼らに出会えただけでも大きな財産です。
世界で最も過酷なサハラマラソン、完走!!
最後は皆でFINISH。本当にわたし、サハラマラソンを完走することができたんです。
最初に挑戦すると決めた時は、本当に死ぬんじゃないかと怯えた時もありました。たくさんの人に応援してもらった挑戦でしたし、同時に、「君には無理だ」という人もたくさんいました。母には出発前に「やめる勇気を持ちなさいよ」と言われました。でも、「私でも」できたと証明できた、応援してくれた人たちにメダルを持って帰れる、と嬉しくなりました。
いろんなことを思いながら、最後のゲートをくぐり、恒例の甘—いチャイをもらってバスに乗り込みました。