今も昔も、「もっとキレイになりたい!」という女性たちの想いは変わりません。しかし、無理な食事制限で単純に細くて華奢なボディになるのがよしとされていた時代とはちがい、現代の女性たちが求めている理想のボディに欠かせないのは“筋肉”。 第42回ボディメイク部では、筋肉をつけるために覚えておきたい栄養的観点について、コンディショニングトレーナーの桑原弘樹先生に教えていただきました。
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筋肉をつけることと栄養の関係性
ここ数年で、世の女性たちの美的感覚も、「脚はただ細ければいい、お尻は小さければいい」といったようなこれまでの考え方から一変。出るところは出て、細いところは細く引き締まったメリハリボディが憧れの的になりました。この流れによって今、男性だけでなく女性からも注目されているのが“筋肉”。
「筋肉は目に見えていて、自分の意志で動かせるものです。なのに、筋肉のメカニズムはまだ100%解明されていません。確立された仮説の中でどうやったら筋肥大を起こし、筋肉を味方にできるのかご紹介します」(桑原先生)
「減量やダイエットは、キレイにやせられるかは別としても食事のコントロールだけでできるものですが、筋肉をつけるためにはトレーニングという要素が必須。食事だけで筋肉がつくなんてことはありません。
ただし、筋肉はトレーニングだけしていてもつきにくいというのも事実。筋肉は栄養という要素抜きでは語れないものなのです」
つまり、食事から栄養をとることは、筋肉をつけるために必要不可欠ということですね!
そして、桑原先生によると、栄養をとり入れる上での二大要素は「充足」と「バランス」。
お腹が空いたと感じる状態は、「何かしらの栄養が足りていないよ」という体からの合図。寝ているとき以外は、この栄養が足りていない状態を極力つくらないようにする必要があるといいます。
また、三大栄養素のバランス(糖質:50~60%、脂質:25%以下、たんぱく質:15%以上)が整っていることも重要。体の材料となる「たんぱく質」、時間をかけて使われる貯蓄型のエネルギー「脂質」、即効型のエネルギー「炭水化物」が自分の役割をまっとうするには、それぞれのバランスが保たれているかがポイントです。
「お腹が空いた状態は何かしらが足りない体の合図といいましたが、これは主に糖質、炭水化物が足りていない状態。ですが、糖質さえ足りていれば、例え本当はたんぱく質が足りていなくてもお腹が空いたという合図は起こりません。
だからこそ、タンパク質(アミノ酸)というのは意識して補充しないと足りない状況になってしまうのです」
脂質と糖質は体に蓄えることができるのに比べ、アミノ酸は体の中に蓄えられず、使われなかった分は排出されてしまう性質があります。そのため、こまめに補給しないとアミノ酸が足りない状態へ。
「三度の食事にたんぱく質の要素を入れてあげることです。まず、朝食でたんぱく質がとれなければ午前中の血中アミノ酸濃度は低い状態に。血中アミノ酸濃度が低い状態だと、トレーニングを頑張っていても筋肉をつくる効果がグッと落ちてしまいます。これでは筋肥大はおきません。
豆でも肉でも魚でもプロテインでも、何でもいいのでたんぱく質という要素を必ずとり入れてみてください。そうすることで、アミノ酸を橋渡しして、高いレベルで維持することができますよ」
後半は、いよいよ美尻トレーニングの実践編へ!