「ぶらさがるだけで健康&ダイエット効果が!」との評判で、1970年代に大流行した"ぶらさがり健康器"。アスカ鍼灸治療院・福辻鋭記先生も「ぶらさがりは効果的」と太鼓判を押していますが、いざ実践するとなると器具の購入は高くつくし、置き場にも困りそう......。そこで今回は、自宅にあるものだけで「ぶらさがり」と同じ効果を得られる「寝るだけ」のストレッチ法をご紹介します。
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筋肉を柔軟にして血行を促進させる
そもそも、なぜ「ぶらさがり」が健康やダイエットに効果的なのでしょうか。その理由は「体を伸ばして、筋肉を柔軟にすること」にあります。
「私たちの筋肉は日常的に重力の負荷を受けているため、縮みやすくなっています。筋肉が縮んで硬くなると血行が悪くなり、健康不良や代謝の低下を招いてしまいます。しかし、ぶらさがるという行為には、これらの縮んだ筋肉を伸ばして柔軟にする効果があります。とくに腕から背中・腰にかけての大きな筋肉を柔軟にしてくれるので、血行促進による『健康効果』と代謝アップによる『痩せやすい体づくり』が期待できるんですよ」(福辻先生)
自宅でぶらさがる機会・環境を用意するのは大変ですが、ぶらさがらなくても「体を伸ばして筋肉を柔軟にする方法」があります。その方法とは、福辻先生考案の「骨盤枕ストレッチ」です。
1日5分「骨盤枕」で寝るだけ!
骨盤枕ストレッチでは、僧帽筋・広背筋・大臀筋といった背中から腰にかけての大きな筋肉を伸ばすことができます。まずはストレッチをはじめる前に「骨盤枕」をつくりましょう。
【骨盤枕のつくり方】
用意するもの……バスタオル2〜3枚、ビニール紐
- 約30cm幅に折ったバスタオルを2〜3枚重ねたら、力を入れて端から巻いていきます。使用時に体の重みで潰れないよう、できるだけ固く、隙間がないように巻くのがポイントです。
- タオルが横にはみ出さないように巻き終えたら、ビニール紐で縛って枕の形を固定します。縛り方に決まりはありませんが、紐がタオルに食い込むくらいにきつく縛りましょう。
筒の直径は「10cm程度」がベスト。枕が太くなってしまった場合は、バスタオルを1枚減らしたり、薄手のものに替えたりして調節してください。
【骨盤枕ストレッチ】
骨盤枕が用意できたら、次はいよいよストレッチです。
- フローリングや薄い布団の上で背筋と足を伸ばして座り、腰のうしろに枕をピッタリと配置します。
- 枕がずれないように手で押さえながら、ゆっくりと上体を倒して仰向けになります。完全に仰向けになったとき、枕の真上に腰骨が乗っている状態が正しい位置です。
- 両脚を肩幅程度に広げ、左右の親指をつけて、足先をハの字にします。
- 肘を曲げないように両腕を頭の上に伸ばします。手のひらを床に向け、左右の小指同士をつけた状態で手のひらを床につけます。
- この体勢を5分間キープします。
「ストレッチを終えて起き上がるときは、体を横にしてから手で床を押すようにして起き上がりましょう。筋肉が伸びているので、急に起き上がると腰を痛める可能性があるので注意してください」(福辻先生)
ほかにも、骨盤枕ストレッチには「骨盤を引き締めることでウエストをシェイプアップする効果」や「上半身の前鋸筋を伸ばすことで肋骨が持ち上がり、内臓を正しい位置に戻して内臓機能を回復する効果」があります。1日5分、寝るだけで健康&ダイエット効果が得られる骨盤枕ストレッチ、ぜひ試してみてください。
文/松本アグ イラスト/駒見龍也