体型にまつわる悩みは人それぞれですが、とくに日本人は「上半身や顔は細いのに、お尻や太ももに脂肪がついている」といった、下半身太りの方が多いといわれています。笠原接骨院・カサハラフットケア整体院 院長の笠原巖先生によると、下半身太りの原因は足裏と股関節のゆがみによっても引き起こされるのだそうです。骨格のゆがみのセルフチェック法とそのメカニズム、改善のためのセルフケア法について伺いました。
Contents 目次
まずはチェック!あなたの骨格はゆがんでいるかも!?
まずは足裏や股関節の歪みについてチェックしてみましょう。ひとつでも思い当たる項目があれば、下半身太りを招く骨格のゆがみがあると考えられます。
- 足の親指が小指側に15度以上曲がっている。(外反母趾)
- 足指の力を抜いて、親指を甲側に限界まで押したとき、90度以上反る。(浮き指)
- いわゆる「土踏まず」のない扁平足である。
- 歩くとき、かかとから着地する。
- O脚、またはX脚である。
- 左右で足の長さや靴の減り方が違う。
- 脚を組んでいる方がラクだ。
- 力を抜いてあお向けに寝たとき、左右の足先の開き方が違う。
足裏にトラブルがあると骨盤がゆがむ! 正しい歩き方を意識しよう
外反母趾、浮き指、扁平足があると、足裏が不安定になり、これを補うため、太ももやお尻ガ発達し、下半身太りの原因となります。
「さらに、外反母趾や浮き指、扁平足は、足指を踏ん張る力が衰えてしまうため、重心がかかとに片寄り、歩くときに足先が外方向へ必要以上に流れる“ねじれ歩行”が生じてしまうのです。ねじれ歩行はひざ関節だけでなく股関節の外側、太ももの付け根の骨である“大転子(だいてんし)”をゆがませます。このゆがみを補うため、さらに余分な筋肉と脂肪が蓄えられ、次第に太ももとお尻が太くなってしまうのです」(笠原先生)
下半身太りを生み出す「ねじれ歩行」を防ぐには、正しい歩き方を意識し実践することが何よりも大切です。
「ひざを伸ばしきり、かかとから着地する歩き方は地面からの突き上げ(衝撃とねじれ)を吸収無害化できず、ひざ、股関節、腰へとまともに伝えてしまいます。いつもよりひざを1~2cm高く上げるようにし、足裏全体で受身を取って歩けるようにしましょう。ゆっくり歩くのではなく、やや早歩きのようなスピードがベストです」(笠原先生)
左:ひざを伸ばしきってかかとから着地は危険!
右:ひざを曲げ、足裏全体で受身を取って歩けるように
すきま時間のストレッチで骨格改善
歩き方を意識した後は、ストレッチで骨格のゆがみを改善していきましょう。
外側に開いたひざを戻す、ひざ締め屈伸運動
脚の内側の筋肉を鍛えることで、O脚となったひざ関節やゆがんだ股関節を正しい位置に近づけます。毎朝晩の歯磨きタイムなどを利用して行いましょう。
- 足を揃えてまっすぐ立つ(写真1)。この時に両ひざが離れている場合はO 脚傾向で股関節が開いてしまっている状態。
- 上体はまっすぐに起こしたまま、両ひざがくっつく位置までひざを曲げる(写真2)。
- まっすぐの姿勢をキープし、両ひざが離れないようにしながら、脚をのばす(写真3)。
- 2と3を20回くらいずつくり返す。
下半身の引き締めやヒップアップを促す、開脚運動
ゆがんだ股関節の位置を正常に近づけます。
- 両脚をできるだけ左右に大きく開く(写真4)。
- 両手を伸ばしながら、上半身を前に倒す(写真5)。
※まずは両ひじが床につくのを目標に、毎日少しずつ慣らしましょう。最終目標は胸が床にぴったりとつくようになれば理想的です。
ゆがみの大きい方ほどスムーズに開脚できませんが、お風呂上がりなどにゆっくりと時間をかけながら慣らしていきましょう。まずは両ひじが床につくことを目安とし、胸が床につくようになれば理想的です。両脚を左右に開くのも大変な方は、片脚ずつ開いて、体を前に倒すことから除々に慣らしましょう。
骨格のゆがみを改善すれば、下半身も自然とスッキリ! 歩き方やセルフケアを意識して、身も心も軽やかにしたいものですね。テーピングやサラシ、先生が考案した専用の靴下やベルトなどで関節を補整すればさらに効果がアップしますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
画像提供/カサハラフットケア整体院 文/本間美加子