元体操選手が考案した、ハードではなく、楽しいフィットネス

　考案したのは、ホノルル在住の元体操選手そして新体操や器械体操を30年以上子どもたちに教えてきた日本人。同世代の女性たちを応援するために、そのノウハウをまとめたものが「フィット・ワヒネ」。 ローカルの友人に命名してもらったそうで、Fit Wahineとつづります。
Wahine(ワヒネ) はハワイ語で、女性のこと。若々しくいつまでも元気で、自分にフィットしたボディをキープしよう！ 元気にフィットネスをしよう！という意味を込めたそうです。

　歯を食いしばるようなヘビーな動きではなく、楽しく遊び感覚で行えるものばかり。自分の体を支えたり（自重トレーニング）、ストレッチングや筋トレも行います。特に、自分の体を支えること、コントロールすることに重点を置いた動きとして考えられています。なかでも上半身のトレーニングは、女性には難関です。このクラスでは、楽しく、笑いながらできるというのも、魅力のひとつです。眉間にしわを寄せて、筋トレをするのは、美容によくありませんよね！

肩甲骨周りや、胸周りのストレッチは、

1. 肩回りのすじや腱、筋肉を刺激し伸ばすことで、肩の可動域を広げます。その結果、肩甲骨周辺が鍛えられ、肩こりなどを予防します。
2. 日々の動きの中で胸や首などデコルテ付近を意識することで、顔や首回りにしわを作ることを遅らせることができます。

　さらに、新体操で使う、ボールやフープ、ロープやリボンなどの道具を使って、からだと脳のコーデイネーションの効果をはかります。

経験した皆さんが言うのは、「思ったよりも種具が重くって、持っているだけでも効果がありそう」でした。種具を持つだけでも、体のコアな部分の筋肉を使うことができます。また普段あまり鍛えられない二の腕のトレーニングにもなり、ぜい肉を落ちてきます。続けていくと、「腕のラインがすっきりしてきた」「肩の痛みが軽減して可動域が広がった」などという50代、60代の女性の感想も聞かれました。

　2016年のクラス開始から半年以上、週1回、このクラスに通っている60代の女性は、

「フィット・ワヒネのクラスに来る前は、ひざが痛くて、肩も回らなくって病院通いだったのよ。クラスを重ねるごとに、少しずつ、痛みが少なくなってきたの。できなかった動きも、少しずつだけどできるようになってうれしいわ」と言っています。

また別の50代の女性は、「足先や手先の血液の循環がよくなって、自然と姿勢を正すようになったわ。種具の操作も覚えるから、孫に教えてあげるの。孫も喜んで、いっしょに遊ぶようになったわ。それから、クラスの後は、脳もクリアになって、頭の回転もよくなるみたい」と言っています。

現在は、ホノルル・カイムキにある、The Movement Center　というスタジオでクラスが展開されています。

幼い頃、リボンやフープ、ボールを使った新体操にあこがれた女性も多いのでは？　日本でも大人のための新体操、流行るかもしれませんね。

【関連リンク】
・Adult Dance Program

写真・文／佐藤ククイしのぐ、ホリ・コミュニケーションズ