疲労や肩こり、頭痛、冷えなど現代人の多くが悩まされている不調。その根本的な改善に役立つのが、お尻や太ももの裏のストレッチです。トレーナーの坂詰真二先生に、その理由と効果的なストレッチ法について教えてもらいました。
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疲れも肩こりも、ガチガチに固まったお尻が原因だった
長時間のスマホやデスクワークで同じ姿勢を取り続けることで、使われない筋肉は短くなったまま保たれるので、柔軟性が失われてしまいます。このことが、骨格のゆがみなどを招き、さまざまな不調をもたらす大きな要因となるのです。こり固まった筋肉をほぐすのに有効なのは、ストレッチ。とくに優先して伸ばしたいのは、お尻やももの裏など下半身の筋肉です。なぜなら下半身は、体全体を支える重要な役割を持つ、建物でいえば基礎の部分。ここをしっかりほぐすことで、おのずと骨盤も正しい位置に強制され、上半身の筋肉をほぐすことにつながるのです。
それでは、お尻の筋肉・大殿筋と、もも裏の筋肉・ハムストリングスの柔軟性を取り戻すのに効果的な、2つのストレッチをご紹介しましょう。
大殿筋のストレッチ
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- 1.床にあお向けになって、片方の脚のひざを立てます。もう一方の脚と両腕は、まっすぐ床につけて伸ばしておきます。
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- 2.ひざを曲げたまま、両手で太ももの裏を持って、手前に引き寄せます。大殿筋に心地よい張りを感じる位置で止めて、ラクに呼吸をしながら10秒間キープ。お尻が床から浮いたり、背中が丸まったりしないように注意して行いましょう。
ハムストリングスのストレッチ
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- 1.床に座り、片方の脚を前に出して足首を伸ばします。もう一方の脚はひざを曲げ、逆側のももの下に入れます。両手はひざの横に置きます。
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- 2.背すじをしっかり伸ばしたまま、両手をつま先に向かってすべらせながら、上半身を前傾します。ハムストリングスに心地よい張りを感じる位置で静止します。左右の脚を入れ替えて、同様に行います。
正しいフォームで行えば、ほぐし効果がよりアップする
いかがでしたか? ストレッチの効果をより高めるために、注意するべきポイントもあります。
筋肉をやみくもに伸ばせばいいというわけではなく、正しいフォームで行うことがとても重要。写真と文章を見ながら、フォームを重要視して行ってください。
また、筋トレのように伸ばす筋肉を意識する必要はありません。むしろ意識するとその部位は緊張してしまいます。正しいフォームで行うことを優先すれば、意識しなくても伸ばしたい筋肉は自然と伸びるのです。ただし、痛みを感じるまで行うのはNG。心地よい張りを感じる強さでストレッチするよう心掛けてください。お風呂上がりや運動後など、体温が上がって筋肉やゆるみやすくなっているタイミングで行うのも、非常に有効です。
お尻や太もものストレッチで体の柔軟性がアップすると、さまざまな不調の改善に役立つだけでなく、ヒップの位置もバストの位置も上がり、スッと背すじの伸びた若々しい外見も手に入ります。アンチエイジングやダイエット効果も期待できるお尻ストレッチ。毎日続けて、体の変化を実感してみてください。