寒くなると、どうしても活動量が落ちてしまいがちですね。定期的に屋外で運動するのはなかなかたいへんですが、筋トレなら室内で、スキマ時間にだって行えます。代謝アップにも効果的なエクササイズを、トレーナーの坂詰真二先生に教えてもらいました。
Contents 目次
筋肉=熱発生装置。筋肉量が増えれば、冷えも改善する
筋肉は、体を動かす動力源であるのと同時に、脂肪を燃やしてエネルギーをつくる「熱発生装置」。しかし、運動不足で筋肉量が落ちると、体を動かすことがますますおっくうになり、体脂肪の燃えにくい代謝の悪い体になるという、悪循環に陥ってしまいます。逆に言えば、筋トレで筋肉量を増やすことで、基礎代謝がアップ。動力源の筋肉が強くなれば疲れにくく、体も動かしやすくなるので、悪循環がストップ。その結果、体脂肪が減り、引き締まったボディが手に入るというプラスのサイクルに変わるのです。
さらに、基礎代謝量が上がれば体温も上昇するので、多くの女性が抱える冷えが改善。免疫力も高まるため、風邪などの感染症にもかかりにくくなり、アクティブに過ごせます。寒い季節におすすめの筋トレですが、効率よく結果を出すために、知っておきたいポイントがあります。
全身の筋肉をバランスよく鍛えるのが理想ですが、短い時間で代謝アップ効果を求めるなら、体の中でなるべく広い面積の筋肉にアプローチするのが有効です。とくに筋肉の60~70%は下半身に集中しているので、ここから鍛えるのがおすすめ。さらに、胸や肩など上半身の大きな筋肉もトレーニングすれば効果に拍車がかかります。筋トレを始める前には、ストレッチを行って筋肉をほぐし、柔軟性を取り戻しておくこと。ストレッチで筋肉や関節が動かしやすく変わってきてから、筋肉を鍛えたほうが、より効果が出やすくなります。
自己流はNG! フォームや回数を守った筋トレなら、続く! 結果が出る!
次に、筋トレを行う際の注意点です。自己流ではなく、必ず正しいフォームで行うこと。今回紹介するエクササイズも、目的の筋肉に適切に負荷をかけるために、写真と説明文にしたがって正しいフォームで行いましょう。
また、エクササイズ中に呼吸を止めると、血圧が上がって血管に負担がかかってしまいます。体を持ち上げるときに息を吐き、下ろすときに息を吸うという呼吸のルールも守ること。1つのエクササイズに対して6回×1セットから始めて、週2~3回のペースで行います。これなら、負担も少なく続けやすいはず。筋力がアップするにしたがって、回数とセット数を少しずつ増やします。
では、さっそくトレーニングを始めましょう。体の中で最も大きい筋肉の一つ、大腿四頭筋(前太もも)を鍛えるニー・エクステンション、腓腹筋とヒラメ筋(ふくらはぎの後ろ)のトレーニングになるヒール・レイズ、大胸筋(胸)から三角筋(肩)、上腕三頭筋(腕の上部)までアプローチするプッシュ・アップの3つのエクササイズ法を紹介します。
ニー・エクステンション
1.クッションの上に両ひざをのせて座り、つま先を立て、かかとにお尻を乗せる。上半身をまっすぐ伸ばし、床に対してやや後方に傾ける。両手を胸の前でクロスし、視線は前に向けて。
2.息を吐きながら1秒かけて、ひざから頭までが一直線になるまで、ひざを伸ばす。次に上体と床の角度を保ったまま、息を吸いながら2秒かけて、お尻がかかとに触れるまでひざを曲げて上体を下ろし、1の姿勢に戻る。
<ポイント>
動作中は終始、上体と床の角度をキープ。とくに起き上がる際に、上半身が前傾しやすいので注意。