いま、SNSで話題になっているのが、『30日でスキニーデニムの似合う私になる』(ワニブックス)の美脚プログラム。インスタグラムでは、「脚がまっすぐになってきた」「太ももの前張り、横張りがスッキリしてきた」という声があがっています。
この本の著者は、モデルや女優のボディメイクの指導を行っている、運動指導者の森 拓郎先生(パーソナルトレーニングジム『rinato』主宰)。
今回は、森先生に美脚づくりの基本になる「股関節」」「ひざ下」のねじれを矯正するストレッチを教えていただきます!
Contents 目次
■太もも・ふくらはぎが太くなるのは、股関節やひざ下のねじれのせい!
太ももの前やふくらはぎが張って、脚が太くなってしまうのは、なぜなのでしょうか?
「女性の場合、脚のラインを崩す原因に、内股で歩いたり、座ったりする日常の姿勢や動作が関わっています。内股で歩くと、股関節が本来のポジションよりも内旋(内向きにねじれる)。すると、太ももの前や外側の筋肉が発達して張り出し、お尻や太ももの裏側の筋肉が使われにくくなります。また、座っているとき、内股でつま先を開いていることが多いと、ひざ下が外旋(外向きにねじれる)。ふくらはぎが外側に張り出しやすくなります」(森拓郎先生)
ねじれている脚では、前ももや外ももが張る一方、お尻、裏もも、内ももはたるんでプヨプヨに…。脚の関節がねじれることで血液やリンパの流れが悪化し、セルライトがつきやすくなってしまうといいます。
■【脚のねじれチェック】立ったとき、ひざの内側、くるぶしがくっつく?
自分の股関節やひざ下がねじれているかどうかは、どのようにチェックすればいいのでしょうか?
「簡単なチェック法を紹介しますね。左右の足をそろえて立ち、鏡で正面から脚を見てください。
このとき、『ひざの内側』『内くるぶし』がくっついているでしょうか? ひざをくっつけようと無理に力を入れるのではなく、自然に立った状態で確認してください」
「上の写真は、ひざの内側、内くるぶしがくっついていないO脚のタイプ。股関節が内旋してひざ頭が内側を向き、ひざ下は外旋しています。O脚が悪化すると脚のOのカーブがさらに強くなり、太ももの外側が張ります。
また、日本人女性に多いのが、ひざの内側と足元はつくけれど、ふくらはぎの間が離れているXO脚(ひざ下O脚)タイプ。ひざ下が外旋方向に強くねじれ、ふくらはぎの外側が張ります。
ひざの内側はつくけれど、足元がくっつかないX脚タイプはまれですが、ほかのタイプと同様に、股関節の内旋、ひざ下の外旋によって、太ももの前、ふくらはぎが張りやすくなっています」
■ねじれた脚のままトレーニングすると、太ももがさらに張り出す
太ももの前や外側の張り、ふくらはぎのラインをスッキリさせるには、どうすればいいのでしょうか?
「股関節の内旋、ひざ下の外旋のねじれを整えるストレッチで、本来のポジションに戻すことが基本です。
僕のレッスンでも、ゆがみを整えるストレッチをしてトレーニングを進めていきます。脚がねじれている状態で筋トレをしたり、走ったりするのは、マイナスの状態から掛け算するようなもの。前もも、ふくらはぎの筋肉を使い過ぎてさらに張り出し、関節のゆがみが悪化してしまうことがあります
そのため、脚のラインを整えるには、股関節やひざ下のゆがみを矯正し、ゼロのニュートラルなポジションに戻すことが大切です」と森先生。
それでは、基本のストレッチを教えていただきます!
■太ももの前と外側の張りを取る! 股関節のストレッチ
「お尻の筋肉には、股関節を外旋させる働きがあります。内側にねじれた股関節を外旋方向に力をかけて矯正しながら、お尻の表層、深層の筋肉をストレッチしましょう。
背中と腰を丸めて上体を大きく倒すのはNG。骨盤を前傾させ、お尻を後ろに出した体勢で上体を少し前傾させるのがポイントです」
《やり方》
【1】イスに座り、右の足首を左ひざの上にのせます。
【2】曲げたほうの脚のひざの辺りに両腕をのせ、体を少し前に傾けて体重をかけます。このまま、60秒キープ。
じわじわと気持ちよくストレッチしましょう。反対の脚も同様に行なって。
《ポイント》
背中と腰を丸めず、骨盤を前傾。お尻をプリッと後ろにつき出すような体勢でキープします。強い力でひざをグイグイ押すのはNG。じんわり、気持ちよさを感じる程度に体重をかけましょう。
■ふくらはぎの外張りを取る!「ひざ下」の外旋を矯正するストレッチ
次は、ひざ下の外向きのねじれを正すストレッチです。
「つま先を内側に向けた足のポジションで、ひざを内側から外側にねじり、ひざ下の外旋方向のゆがみを矯正していきます。
ポイントは、ひざ頭を外側に向けたときに、足の親指が浮かないようにすること。外側にねじる力に対抗するように内側に抑え込む力をかけ、ひざ下を本来の位置に戻していきます」
【1】足を一歩前に出します。つま先をまっすぐ前に向け、そこから30度内側に向けて。
ひざ頭(ひざのお皿)を小指側に向け、ひざを前に曲げます。
【2】ひざを曲げた状態で、いったん、ひざを内側に戻します。そこからひざ頭を内側→外側に、5回ねじります。足の親指が浮かないようにしましょう。
【3】次に、ひざを伸ばし、ひざ頭が小指側を向くようにして。そのまま、前後にまっすぐ体重移動して、ひざを5回曲げ伸ばししします。
体重移動するとき、後ろの足のかかとを上げてもOK。
反対の脚も同様に行います。
●ひざ上にセルライトがある人は…
「皮膚と皮下脂肪の間にセルライトがついていると、筋肉が働きにくくなります。ひざの内側や外側をつまみながら、ひざ下を前後にブラブラと動かして。つまむことで筋肉と脂肪の間にすき間ができ、筋肉の動きをよくすることができます」
「ストレッチはいつ行ってもOKですが、体が硬い人は入浴後の体がほぐれているときに行ってもいいでしょう。また、朝、出勤する前、トレーニング前に行うもおすすめです。毎日続けることで股関節やひざ下のねじれが整い、まっすぐの脚になっていきます」と森先生。
今回お伝えした「股関節」「ひざ」のストレッチに加え、「足首」「足指」のゆがみを矯正するストレッチも行うと、美脚効果がアップするそう。
次回、その方法を教えていただきます!
撮影/山上忠 モデル/北風百恵 ヘア&メイク/斎藤節子 取材・文/掛川ゆり
*参考図書/『30日でスキニーデニムの似合う私になる』(ワニブックス)