特別な道具を使わなくても気軽に始められるランニングは人気の高い運動。本格的に走るようになり、マラソン大会に出場したい、もっといいタイムを出したいとパフォーマンスの向上を目指すなら、日々の練習だけでなく筋トレをとり入れるのが効果的! 一体どんなトレーニングを行うといいのか、コンディショニングトレーナーの桑原弘樹先生に教えていただきましょう。
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■ランニングのパフォーマンスUPに効果的な筋トレ
ランニングのパフォーマンスを向上させるには、どれだけ走ったかという走行距離(練習量)や、栄養的な観点でエネルギーを効率よく使うこと、エネルギーの材料を上手にとりいれることなどが上げられますが、筋トレをとりいれることも効果的だと桑原先生。
「ランニングは、いかに少ないエネルギーで走れるかがポイント。長い時間走って体がグラグラとブレはじめると、むだなエネルギーが使われます。疲れたときでも体がブレないためには腹筋や脚など“体幹”が大事になってきますね。
ほかにも、走っていると足が着地するときに筋損傷が起きますが、ふだん鍛えていない人は上りや下りのときに足を痛めやすいんです。
これらのことを想定しながら、自宅でできる自重トレーニングをとり入れてみましょう」(桑原弘樹先生)
それでは、ランのパフォーマンス向上に役立つ6つの筋トレを早速チェック!
【1】スプリットスクワット(各10回)
ゆっくりとした動きで筋肥大させるトレーニング。走るときとは違う負荷がかかり、筋肉を強くします。
1、肩幅に足を開く。手は腰に当てるか胸の前で組んだ状態にする。
2、足を前後に開き、うしろに下げた脚のひざを曲げ、床に向かってグッと下げる。このとき、うしろ脚のかかとは上げる。
3、胸を張って、曲げたひざを真上に上げる。10回行ったら、反対脚も同様に。
動きの途中でグラグラしてしまってもOK。グラグラするのは体幹が弱いから。倒れないようにすることで効かせることができます。
【2】スタンディングカーフレイズ(10回)
場所をとらずに行える、ふくらはぎの筋肉を鍛えるトレーニング。
「ふくらはぎの筋肉はヒラメ筋と腓腹筋に分かれます。長距離走ではヒラメ筋が鍛えられますが、ふくらはぎを強くするにはどちらもセットで鍛える必要があります。スタンディングカーフレイズで腓腹筋に刺激を与えましょう」
足を肩幅に開いて立ち、かかとを上げて、下げる。かかとを上げたときに止まるイメージで行って。
<Point>
階段などを使って、上げ下げの動きを大きくするとより効果的!
【3】スタビリティ(時間:1分)
地味な動きながら効果を実感しやすい、“THE 体幹”のトレーニング。
両ひじと両足のつま先を床につき、頭からかかとまでを一直線にした状態で1分間耐える。背中が丸まったり、反らないように注意して。
【4】ニートゥエルボー(全20回)
ラクにやろうと思えばできる動き。可動域を広くすることを意識して行いましょう!
1、肩幅に足を開いて立った状態から、おへそをのぞき込むようにして、右手のひじと左ひざを近づける。ひじとひざがついたとき、動きを一瞬止める。
2、元の姿勢に戻し、今度は左手のひじと右ひざを近づける。交互に20回行って。
【5】ロールダウン(10回)
腹筋に強い刺激と負荷を与えて鍛えるトレーニング。
ひざを立てて、おへそを見る。4秒かけて背中が床につくまで下ろす。
元の姿勢に戻したら、これを10回くり返して。起き上がるときは手を使ってOK。
【6】ヒップロール(全20回)
ふだん動かさない部位に刺激を与えられるトレーニング。
床にあお向けになり、両手を広げる。ひざを軽く曲げ両脚を床から少し上げたら、右→左と左右交互に20回振る。このとき、ひざは曲げ過ぎないように注意して。
撮影/我妻慶一 文/FYTTE編集部