「運動してもなかなかやせられない…」。その理由は体のヨロイかもしれません。エクササイズや美姿勢トレーニングなど、よかれと思ってしてきたことが、体をガチガチに硬める原因になっているのです。美しくしなやかな状態にするにはポイントとなる関節をゆるめることから。ライズライフスタジオ代表の溝口葉子さんに体のヨロイについて教えてもらいましょう。
溝口さんの著書『1回30秒理想の体型が手に入るからだ美調律メソッド』からご紹介します。
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美しい姿勢はラクで快適
美しい人は背すじがスッとして、凛としています。自分も同じようになりたいと、美しい姿勢を目指してこんな努力をしていませんか?
・肩を開き、胸を張る
・肩甲骨を引き寄せる
・おしりをぎゅっと引き締めて立つ
・脚が真っすぐになるようにひざに力をいれる
・両足が閉じるように内ももを鍛える
じつは、こういう努力をすることが、理想的な体になるどころか、かえってガチガチのからだを自らつくりだす原因になっています。
「がんばって努力してきたのに?」そう思われた方もいらっしゃるでしょう。
その気持ち、わかります。なぜなら、これらの努力は、私自身、過去に皆さんと
同じように「よかれ」と思ってがんばってきたことだから。
では、何が問題なのでしょうか?
きれいな姿勢になれるように「意識して」「力をいれる」。
この時点で、すでにからだは無理をしています。
つまり「がんばらないとその姿勢になれないからだの状態」なわけです。
真に美しい人は肩の力が抜けて、自然体です。そしてかもし出す雰囲気もやわらかで心地よく、笑顔もナチュラル。それはからだの力が抜けているからです。
力が抜けているといっても、ダラっとしているわけではなくて、余計な力・無理な力が入っていない状態です。
からだが整っている人にとって、「美しい姿勢」はその人のラクで自然な姿勢であって、「つくっている」わけではないのです。
がんばって、力が入ったからだは、どこかにひずみが来ます。一見姿勢がよさそうに見えても、腰痛や肩こり、むくみなど不調に悩んでいる方も多いでしょう。
「力でがんばって見た目を真似する」のではなく、「からだ美調律」のカンタンな動きで、からだの根本からゆるめて整え、ラクに美しくなっていきましょう。
「やせにくい」の犯人もヨロイ
私のスタジオにいらっしゃる方々からこんなお悩みをよく聞きます。
「やせるために、ストレッチやエクササイズなどいろいろ試してみたけれど、何をやってもからだが変わらないんです。」
そんな方も、「からだ美調律」で関節をゆるめて整えるとスルっとからだのラインが美しくなっていくので、「こんな簡単なことで?」と、皆さん驚かれます。
でも、カンタンな動作でいいのです。
なぜなら、力技でガチガチにからだを硬めてヨロイを重ね着している状態こそが、「やせにくい原因」でもあるからです。
「力でがんばる」のではなく、カンタンな動作でからだをゆるめて、ラクに自由に動けるようにすることが大切。
関節から動けずに外側の筋力=ヨロイに頼ることで、ますますからだは硬まります。
すると血流も悪くなり、基礎代謝も低下します。
そのようなからだの状態で、背すじをピンと伸ばし、胸を張るなどの努力をしたり、「やせるため」とウォーキングやエクササイズにいそしんだりしても、かえって、硬まって動きにくいからだに無理な負荷をかけることになります。
やせてキレイになるどころか、老廃物がさらにたまってやせにくいからだを自らつくりだしてしまうのです。
「からだ美調律」では、骨盤、股関節、足首、肩関節、肩甲骨、おしりなど、からだの要となる部分を、簡単な動作でゆるめていきます。
「からだの要」をゆるめてしなやかに美しくなっていきましょう。
文/庄司真紀
参考書籍
溝口葉子著『1回30秒理想の体型が手に入るからだ美調律メソッド』日本実業出版社