暖かくなるにつれてだんだんと薄着になってくる中、冬のあいだにたるんでしまった背中まわりがだんだんと気になってくるものです。今回はパーソナルトレーナーとして活躍されている八木知美さんに、お話をお伺いしました。10年以上のモデル経験を持つ八木さんが、背中の引き締めにオススメのトレーニングを紹介してくださいます。ぜひお試しください!
Contents 目次
今回紹介するデッドリフトとは
「今回はデッドリフトという種目で、全身の背面にアプローチします。長時間スマホやパソコンをいじっていることが日常的になっている現代人。肩も首もこり固まって、腰も痛くて悩みの種。忙しくてなかなか運動もできないし…という人にオススメの種目です」(八木さん)
デッドリフトという種目は、それらの悩みに一気にアプローチできるものなのだそう。
デッドリフトで鍛えられるそれぞれの筋肉のはたらき
「主に鍛える場所は、もも裏の筋肉であるハムストリングス、お尻、背中の筋肉である広背筋と脊柱起立筋群です」(八木さん)
デッドリフトで鍛えられる筋肉を確認しましょう。
まずハムストリングスですが、これは太ももの裏側の筋肉のことです。下半身を動かすときや運動能力に大きく影響します。股関節、ひざ関節の運動、そして骨盤の運動を担います。
このハムストリングスの機能が低下することで、下半身のたるみ、運動効率の低下、股関節痛、ひざ関節痛、腰痛などを引き起こす可能性があります。
またこの部位は肉離れが発生しやすい部位でもあります。
しっかり運動して代謝を上げることにより、ケガ予防にもなります。
次に大臀筋です。
大臀筋はお尻を形成する筋肉です。単一筋としては人体の中で最大のものです。ハムストリングスと共同し、おもに下半身の動き、骨盤の動きに関わります。
またお尻の筋肉において重要なのはその形なのですが、大臀筋はもっとも表層にあり、膨らみをもった筋肉です。
大臀筋の低下は運動効率の低下、下半身の関節痛などのほか、垂れ下がったお尻を作ってしまいます。多くの人が気にしてアプローチをしている場所です。
上半身の筋肉に移ります。
広背筋は上半身の背面の、多くのところを占める重要な筋肉で、上半身に対し多くの働きを担います。
腕の動き、上半身の姿勢維持とひねり動作、肩関節の動き、骨盤の動きに関わってくるので、広背筋の機能低下は背中の脂肪がつきやすくなるだけではなく、姿勢不良や、お腹周りのたるみ、肩こりや腰痛などさまざまな体の不調へとつながりやすくなります。
そして最後に脊柱起立筋群です。
脊柱起立筋群は体の背面の背骨周りを占める大きく重要な筋肉で、上半身の姿勢維持、回旋、側屈、頭部の動きをスムーズに行うために働きます。
そのため、脊柱起立筋群の機能低下は姿勢不良や、お腹周りのたるみ、肩こりや頭痛、腰痛などさまざまな体の不調を引き起こすのです。
今回のおすすめ100均グッズはコレ!
今回は、トレーニング用のセラバンドを使用します。
トレーニングショップに行くと、さまざまな種類のセラバンドが売っていますが、トレーニング初心者さんにとってトレーニングショップというのはちょっぴり入りにくいもの。でも今回のアイテムは、100円ショップなどで手軽に購入できるので、とてもおすすめです。
お店によって取り扱っている商品はさまざまですが、最近ではどこのショップに行ってもトレーニング用のコーナーがあるので、ぜひお近くの100円ショップへ行ってみてくださいね。
セラバンドでデッドリフトを行ってみましょう
それでは八木さんに、セラバンドを使用したデッドリフトのトレーニングを紹介していただきます。
<1>
セラバンドを2本用意します。足幅を肩幅程度に開き、両ひざを軽く曲げます。
両足それぞれにセラバンドを引っかけて両手で持ち、お腹に力を入れて上半身をまっすぐに保った状態で前傾させます。このとき、頭部は背骨の延長線上に置きます。
両ひざをやや曲げ、ひじを伸ばした状態がスタート姿勢です。
<2>
ひじを伸ばした状態で、セラバンドを引っ張りながら上体を起こします。
元のスタート姿勢に戻し、20〜30回くり返していきましょう。
<これはNG!>
このとき、腕だけの力でセラバンドを引っ張らないようにしましょう。
上半身をまっすぐに保った状態で、前傾姿勢、直立姿勢をくり返します。猫背にならないように気をつけて。
背面で肩甲骨を寄せて、肩を下げた状態をキープしてトレーニングを行います。
今回は100円ショップで気軽に手に入れることのできるアイテムを使用したデッドリフトを紹介していただきました。
「ダンベルやバーベルを使用しなくても、動きをきちんとマスターすることで、十分効果を期待することができます」(八木さん)
令和最初の夏はすぐそこです。しっかり鍛えて最高の夏を迎えましょうね!
撮影/山上忠 ヘア&メイク/斎藤節子 取材・文/新山夏葵 イラスト/丸口洋平