強いストレスがかかると、体がかたくなってしまうもの。体がちぢこまってしまうと、自然と姿勢が悪くなり、ボディラインも崩れてきます。適度なストレスは、気持ちの張り合いになりますが、過度なストレスは冷えや不調を招くなどの悪影響が。モデルや美容家から支持されている、パーソナルトレーナーのKAORU先生にストレスを感じたときにおすすめのストレッチ方法を教えていただきました。
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脊柱起立筋をゆるめる、テニスボールリリース
緊張をゆるめるリリースからスタート。みぞおちの裏(具体的には、ブラジャーのバックのホックの位置)あたり、背骨をはさんだところに、テニスボールを置き、深呼吸します。
背骨をはさんで右側にボールを置いたときは、右ひざを曲げて立てましょう。
ストレスがたまると、自律神経が集まる背骨周りにある脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)の周辺がこりかたまってしまい、呼吸が浅くなるのですが、ここをほぐすことで呼吸が深くなり、体の調子も上向きになります。
また、ちょうどここは左右の肩甲骨の間なので、巻き肩になっている姿勢を矯正する効果も。
正しい姿勢に導かれることで、体の可動域が広がり、それによりボディラインも美しく整ってきます。
深い呼吸を取り戻す、うつぶせストレッチ
背中周りのこりをほぐしたら、今度はストレッチです。床に丸くうつぶせになるだけ、と簡単です。
床に正座になり、両腕を抱え、背骨を丸めます。この姿勢のまま深呼吸を5回くり返します。息を吐くときは、5秒かけてゆっくりと。背中の力を抜きますが、背中にしっかり空気を入れ込むつもりで、ぺたんとつぶさないのがコツ。
背中周りを柔軟にする、猫の動きの「キャット&カール」
さらに背骨回りをストレッチしましょう。ゆっくり深呼吸すると、自然とリラックスできますよ。
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手は肩幅、脚は座骨幅に開いて、両手と両ひざを床につく。
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深呼吸しながら、おへそを引き上げ、下の背骨から順々に背中を丸めます。目線はおへそに向けましょう
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今度は深呼吸しながら、背骨を反らせます。背骨は下に引き込むのではなく、前(頭のほう)に伸ばすようにします。背骨が1本1本動く感覚を大事にしましょう。
体がやわらかくなれば、ストレスも和らぎます
私たちの体は、交感神経と副交感神経の、2つからなる自律神経という神経ネットワークにコントロールされています。体温や脈拍を一定に保てているのも、この自律神経のおかげなのです。
ところが、ストレスを抱えると、筋肉を収縮させる交感神経が優位になります。
「自律神経は背骨を中心に張り巡らされているので、背中周りの筋肉の緊張が続くと、背骨の動きが悪くなります。逆にいえば、自律神経のカギを握るのは背中にあるので、背骨を動かして背中周りをストレッチすることで、自律神経のバランスが整い、ストレスに強い体を作ることにもつながります」(KAORU先生)
また、交感神経が優位だと、筋肉の収縮から、こりや冷えを招きます。
「すぐさま筋肉をゆるめる副交感神経にスイッチさせたいのですが、自律神経のコントルールは意識的にできません。唯一、副交感神経に働きかけることができるのが、深呼吸です。ストレスが高まり、背中の筋肉をかためてしまっている人は、横隔膜がかたい傾向があります。横隔膜がかたいと呼吸も浅くなるので、この点からも背中をほぐすのが有効です」(KAORU先生)
「忙しい女性はストレスをためがち。冷えれば、不眠にもなり、それにより、さまざまな体調不良を招きます。体がやわらかくなると、心もやわらかくなるのは、私が常日頃指導で感じていること。
ココロの疲れを感じたら、リリース&ストレッチで、体をゆるめる&伸ばしてあげてくださいね」(KAORU先生)
撮影/徳永 徹 ヘア&メイク/辻元俊介(ラ・ドンナ) 取材・文/平川 恵
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