ダイエットをしたいけど、筋トレや食事制限のあるダイエットはハードルが高くてザセツしがち、という人は多いはず。「タテ伸びモーション」は、ラクにキレイにやせたいという人におすすめのボディメイク・メソッドです。日常の動作にとり入れながら手軽にできるというその方法を、考案者であり、パーソナルトレーナーの日高靖夫先生に教えてもらいました。
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腹筋を鍛えるとウエストは太くなる!?
「ウエストラインの引き締めに、腹筋を鍛える人もいるかもしれませんが、じつは逆効果。なぜかというと一般的な腹筋運動は、お腹を圧縮して鍛えるため、ウエストが横に太くなりやすいのです。
風船をイメージしてみてください。風船を上から押して圧縮すると、真ん中が押し出されて横につぶれて膨らみますよね。腹筋運動もこれと同じことが行われています。そのため、腹筋を鍛えすぎるとウエストが太くなり、いつの間にか、寸胴体型になっていた…という危険があるのです」(日高先生)
「タテ伸びモーション」は、腹筋運動とは反対に、体を縦に伸ばしながら鍛えるトレーニング。お腹を伸ばしてウエストを細くした姿勢をキープしながら行うことで、しなやかにくびれたウエストラインを作ることができます。
「少し専門的になりますが、筋肉の種類で説明すると、腹筋運動を行うとお腹の表層にあるアウターマッスルの腹直筋が鍛えられます。腹直筋は肥大化しやすい性質があり、過度に鍛えると筋肉のボリュームが増して、お腹まわりが太くなります。一方、『タテ伸びモーション』がアプローチする筋肉は、お腹の深層にあるインナーマッスルの腹横筋。腹横筋は負荷を与えて鍛えても、筋肉がムキムキに肥大化することはありません。そのため、内側からお腹が引き締まり、すっきりとしたウエストラインを実現できるのです」
「タテ伸びモーション」の5大メリット
インナーマッスルにアプローチする「タテ伸びモーション」を行うと、女性らしい美しいボディラインが叶えられるだけでなく、さらに“5つのメリット”が得られるそう。
<1>体の中心となる体幹が同時に鍛えられるので、骨格がゆがみにくくなる
<2>姿勢がよくなることで代謝がアップし、やせやすい体になる
<3>筋膜を伸ばしながら行う動きによって、腰痛や肩こりが緩和される
<4>日常の立ち居振る舞いが美しくなり、体と心に余裕が生まれる。
<5>自分に自信がつき、気持ちも前向きになり、毎日がハッピーになる!
「『タテ伸びモーション』は、ハードな筋トレやストイックな食事制限を行うダイエット法とは異なります。体を伸ばし、筋肉がしなやかに伸びた状態を体に記憶させて美ボディを作る超ラク&超カンタンなトレーニングですが、多方面への効果を期待できます。続けるうちに、自分でも、体や心の変化を感じることができ、毎日をポジティブに過ごせるようになりますよ」(日高先生)
「立つ・座る・拾う」モーションを実践しよう!
日常生活では、立つ、歩く、座る、拾う、という動作が日常動作の9割を占めると言われています。歩くは、立つ動作の応用と考えられるので“立つ・座る・拾う”の3つの動作の美しさを極めるエクササイズが『タテ伸びモーション』の基本の動き。さっそく試してみましょう!
●立ち姿が美しくなる「バレリーナモーション」
バレリーナのようにしなやかでスラリとした体を作ります。この動作がスムーズにできるようになると、ふだんの立ち姿勢や歩く姿勢がグッと美しく変わりますよ!
1、両脚を閉じて立ち、骨盤を前傾させます。息を吐きながらバイザイのポーズで両手を天井方向に上げて。おへそを縦に伸ばすイメージで上半身を伸ばし、腕を耳につけます。頭上で左右の手をクロスし、手のひらを合わせましょう。
2、床からかかとを上げ、つま先立ちになり、自然な呼吸をくり返しながら50秒キープ。難しい人は、5秒キープを10回行って。
●座る姿が美しくなる「イチローモーション」
元メジャーリーガーのイチロー選手が試合中に行っていたポーズをイメージしながら背中を伸ばし、細く長い内ももの筋肉を刺激。キレイな姿勢で座ることのできる筋力を養います。
1、 両脚を肩幅の2倍に開いて、つま先を外側に向け、背すじを伸ばします。ひざの内側に両手を置き、ひざの角度が90度になるようにお尻を下げます。両脚と床の間に長方形をつくるイメージで行って。
2、息を吐きながら、左手で左ひざを外側へ押し出すようにします。右肩は自然と内側に。その姿勢で5秒キープ。
3、息を吐きながら、反対側も同様に5秒キープ。これを、左右5往復くり返します。
●拾う姿が美しくなる「お辞儀モーション」
拾う動作のポイントは、背すじをまっすぐ伸ばすこと。そうすることで、ひざ裏〜もも裏の筋肉が伸び、ヒップラインがキュッと引き上がります。
1、長さのある突っ張り棒や傘などを用意し、背中にあてます。頭、背中、お尻の3点がつくように、背すじをまっすぐに伸ばしましょう。
2、ひざを軽く曲げ、お尻をうしろに突き出すように股関節からお辞儀をします。ひざ裏〜もも裏を伸ばしながら5秒キープ×10回行って。
立つ・座る・拾うの3つモーションは、日常生活のすき間時間に行なうと効率的。3週間ほど続けると、筋肉の状態が変わり、理想的なボディラインが現れはじめます!
衣装提供:GapFit モデル/ヤハラリカ 撮影/山上忠 ヘア&メイク/斉藤節子 取材・文/野口美奈子