隠れ家的パーソナルトレーニングジム「STUDIO Apro.(スタジオアプロ)」主宰のKAORUさん。フィットネスクリエイティヴディレクターとして独自のメソッドを構築してスタジオを率いる一方で、名だたる女優やモデル、美容家たちから指名が入る、人気のパーソナルトレーナーとして活躍しています。30年以上、フィットネス業界で活躍しているKAORUさんがレクチャーするのは、長年のクセでかたくなってしまった筋肉を「リリース」でほぐしたのち、ヨガやピラティスをベースにした独自の「ストレッチ」で、体本来の機能を取り戻す「リセットストレッチ」。機能的に動ける体に導くことで、理想のボディラインに近づけます。今回は、つら~い肩こりをラクにする、「リセットストレッチ」を教えていただきました!
Contents 目次
もはや現代病!? ガチガチに固まっている肩をラクにするには?
多くの人が悩まされている肩こり。もはや現代病と言っても過言ではありません。
肩こりの原因は、生活習慣、冷え、ストレスなど、複合的に絡み合っていますが、特に気をつけたいのが猫背、前肩などの姿勢の悪さです。
「肩こりを自覚している人は、肩や肩甲骨の位置を鏡で観察してみてください。肩が前に出て上がっていませんか? 肩甲骨は開いて骨が埋もれていませんか? それは肩甲骨を支える筋肉がかたくなっている証拠です。こりをほぐそうと、肩だけをもんでも効果的ではありません。まずは、肩甲骨の動きと連動する、ろっ骨周りの筋肉をほぐすことから始めましょう。上体が伸びやすくなり、悪い姿勢が改善されますよ」(KAORUさん)
テニスボールの「リリース」でろっ骨の下のこりを解消!
肩甲骨を固めてしまっているのは、肩甲骨周りの筋肉だけではありません。肩甲骨と連動するろっ骨のこりにも注目しましょう。
床にあぐらをかいて座ります。左手を上げ、手のひらを頭の後ろに置き、背すじを自然に伸ばします。右手にテニスボールを持ち、左のろっ骨周辺に転がし、筋肉のこりを和らげます。約30秒~1分。反対側も同様に。
肩こりがひどい人は、ここにボールを当てただけでも痛いもの。ただし、ろっ骨は折れやすいので、あまり強く押さないようにしましょう(床にボールを置き、寝転がって刺激を与えることはしないでください)。
ストレッチで、肩甲骨周りの筋肉を柔軟にする
肩や首のまわりには、重い頭を支える僧帽筋(そうぼうきん)や肩甲挙筋(けんこううきょきん)、菱形筋(りょうけいきん)といった筋肉がありますが、これらはすべて肩甲骨の動きに関わるものです。肩こりの人は、この部分の柔軟性を失っています。
リリースのあとは、KAORUさん考案の「側屈ヘリコプターストレッチ」でまるごと伸ばしていきましょう。
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骨盤を立てるようにして床に座り、脚を左右に開き(できるところまで。ムリに開かないでOK)、左ひざを曲げます。伸ばした脚のつま先は上に向け、ひざ裏を床につけましょう。
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右手で左の足をつかみ、左腕を背中に回します。
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右手を右脚にすべらせながら上体をねじり、胸を上に向けます。目線は斜め上にし、胸と背中が伸びているのを感じましょう。
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つぎの上体を右に倒し、左の体側を伸ばします。目線は下に向けましょう。
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ヘリコプターのイメージで、腕をグルグル大きく回します。前回しと後ろ回しを各10回ほど行います。肩甲骨周りの筋肉がほぐれる気持ちよさを感じましょう。
肩こりの人は、肩甲骨周りがかたいため腕がまっすぐ上がらないことも多いのですが、この「リセットストレッチ」でこりをほぐせば、腕の可動域がアップ! 姿勢が改善されるばかりか、首や肩周りのこりがとれてスッキリとした印象になれますよ。肩こりを解消しながら、上半身のボディラインも整えていきましょう。
撮影/徳永 徹 ヘア&メイク/辻元俊介(ラ・ドンナ) 取材・文/平川 恵