姿勢改善にいいピラティス。最初のうちは難しいかもしれませんが、上達の秘訣についてピラティス専門家の中村尚人さんは「体のどこを安定させてどこを動かすか、まずはこの2点を意識して動きましょう」と話します。
今回は、中村さんの書籍『いちばんよくわかる ピラティス・レッスン』(学研プラス)からピラティスを行うポイントと胸椎と肩まわりのエクササイズをお伝えしてきます。
Contents 目次
「安定」と「動き」を意識する
ピラティスはひとつの動作にも足先から頭の先まで、こまやかに意識を配ります。この点で初心者は難しいと感じてしまうかもしれません。
「動きに慣れるまでは、安定させる・止めるところ (スタビリティ)と動かすところ(モビリティ)、この2つのポイントに意識を向けて、動きをコントロールしてみましょう」と中村さん。
この2点をコントロールするだけでも、エクササイズの効果はまったく変わってくるとのことです。
背骨の一個一個まで意識を向けて、正しい姿勢に戻すようにします。背すじを伸ばした姿勢を維持できるよう1日10分続けていきましょう。
【目的別 ピラティス】 首・肩こりを解消
首・肩こりは胸椎の硬さが原因。胸やろっ骨も大きく広げたり伸ばしたりして、胸椎をほぐしていきましょう。
【サイド・シットアップ 左右各 10回×3セット】
安定させる部位:肩甲帯と骨盤
動かす部位:胸椎と股関節
1 ひざ立ちになり、両手は頭の後ろで組む。 ひじは視野の範囲内で左右に開く。
●首を長く保ち、肩を下げる ●肩甲骨を開き、背中を広く
2 右脚を真横に伸ばし、足裏を床につける。
●左ひざに違和感や痛みがある人は、クッションを敷く
3 ひじを天井に向けるイメージで上体を左横に倒す。ひと呼吸おいて、2に戻る。 2~3をくり返し、反対側も同様に。
●左のわき腹をつぶすのではなく、右側面を伸ばす意識で行う
体が前傾するのはNGです。動作の最中、常に体は真っすぐに伸ばし、顔や胸を正面に向けて行います。
【目的別 ピラティス】腕が上がりにくいを解消
腕の土台の肩甲骨と胸椎を柔軟にします。四十肩・五十肩予防のために、違和感を覚えたら、早めのケアを。
【マーメイド(Zシッティング) 左右各 10回×3セット】
安定させる部位:骨盤帯
動かす部位:肩甲骨と胸椎
1 お尻を床につけて座る。 右脚は体の前で足先を左へ向け、左脚は足先を後方へ流す。
●首を長く保ち、肩を下げる ●左右の座骨を床につける
2 上体を左に倒しつつ、右手で大きく弧を描きながら頭の先へと伸ばす。
ひと呼吸置き、1に戻る。
●左腕で体の重みを押し返す ●首を長く保つ
●上体を引き上げ、右わきを伸ばす
3 今度は上体を右に倒しつつ、左手で大きく弧を描きながら頭の先へと伸ばす。ひと呼吸置き、1に戻る。2~3をくり返し、脚を組み替えて同様に行う。
●右腕で体の重みを押し返す ●首を長く保つ
●上体を引き上げ、左わきを伸ばす
動作の最中、左右の座骨を浮かさず、床につけたまま行いましょう。脚を曲げて座るのが難しい人は、あぐらで座ってもOK。
背すじが縮まりやすい現代人の伸びる力を開花させるピラティス。縮こまっていた背骨を動かし、ジワジワと可動域を広げていきましょう。
もともとピラティスはドイツ人のジョセフ・ピラティス氏が100年前に編み出した健康法です。
ニューヨークで花開き、バレエダンサーのコンディショニングやトレーニングとして人気を博し、世界中に拡がりました。
1日10分、2か月継続することで体が根本から変わっていくのを体験できるでしょう。
文/庄司真紀
参考書籍
中村尚人(著)『いちばんよくわかる ピラティス・レッスン』(学研プラス)