2019年は世界的に記録的な暑さとなり、2020年の夏も暑くなるのか気がかりです。炎天下では熱中症をはじめ健康の悪影響も懸念されます。地球温暖化のせいだともいわれますが、暑さ対策はますます大切になってきそう。米国の研究グループによると「ヒートストレス」が今後、大きな問題になるといいます。
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暑さは体にどんな悪さをする?
気象庁のデータによると、日本の平均気温は増加傾向が続きます。1898年以降100年当たり1.2度の割合で上昇していましたが、1990年代からは気温上昇が一層目立つようになっているようで、熱帯夜や猛暑日が増加傾向に。今年の冬、積雪が少なかったのも記憶に新しいところです。
こうした気温の上昇は世界的に共通したトレンドで、影響しているのは地球温暖化と考えられています。そして、気温が上昇してくると問題になるというのが「ヒートストレス」だといいます。これは文字通り熱によって体にかかる負担を指し、影響は今後80年で4倍になり、2100年までに12億人に影響すると米国のラトガー研究グループがこのたび警告しました。研究グループは、気温や湿気の情報をあらためて分析して、将来の変化を調べています。
湿度との組み合わせが問題に
今回の報告で注目されたのが、気温ばかりではなく、湿度との組み合わせによる健康への悪影響です。研究グループは、気温の高さばかりではなく、湿度などのほかの要素にも目を向けるべきだと指摘。たとえば、米国ニューヨークシティーで特に高温多湿の日は19世紀と比べて、11倍にも増加していると紹介。地球温暖化のせいであり、湿度ばかりではなく、風速や太陽光の角度、赤外線などもの影響によって健康を害する可能性は増すといいます。
研究グループは、温暖化が進み温度が1.5℃上昇すると、現在の1年間におけるいちばんの猛暑の日が4日に増え、さらに3℃上昇すると24日に増えると注意を促します。今後、社会全体で温暖化を抑える必要性はもっと増すとみられますが、暑い夏に備えた生活の工夫はこれまで以上に求められてきそうです。
<参考文献>
日本の気候の変化(気象庁)
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p08.html
Heat Stress May Affect More Than 1.2 Billion People Annually by 2100
https://www.rutgers.edu/news/heat-stress-may-affect-more-12-billion-people-annually-2100
Escalating global exposure to compound heat-humidity extremes with warming
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1748-9326/ab7d04