1日の中で食べるものや飲むものが、大きく睡眠にも関わってきます。
食事と睡眠が関わっているの?と不思議に思う人もいるかもしれませんが、ちょっとした食事の工夫で睡眠の質も変わってくるのです!
睡眠の名医・白濱龍太郎先生の著書『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(アスコム刊)よりそのメソッドをご紹介します。
Contents 目次
朝食が睡眠を大きく左右する
睡眠の質は、日々の食事によっても左右されます。なかでも朝食は、非常に重要です。
「朝、日光を浴びることで体内時計が調節される」というのは知られていますが、同様に「毎日規則正しく朝食をとることで、体内時計が調整される」ことが、最近の研究で明らかになっています。
みなさんの中には、「朝早く起きて朝食をとるよりも、できるだけ長い時間寝ていたい」「朝は食欲がわかないので、食べない」という人もいるでしょう。
しかし、「ぐっすり眠れていない」と感じているのなら、朝食は必ずとってください。
そして朝、目が覚めたら日光を浴びると同様に、1時間以内に朝食をとるようにしましょう。
朝食で味噌汁を食べて心地よい眠りへと導く
質のよい睡眠を得るためには、「朝食で何を食べるか」も重要です。
特に、朝食でとってほしいのが「トリプトファン」という栄養素。このトリプトファンは必須アミノ酸のひとつで、人は必要な量のトリプトファンを体内で合成することができないため、食品からとらなければなりません。
トリプトファンは体内に入ると、精神を安定させる働きのある「セロトニン」というホルモンに変わります。
日中、人の体内ではセロトニンが分泌されますが、セロトニンは夜になると酵素の働きを受け、自然な睡眠を促すホルモンである「メラトニン」に。
つまり、トリプトファンを多くとることで、セロトニンやメラトニンが多く分泌され、眠りにつきやすくなるのです。
なお、トリプトファンは大豆製品や赤身の魚、牛肉や豚肉、卵、乳製品、ナッツ類に多く含まれています。
ただどうしても時間がなかったり、食欲がわかなかったりして、しっかりと朝食をとれない日もあるでしょう。
そんなときでも、できれば味噌汁1杯は飲むようにしてください。大豆製品である味噌には、トリプトファンが多く含まれているからです。
時間がないときにはインスタントでもOK。もし自分で作る余裕があるときには、卵や豆腐などをプラスするといいでしょう。
いい昼寝にはコーヒーが欠かせない!?
コーヒーというと、眠気をなくすというイメージがありますよね。実は、いい昼寝をするために欠かせないものなのです。
昼寝の前には、ホットでもアイスでも構わないので、必ず一杯のコーヒーを飲みましょう。
こういわれると、「眠る前にコーヒーを?」と不思議に思うと思います。
しかし、これが「賢い昼寝」をするための大きなポイント。
コーヒーの香りには、副交感神経を優位にする効果があるといわれています。そのため、若干ではあるかもしれませんが、催眠作用が期待できます。
一方、コーヒーに含まれるカフェインには、みなさん知っているように交感神経を刺激して眠気をなくし、気分をすっきりさせるという効果が。
胃でカフェインが吸収され、体をめぐって脳で作用するまでに約20~30分かかると考えられています。
この時間差をうまく使い、飲んだ後から昼寝を始め、カフェインが効き始める時間におきるようにするといいのです。
コーヒーの香りによる催眠作用とカフェインが脳に働きかけるまでのタイムラグをうまく使うことによって、昼寝をしてもすっきりと目覚め、仕事を再開することができるはず。
なお、昼寝をするには午後1時がおすすめですが、どんなに遅くても昼寝をするのは午後3時までとし、20分以上は眠らないようにしましょう。
3時以降に昼寝をしたり、20分以上眠ってしまったりすると、夜の睡眠の妨げになってしまうので注意してください。
参考書籍
『誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法』(白濱龍太郎著)
文/FYTTE編集部