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理学療法士に教わる! 外出できず運動不足になると体はどうなる?【体、免疫力の話】
新型コロナウイルスの影響で外出を控える日々が続きます。それに伴い、在宅でのデスクワークの時間も増えたり、運動不足の人も多いのではないでしょうか? 今回はアスレティックトレーナーで理学療法士の伊藤彰浩さんに「体を動かすことの大切さ」を教えてもらいました。
Contents 目次
動かない1日が「免疫力」を低下させる
ずっと自宅にこもりっきりで運動不足…。デスクワークなどの仕事が続くと体はどんどんなまっていってしまいます。体のなまりの典型的なサインとして、体の可動域が狭くなって筋肉や関節が硬くなる「硬化(こうか)」が起きてしまいます。
長時間座っていると「うーん」と背伸びをしたくなるのも体の「硬化」が起きているサインです。同じ姿勢でデスクワークをしていると、だんだんと背中や腰が丸くなり「猫背姿勢」になってしまいます。そうすると、体の前側にある胸やお腹の筋肉、脚のつけ根の筋肉は縮んだ状態になってしまいます。
また、動きに偏りが生じてしまうと、一部の筋肉しか使われなくなり、それが部分疲労となって血流が悪くなってしまいます。家でじっとしているよりも、体を軽く動かしたり、縮んだ筋肉やこり固まった関節を動かすエクササイズをしたほうが、血流もよくなり、体のこわばりやゆがみもリセットできます。
外出の機会が減ってくると、筋肉や骨も弱くなり、体力も衰えて免疫力が低下してくるので、お家での適度なエクササイズや外でのウォーキング、ジョギングなどを行い免疫力を高めていきましょう。
自分の体のコンディションをチェックしよう!
デスクワークを長時間続けて、腰の張りや肩こりが出て「なんとなく体が重い、なまっている」といった感覚がある場合、体の張り感や疲労のレベルを「数値化」することをおすすめします。
数値化は1から10までの10段階で行います。
例えば、肩こりや腰痛を経験したことのある人は、今まで体験した中でいちばんつらかった状態をレベル10として、すごくよい状態の場合はレベル1だとしたら、今の肩こりや腰痛はどのくらいのレベルなのかをセルフモニタリングします。
そうすることで、自分の疲労感や疲労回復度などを把握する習慣ができてきます。ふだんから自分の体の状態をモニタリングしていくことで、どのエクササイズが自分には効果的なのかを知ることができ、オーダーメイドのコンディショニング方法が見つかってきますよ。
睡眠の質を高めて免疫力アップ!
免疫力を高めるためには睡眠の質をよくすることも大切です。健康を維持するためには体の働きを正常に保つ自律神経の働きが大切になります。自律神経とは、交感神経と副交感神経からなり、「日中の活動時は交感神経、休息時は副交感神経」という自律神経の役割交代がスムーズに切り替わることで健康を維持できています。
自律神経のバランスが乱れてくると、肩こりや腰痛、冷え症、疲労感などの体の不調を引き起こしてしまいます。免疫力は寝ているとき、つまり副交感神経が積極的に働いているときに高まるので「睡眠の質」を高めることが健康維持を大きく左右するのです。
今回ご紹介する「睡眠の質」を高める3つのことを実践してみてください。
1) お風呂で体温を上げるのがぐっすり寝る秘訣
体温を上げて、体温が下がってくるときの体温の落差で眠りに入りやすくなると言われています。理想的には、寝る90分前までに入浴し、40度くらいのお風呂に約10〜15分つかりましょう。寝る直前の入浴は体温が上がり過ぎているため、逆に寝つきが悪くなるので避けてください。
2) 就寝前に腹式呼吸
腹式呼吸を行うことで副交感神経の働きが高まるので、就寝前にゆっくりと5回腹式呼吸を行い、自律神経のバランスを整えて寝ましょう。
3) 朝起きたらカーテンを開けて「朝日」を浴びる
朝起きて朝日を浴びることでセロトニンという物質が作られるようになり、目覚めがよくなります。セロトニンは「幸せホルモン」ともいわれたりしますが、感情や気分のコントロールに関係しています。起床時、朝日を浴びて体を活動モードにして1日をスタートしましょう。
こんなときだからこそ免疫力を高めてウイルスに負けない体をつくっていきましょう! 次回は運動不足解消のための自宅でできるエクササイズをご紹介いたします。