CATEGORY : ヘルスケア |メンタル
「キレイになって輝く友人にもやもや…」私に幸せは訪れる?! 相談者の95%の気持ちが回復した心理カウンセラーがアドバイス!~中島 輝のお悩み相談室~
ダイエットに成功し、キレイになってキラキラし始めた友人。それに比べて私は相変わらずで、なんだか寂しく冴えない毎日。ついつい友人と比べてもやもやする自分もイヤ……こんな経験、ありませんか? 他人と比較して落ち込むのではなく、私が私らしく満足した生き方をするにはどうしたらいいのでしょう。心理カウンセラーであり、自己肯定感の第一人者である、中島さんのアドバイスを聞いてみましょう!
Contents 目次
【相談】ダイエットに成功した親友と、どうしても比べてしまいます
私は肥満というわけではないのですが、美容体重から見ればちょっとぽっちゃり体型です。最近、同じようにぽっちゃりしていた親友が、ダイエットに成功して、やせてキレイになりました。
当然、彼女は以前よりキラキラしていて、モテるようになり、仕事もうまくいくように。最近は会って話していても、なんだかおいてけぼりを食った感じで、寂しいような、ねたましいような気持ちになってしまいます。私もダイエットすればいいのかもしれませんが、「人を見た目で判断してないでほしい」とか「どうせ私なんて」という気持ちも湧いてくるという複雑さ……。こんな私に幸せは訪れるのでしょうか。
【回答】比べるなら、他人ではなく昨日の自分と比べて
だいじょうぶ、幸せは訪れますよ!
たぶん今は、自分には価値があると思える感覚、自尊感情が低くなっているんじゃないかな、と思います。「自尊感情」は木にたとえるなら根のようなもの。これが低くなると、自分に価値があると思えなくなり、マイナス面にフォーカスしてしまいますし、他人と比べがちにもなります。キラキラしている親友と比べて、今の自分、今の見た目では価値がないんじゃないか、もっとやせて理想的な体型になった自分じゃないと価値がないんじゃないか、というふうに感じていませんか?
比べるなら昨日の自分と比べましょう。昨日の自分と今の自分を比べて、昨日よりもガンバった自分を評価してあげてください。そしてまた、今の自分と、最高の、なりたい自分を比べてみます。自分にとって大切にしたい価値観をもう一度、見つめ直して、「こんなふうになっていたら、私、すごいなー」と思える自分を思い描きます。それが、他人との比較ではない理想の自分です。そんな自分に向かっていけるような目標を立てるところからとりかかりましょう。
あなたにやってほしいワークが2つ、あります。
■今回おすすめするワーク:スリー・グッド・シングス/Wishリスト
「スリー・グッド・シングス」で潜在的な思考を変える!
「スリー・グッド・シングス」は、1日に3つ、いいことを書くというワークです。1日の終わりにその日を思い返し、「今日よかったこと」を3つ、書きだします。パソコンでもスマホのメモ機能でも、SNSへの書き込みでもいいのですが、できればノートへの手書きがオススメです。1日ずれて、昨日のことでもかまいません。
(例)
5/1(月)
・朝の陽ざしがまぶしくて、カーテンを開けて万歳をした
・注文していた本が、読みたいなと思っていたときに届いた!
・カレーに初めて使うスパイスを使ったらおいしくできた
「晴れててよかったなー」「ランチがおいしかったなー」とか、小さなことでいいのです。気づいたグッド・シングスをどんどん書き、ポジティブな言葉で表現していきます。新しい習慣は、21日間続けると定着するという研究データがありますから、3つのいいこと探しを3週間、続けましょう。慣れてきたら、新しい経験や自分なりの発見など、未来に向けて起こした前向きな行動を書くようにします。
これを続ければ、あなたの脳は毎日への期待感を高め、潜在的な思考も「今日はどんないいことに気づくかな」というふうに変わっていくでしょう。
「Wishリスト」で知る本当の願い
あなたは親友を見て、以前よりキラキラしている、と思ったわけですね。では、あなた自身にとってのキラキラやワクワクとは、何でしょうか。「Wishリスト」は、自分のもつ願い(Wish)を、何の制限もかけずに箇条書きで書き出していくワークです。
あなたのしたいこと、興味のあること、実現したいこと、望み、夢や希望は何ですか? 大きなことでなくても、「マスクメロンをひとりで丸ごと食べてみたい」とか、そんなことでもいいのです。できれば20分を制限時間とし、思いつくままに、どんどん書き出します。10や20ではなく、100個を目標にしましょう。
そうしてムリやりにでも書き出すことで、昔の夢、子どものころの願いを思い出したり、自分では気づいていなかった潜在意識からの願いが現れたりします。リストを書き終えたら、全体を見直してみます。同じような項目があれば、あなたが特にかなえたいことです。ワクワクする順に順位をつけたり、特にワクワクするものに星印をつけてみたりするのもよいでしょう。
(例)
1.あと3kg体重を減らす
2.高校の友だちと1泊旅行に出かける
3.ちょっと値段の高いパジャマを買う
4.近所のまだ入ったことのないカフェでコーヒーを飲む
5.大学でお世話になった先生にあいさつに行く
6.おいしいコーヒーの淹れかた教室に参加する
7.レシピを見ないでもマフィンが焼けるようになる
8.キーボードを買ってピアノを習い始める
…
…
本当の願いは、やせてキラキラした私?
いかがですか? あなたにとって「本当になりたい私」は、友人と同じようにダイエットに成功した私、でしょうか。「なりたい私って、やせてキラキラした私じゃないかも」と気づくかもしれません。仕事をガンバることかもしれないし、世界中を旅することかもしれません。もう1度、自分の願いや興味、関心を見つめ直しましょう。
Wishリストで自分の本当の興味や関心を自覚すれば、それを実現したくなります。ワクワクして、行動に移したくなるのです。ワクワクするような楽しいことがイメージできると、脳からドーパミンという脳内物質が分泌されます。ドーパミンは「快楽のホルモン」とも言われていて、分泌されるとやる気や意欲が出てくるのです。
他者の承認を求めなくても自分の価値を再認識できる
「スリー・グッド・シングス」は日常のいいこと探し、「Wishリスト」は未来に向けたいいこと探しでもあります。ワークを通してマイナスのところにフォーカスしていた自分の視点を変えることで、自己認知が進み、自分自身の存在価値や喜びを再認識できます。他者の承認を求めなくても、自己承認できる価値が自分にあることに気づくことができ、自尊感情が高まるのです。そうすれば、友人と比べることなく、自分の未来に向かって歩み始めることができるでしょう。
取材・文/寺田 千恵
参考書籍
『書くだけで人生が変わる自己肯定感ノート』(SBクリエイティブ)