整形、プチ整形、整形級エクサ。少しでもキレイになりたいという私たちの悩みは尽きません。モデルのような美人にはなれなくてもいいけれど、せめて二重まぶたになれたら……、いっそ整形してしまおうか。でも整形には、生まれ持った外見を変えてしまうことへの悩ましさもつきまといます。揺れ動く気持ちとコンプレックスに対するアドバイスを、相談者の95%の気持ちが回復したと評判の心理カウンセラーであり、自己肯定感の第一人者である中島さんに聞いてみましょう!
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【相談】整形して人生を謳歌したいけど、どうしようか迷っています
子どもの頃から、自分の一重まぶたがコンプレックスです。ちゃんと起きているのに、周りの人に「眠いの? 大丈夫?」と心配されたり、友だちから無表情だとからかわれたりするのが猛烈にイヤです。
そこで整形して二重まぶたにしたいのですが、友だちに相談すると、「整形なんて! そのままでもいいじゃない?」と言われます。それに、目もとは母親似なので、なんとなく家族には話せません。
でも私は目を二重にすれば、もっと積極的な自分になれる気がしています。若いうちに二重まぶたになって、人生を謳歌したいんです。整形ってそんなに悪いことですか?
【回答】整形したい、でも決められないのはなぜ?
整形ってそんなに悪いことですか、という質問ですが、整形するかしないか、というのは本来、自分が決めることで、決めたならば、その決めたほうがいいことだといえます。いいと思って自分で決める、というのが大事なんです。でも、今はそれを決められない状態にいるのですね。
もうひとつ、整形をしたいという気持ちは、自分自身を自分で認められず、信じられなくなったために生まれたコンプレックスに、がんじがらめになっていることが原因かもしれません。
今のあなたは、自分で決定できるという「自己決定感」、自分を信じられる「自己信頼感」が低下している状態ではないかと思います。「自己決定感」は木にたとえると「花」にあたる部分。自分で決めてこそ、花は開きます。「自己信頼感」は木の「葉」のようなもの。信頼という養分があってこそ、葉は青々と生い茂ることができます。
あなたは、一重まぶたがコンプレックスで二重まぶたにしたいということですから、二重まぶたにするとどんな人生になるのかを考えるためのワーク、整形したいという悩みについて客観的に考えるためのワークをやってみましょう。
■今回おすすめするワーク:イメトレ文章完成法/レファレント・パーソン
「イメトレ文章完成法」で、二重まぶたで謳歌できる人生を具体化する
まず、とり組んでほしいのは、「イメトレ文章完成法」というワークです。これは、「イメトレ文章完成ノート」の11の定型文の空欄を埋めることで、ビジョンを明確にするというワークです。二重まぶたにすることで、どんな人生を謳歌できるのか、実際に書き出してみましょう。今の一重まぶたの人生と、二重まぶたになったときのあなたの人生が見えてきます。
【イメトレ文章ノートの11の定型文】
〈目標の設定〉
私が実現したい目標は「 」です。
〈メリット〉
なぜなら、その目標を達成すると「 」だからです。
〈ブレーキ〉
しかし、「 」が私の目標を妨げています。
〈現状把握〉
そのため、私は今、「 」という状況になっています。
〈新しい方法〉
そこで、私は目標に近づくために「 」という新しい方法を試みるつもりです。
〈自分の強み〉
なぜなら、私の強みは「 」であり、それが目標の達成に役立つと思うからです。
〈協力者〉
また、目標に向かうにあたり、「 」さんが協力してくれます。
〈環境〉
目標に向かうにあたり、「 」という環境が味方してくれると思います。
〈ノウハウ〉
私は目標を達成するために、「 」というノウハウをもっています。
〈やる気〉
私は目標を達成するために「 」という方法でやる気を引き出します。
〈最初の一歩〉
私は目標を達成するために、まずは「 」から始めます。
悩んでいるならすぐには決めない
もし、書き出したうえで、二重まぶたの人生のほうがはるかにいいと納得できれば、相談しなくても自信を持って自分で決めることができるのではないでしょうか。そうすれば、低下していた自己決定感を回復することができます。
ただ、このワークをしても、もやもやが残り、整形をするかしないかを悩んでいるのだったら、すぐには決めないほうがいいと思います。1年なら1年と決定するまでの時間を区切り、その中で何回か、このワークを試してみてください。
「イメトレ文章完成ノート」は、感情を整理し、ビジョンを具体化するのに効果的です。あなたが何のために二重まぶたになりたいのか、自分の本当の目標が何なのかが、少しずつ見えてくると思います。
進むべき道を教えてくれる「レファレント・パーソン」
自己信頼感が薄れ、自己肯定感が低下しているときには、自分の選択に迷いが生じがちです。そんなときにおすすめしたいのが、「レファレント・パーソン」というワークです。
「レファレント・パーソン」とは、自分の在り方や生き方の価値基準の参考になる人のことです。あなたが今までの人生の中でとても重要な判断をしたとき、進むべき道を教え、好影響を与えてくれた人がいれば、その人があなたにとってのレファレント・パーソンです。
ただし、自分の生き方の指針となる人物ですから、レファレント・パーソンは、あの人のようになりたいという身近な「ロールモデル」でも、指導や助言を行ってくれる「メンター」でもありません。歴史上に残るような偉人をレファレント・パーソンとします。
レファレント・パーソンなんて思い当たらない、という人もいるかもしれません。だからといって、今から伝記のシリーズを読み直したりする必要はありません(笑)。小さいころにあこがれた大好きな人、ヒーローやヒロイン、アニメの主人公などでもいいのです。キャンディ・キャンディがレファレント・パーソンだという人もいましたよ。
もし、私が「レファレント・パーソン」だったら?
「レファレント・パーソン」のワークでは、もしあなたがそのレファレント・パーソンだったらどうするかを書き出します。その偉人の在り方、生き方、価値観、思考法、行動を参考にし、自分の問題を客観視するのです。
まず、ノートの余白に「もし、私が○○だったら……?」と質問を書き出してみましょう。○○には、あなたのレファレント・パーソンの名前が入ります。
「もし、私が○○だったら、整形についてどう考えるかな?」
「もし、私が○○だったら、整形するかな?」
「○○が私の今の悩みを知ったら、どうアドバイスしてくれるかな?」
そうして、レファレント・パーソンになりきって答えを書いてみます。たとえばこんな風にです。
もし、私がココ・シャネルだったら、整形についてどう考えるかな?
もし、私がココ・シャネルだったら、
【他人と比べても意味がない。今の自分をどう楽しむか考える】
同じようにやってみましょう。
もし、私が( )だったら、
【 】。
視点を変えてセルフ・イメージを高める
いかがですか? 自分を見る視点が変わることを実感したのではないでしょうか。
自己肯定感が低下していると、私たちは必要以上にネガティブになり、「できない理由」ばかりを探してしまいます。あなたももしかしたら、一重まぶたのせいで何もかもできないのだ、と自動思考してしまっているのかもしれません。
でもそれは、自分への認識がネガティブな方向に偏っているだけで、視野が広がり偏りが正されれば、問題が思いのほか小さなものだと気づくかもしれません。レファレント・パーソンを通して視点を変えることで、ものの見方がポジティブになり、自分に対するイメージ=「セルフ・イメージ」を高めていくことにつながるのです。
「イメトレ文章完成法」で一重まぶた、二重まぶたの人生をイメージし、「レファレント・パーソン」の力を借りることでセルフ・イメージを高めて、後悔のない選択をしてくださいね。
取材・文/寺田千恵
参考書籍
『書くだけで人生が変わる 自己肯定感ノート』(SBクリエイティブ)