フィットネスに取り組むときに、たんぱく質が手軽にとれると人気の「プロテイン」製品を使っている人もいることでしょう。原料としては牛乳や大豆がポピュラーですが、そんななかでんぷん質の野菜として知られるじゃがいもを原料とするたんぱく質が、女性の筋肉をつくるのに有効という報告がありました。その理由とは?
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じゃがいものたんぱく質の特徴
たんぱく質とは、体の細胞を形づくるために欠かせない栄養素です。そのため筋肉を育てようとする場合など、積極的に摂取するのが好ましいといえます。たんぱく質は20種類あるアミノ酸が結合してできているのですが、これら20種類のすべてのアミノ酸を含むタイプのプロテインは良質とされています。アミノ酸のなかには体のなかでつくられるものもあるのですが、食事からしか摂取できないタイプの必須アミノ酸が9種類あります。特に必須アミノ酸のひとつ「ロイシン」を多く含むタイプほど、筋肉をつくる力が強くなるとされています。
このたびカナダの研究グループは、じゃがいもに含まれるたんぱく質に意外にも必須アミノ酸の含有量が多い点に注目。その効果について調べています。研究では女性24人に1日の推奨量のたんぱく質(体重1kgあたり0.8 g)を含む食事を2週間とってもらい、そのうちの半数にはたんぱく質の合計1日摂取量が体重1kgあたり1.6 gになるようにじゃがいものたんぱく質を食事に追加しました。さらに、全員に片方の脚だけレジスタンス運動(筋肉に負荷をかけて繰り返して行う運動)を週2回行ってもらって、運動で筋肉がつくられる効果を両脚で比較しました。
筋肉がもっと増える
そうしてわかったのが、じゃがいものたんぱく質を追加したグループは筋肉がつくられる量が増えたことです。レジスタンス運動をしたほうの脚ではさらに増加。じゃがいものたんぱく質をとらなかったグループでは特に変化は見られませんでしたが、レジスタンス運動をしたほうの脚では筋肉がつくられる量が増え、運動による増加の割合はじゃがいものたんぱく質を追加したグループと同程度でした。
この結果から、じゃがいものたんぱく質は筋肉増強効果が期待できる良質の植物性プロテインになるのではないかと研究グループは結論づけています。筋肉をつくるにはまず運動に取り組むのが大切ですが、このときに意識的にじゃがいものレシピを食べるとよいのかもしれません。
<参考文献>
アミノ酸(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-001.html
Potato power: Spuds serve high quality protein that’s good for women’s muscle
https://brighterworld.mcmaster.ca/articles/potato-power-spuds-serve-high-quality-protein-thats-good-for-womens-muscle/
Oikawa SY, Bahniwal R, Holloway TM, et al. Potato Protein Isolate Stimulates Muscle Protein Synthesis at Rest and with Resistance Exercise in Young Women. Nutrients. 2020;12(5):E1235. Published 2020 Apr 27. doi:10.3390/nu12051235
https://www.mdpi.com/2072-6643/12/5/1235/htm
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32349353/