気象庁によると今年の夏も全国的に猛暑日が続くと予想されています。そこで心配になるのが熱中症。熱中症の予防には初夏のうちから暑さに慣れ、汗をかいておくことが大切です。しかし、在宅時間が長くなり、屋外での運動などはあまり十分にできていないという人が多いのではないでしょうか。バスクリンの研究では、毎日の入浴が発汗機能を高め、暑さ対策につながるということがわかりました。
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発汗機能を高め熱中症リスクを低下させる
熱中症が起きやすいのは、体が暑い環境に慣れていない梅雨の合間や、梅雨明けの蒸し暑い時期といわれます。早い時期からの暑さ対策が熱中症のリスク低下には欠かせません。
まず熱中症予防によいとされるのは“適度に汗をかくこと”。ふだん汗をかく人は少しずつ体が暑さに慣れていき、発汗量や皮膚血流量が増加することで急激な体温上昇を防ぎますが、運動習慣のない人は暑さに対する体の適応が間に合わず、体内に熱がこもりやすくなり、熱中症のリスクが高まります。汗をかいて発汗機能を高めることが、猛暑時に熱を放出させ体温を維持するために役立ちます。
「40℃、15分間の全身浴」を続けてみよう
2019年5月から7月にかけて行われたバスクリンの研究では、健常な男性に「さら湯」「全身浴」「40℃」「15分間」の入浴方法を2週間継続することで体に熱負荷をかけました。
研究結果をみると、「40℃、15分間の全身浴」を2週間継続することで、入浴中の皮膚血流量は試験開始時と比較し、2週間継続後において有意に高まることを認めました。
また継続的な「40℃、15分間の全身浴」で、発汗を確認するまでの時間が有意に短縮したとのことです。
同社では、日常的な入浴は体を清潔にするだけでなく、暑熱環境下における体の適応として、夏季の暑さに備えた体づくりの手段として有用であることが示唆された、としています。
発汗をスムーズにする入浴は、冷え解消だけでなく、暑さ対策にもよいことがわかりました。今年は特に巣ごもり生活が続き、夏場の熱中症の増加が危惧されています。入浴なら日常生活で手軽に汗をかくことができますね。暑さに備えた体づくりで、熱中症対策をしていきましょう。
参考ULR/ 株式会社バスクリン・日本生理人類学会発表より
https://www.bathclin.co.jp/news/2020/0521_9872/
文・写真/庄司真紀