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CATEGORY : ヘルスケア |女性ホルモン

本当の「女子力」はココで決まる!? オトナ女子なら知っておきたい! 「子宮&膣」のコト(1)

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子宮のイラスト

一般的に「女子力」と言うと、メイクやファッションにいつも気を遣っていたり、料理や片づけが得意だったり、気配りじょうずだったり……、そんな女性らしさを示す言葉として使われていますよね。でも、婦人科の医師として多くの女性と向き合ってきた駒形さんは、本当の「女子力」とは「子宮&膣がいい状態であること」だと言います。楽しい恋愛をするにも、気持ちいいセックスをするにも、子どもがほしいと思ったときにも、子宮&膣がいい状態、健康であることが大事だからです。
今回は駒形さんの著書『膣の女子力 ~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方~』(KADOKAWA)から、オトナ女子なら正しく知っておくべき「子宮&膣」のお話を3回にわたってお伝えします。

監修 : 駒形 依子 (こまがた よりこ)

東京女子医科大学医学部卒業。2018年、山形県米沢市に婦人科・漢方内科のこまがた医院を開業。高校生の頃から生理痛や過多月経に悩まされる。婦人科での研修医時代、患者よりも自分の生理のほうがひどい状態という矛盾を痛感し、生理痛や過多月経をなくす方法を追求し始める。その後、東洋医学も学び、自分の体を使って実験を繰り返しながら、子宮や膣をいたわるセルフケアを考案。ブログや講演活動を通じて、患者自身が自分の体に向き合うことの大切さを伝えている。

Contents 目次

女性の8割は膣が冷えている!?

月経痛に悩まされる女性

「生理痛がひどくて鎮痛剤が手放せない」
「おりものの量が前より増えた気がする」
「性交痛があって、セックスが楽しめない」
なかなか人には相談しにくいことですが、こんな悩みを抱える女性が増えています。
そして、これらのお悩みの一因として考えられるのが、「膣の冷え」。
あなたは膣の冷えを意識したことがあるでしょうか?

膣は、子宮の入り口と外陰部をつなぐ約10㎝のひだ状の粘膜組織です。筋性の筒状の器官で、子宮からの月経や粘液の排せつ管の役割をしています。
自分の体なのに、よく知らない。膣は多くの人にとってそんな存在かもしれませんね。

私は「子宮がん検診」などを積極的に担当し、これまでに5万件の膣を触診してきました。その結果わかったのは、健康な膣とトラブルを抱えた膣は温度が違うということ。健康な膣は、しなやかで柔軟性があって温かいのですが、トラブルを抱えた膣は柔軟性に乏しく冷たいのです。驚くことに、約8割もの人の膣が冷えていました。
そして、膣が冷えていると感じた人は何らかの婦人科の既往歴のある人が多かったのです。

なぜ冷えるのかというと、血流が悪くなっているから。そうすると細胞に栄養や酸素、水分が行き届かなくなるので、膣は乾燥し柔軟性も失われます。
血流が悪くなる原因はさまざまですが、骨盤のゆがみで骨盤内の血流が悪くなると、若い女性でも膣が冷えてしまいます。
膣と子宮はつながっているので、膣が冷えているなら子宮も冷えていると考えられます。実際、生理痛はもちろん、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気の大きな原因は「子宮の冷え」と言われています。

「私は既往歴がないから大丈夫!」と思ったかもしれませんが、ずっと膣が冷えている人の多くは、自分の膣の冷えを感じていません。なぜなら、冷えているのが当たり前になっているから。約8割の女性の膣が冷えているのですから、「私の膣もきっと冷えている」という前提でケアを始めることをおすすめします。

オトナ女子が温めるべきは「子宮&膣」

靴下をはいて足もとを温める

冷えが万病を招くということは、多くの人がすでにご存じでしょう。「冷えとり健康法」が大ブームになったので、足もとから温めることを意識している人もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、私がまずオトナ女子に温めてほしいのは、「子宮&膣」。ここが体の中心なのです。全身の写真を撮るとわかりますが、体のちょうど中心は下腹部ですよね。つまり、下腹部にある「子宮&膣」を温めると、体は芯から温まるのです。

東洋医学には、「子宮は血の海」という言葉があります。本来、子宮は血流が豊富な臓器なのです。ところが、初潮が始まり、毎月の月経で全身の血液量が減ることが、冷えにつながっているのではないかと考えられます。過多月経の方の場合は、失う血液量が多いので、なおさらですね。

過多月経で失った血液をつくるのは胃腸の働きなのですが、胃腸が冷えるとその機能は低下します。冷たい飲み物や食べ物を摂取すると、それだけで胃や腸の温度がおよそ2度も下がると言われています。
そんな食生活を続けていると、冷えた腸に包まれた状態の子宮はますます冷えるという悪循環に。子宮の冷えは、当然、膣の冷えにもつながります。
こうしたことが長年積み重なって、不調の原因になるのです。

では、子宮を温めるにはどうすればいいかというと、根本的な治療としては血を増やすことが大切です。レバーや大豆、貝類などには造血作用があるので、積極的にとりましょう。ただし、胃腸も冷えて機能が低下している場合、食品ですぐに血を増やすことは難しいです。
即効性を求めるなら、胃腸を休めながら、胃腸と下半身すべてを全力で温めましょう。生足やミニスカートが絶対ダメとは言いませんが、寒さを我慢してそんなファッションをするのは体に毒。女子力がかえってダウンしてしまいますよ。
血液の流れを促すという意味では、下半身の筋肉を使うエクササイズがおすすめです。

「常在菌」の力で、子宮&膣を元気に!

子宮のイメージカット

膣を健康でいい状態に保つために欠かせないのが「常在菌」の働きです。菌というと悪いものというイメージを持つ人も多いのですが、それは間違い。常在菌は私たちの体に存在する微生物のことで、健康を守ってくれています。乳酸菌やビフィズス菌も常在菌の一種で、食べたものを消化したり、外から侵入してくる細菌やウイルスの感染を防いだりします。
もちろん膣にも常在菌がいて、膣内の㏗バランスを保つことで、雑菌や病原菌などの侵入を防いでくれています。

さらに、これまでは無菌と言われていた子宮の中にも「子宮内フローラ」という常在菌がいることが判明しています。子宮内フローラは、妊娠・着床に関係があることもわかってきました。子宮内フローラは膣内の常在菌のバランスを反映するというデータもあります。
つまり、子宮の状態を整えるには、膣の状態を整えることが大事なのです。

さらに、膣の常在菌の状態は、腸の常在菌とも連動しているので、便秘や下痢をなくすことが子宮の状態を整えることにつながります。その場合、もちろんお薬で解消するのでは意味がありません。食生活を改善したり、エクササイズで刺激を与えたり、下腹部を温めたりすることで、便秘や下痢を解消しましょう。

子宮の状態を知るには、生理の状態を確認するのがいちばんですが、それだとチャンスは月に1回だけですね。でも、膣の状態はおりもので確認できるので毎日のように体の状態がチェックできます。おりものチェックを習慣にして、本物の女子力を手に入れましょう。(おりものチェックの具体的な方法は、第2回でご紹介します)

文/出雲 安見子

膣の女子力 ~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方~』(KADOKAWA)

膣の女子力書影

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