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「おりもの」や「生理」のトラブルに気づいてる? オトナ女子なら知っておきたい! 「子宮&膣」のコト(2)
第1回では、本物の女子力は「子宮&膣」に宿る! ということで、子宮や膣に意識を向けることの大切さをお伝えしました。「8割の人の膣が冷えている」という事実に、驚いた方も多いのではないでしょうか。
今回は駒形さんの著書『膣の女子力 ~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方~』(KADOKAWA)から、「おりもの」や「生理」で子宮や膣の状態をチェックする方法をご紹介します。
Contents 目次
「おりもの」で膣の状態がわかる
あなたは自分のおりものを観察したことがありますか? これも人と見比べることができないので、なかなか異常に気付きにくいのですが、おりものの量が明らかに増えていたり、色やにおいが気になってもそのままにしていたりしないでしょうか。
まずは、正常なおりものの状態を簡単にご説明しましょう。
●生理終了から排卵まで
生理後2~3日間は、生理でくずれた膣の細菌バランスが整うまで、白っぽいおりものが少し多めに出ます。その後は、下着につくか・つかないか程度。多めといっても、おりものシートが必要なほどの量は出ません。
●排卵期
卵の白身のようなドロッとしたおりものが出ます。伸びがよければよいほど、いいおりものです。女性側のおりもので酸性に保たれた膣内と男性側のアルカリ性の精液を中和して、1匹でも多くの精子を子宮内に送る働きをします。
しっかりした量のおりものが出る人は、下着が汚れるのでおりものシートが必要でしょう。
●排卵後から生理開始まで
下着につくか・つかないかくらいの量のおりものになります。生理1週間ほど前から、膣は雑菌対策のために常在菌を増やします。すると、おりものが酸性に傾くため、少し酸っぱいにおいに。おりものシートが必要なほどの量は出ません。
こんなふうに、おりものは生理周期によって変化しています。ですから、自分のおりものを知ることは、生理周期を把握して病気を予防することにもつながります。
本来、膣が整っていれば、おりものは生理の前後と、排卵期くらいしか気になりません。そもそも、おりものシートをつけないと気になるほどの量のおりものが出ることが、実は問題。おりものシートをつけることで蒸れて、さらにおりものが増えるという悪循環に陥ることもありますし、皮膚がただれてかゆくなることも。
外陰部のかぶれはパートナーにうつる可能性もありますし、妊娠中におりものによる炎症が原因で切迫早産になることもあるのです。
自分だけでなく、パートナーや赤ちゃんにも影響が出る場合もあるので、自分のおりものの状態はきちんと把握しておきましょうね。
セクシーパンツよりボクサーパンツ
オトナ女子なら、下着選びにもこだわりたいですよね。でも、女性らしいセクシーなパンツの多くは、ツルツルのナイロンパンツ。見た目はいいかもしれませんが、ナイロン生地は通気性が悪いので、蒸れて雑菌が増えやすくなり、おりものの量が増えてしまいます。
蒸れると膣に真菌(カビ)や雑菌が繁殖しやすくなるので、おりものが増えてにおいの元になるだけでなく、蒸れたぶん冷えやすくもなります。
また、セクシーな三角パンツは、覆っている部分の面積が少ないため、当然冷えやすいです。
さらに、小さめサイズを履いていると、そけい部が圧迫されて血流が滞り、流れる血液量が低下する原因になることも。外陰部の皮膚と下着がすれることで、黒ずみの原因にもなってしまいます。
では、下半身の冷えを防ぐにはどんなパンツがいいのかというと、おすすめは「綿のボクサーパンツ」です。ボクサーパンツは面積が広いので下半身をすっぽり包めるだけでなく、そけい部にゴムがないので圧迫されません。
体を締めつけないという点で考えると、ふんどしパンツやTバックなどもありますが、ひもの部分でこすれたり、通気性がよすぎて冷えたりする人もいます。そういう点でも、ボクサーパンツがイチオシ。
毎日はく下着だからこそ、下半身の冷えから膣を守ってくれるものを選んでください。
こんな生理の人は要注意!
毎月の生理も、体の状態を教えてくれる大切なものです。自分の生理周期をきちんと把握していますか? 生理が止まっているのに、そのままにしているなんてことはないでしょうか? 鎮痛剤が手放せないような痛みが当たり前だと思っていませんか?
月に1回の生理は、自分の体のバロメーターです。自分のことを知って、きちんと傾向と対策を練ること。これこそ、女子力を高める最大の秘訣です。
おりものと同様に、生理も人と比べることができないので、正常か異常かよくわからないまま放っている人が多いのですが、次のような状態は明らかに異常です。
(1)昼でも夜用ナプキンが必要。
(2)夜はオムツタイプのナプキンにしないと漏れることがある。
(3)生理2日目は、1~2時間ごとに夜用ナプキン(または、多い日の昼用ナプキン)を替えないと不安。
(4)生理のときに、直径5㎝以上の経血のかたまりが出る。
(5)生理開始から終わりまで、ずっとおりものシートで足りる。
(6)生理期間が1日で終わる。
(7)生理期間が2週間ある。もしくは、少量の出血が次の生理まで続く。
特に(1)~(4)に当てはまる人は、子宮筋腫や子宮内膜症の疾患がないか、病院で一度診てもらいましょう。
一方、(5)(6)の人は経血量が少なすぎます。生理だと思っている出血が、生理ではなく不正出血の可能性もあります。(7)も不正出血ですが、一番多い原因はホルモンバランスの乱れによるものです。いずれの場合も、まずは病院を受診してください。
何か異常が起きているかどうかは、「前の月と比べてどうか?」「以前の生理と比べてどうか?」など、毎月の自分の生理が基準になります。自分が自分の生理を知らなければ、病院でお医者さんに説明することもできませんよね。
生理は、この1か月間、あなたがどんな風に過ごしたかの結果です。食べ物や冷え、睡眠、休息、ストレス状況によっても出血量は変わるし、痛みの程度も変わります。
体はいつだって、ちゃんとサインをくれています。生理を通して、自分と向き合ってみませんか。
文/出雲 安見子
『膣の女子力 ~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方~』(KADOKAWA)