第1回では「子宮や膣に意識を向ける大切さ」、第2回では「生理やおりもののトラブル」についてお伝えしました。自分の体に向き合うことが習慣になると、あなたの女子力は格段に上がっていきますよ。
第3回となる今回は、駒形さんの著書『膣の女子力 ~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方~』(KADOKAWA)から、パートナーシップが良好になり、セックスが楽しくなる「膣の女子力アップ」についてお教えしましょう。
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「体の相性」は、合わせられる!
あなたは、「体の相性」を気にしたことがありますか? 「体の相性がいい」「体の相性が合わない」などと言われるように、男女ともセックスの相手が変わることで「何かが違う」と感じることはありますよね。その「何か」にはもちろん個人差があるので、いろいろな基準があるとは思いますが、それが「膣や外陰部の感覚」だとしたら……。実は、相性をよくするためにできることがあるのです。
私は、セックスは好きな人の大事なコミュニケーション、いわばボディランゲージだと思っています。だから、されっぱなし・任せっぱなしではなくて、好きな人を自分が感じるための準備をすることが大切であり、礼儀ではないでしょうか。
例えば、「痛い、気持ちよくない」という悩みがあるなら、まずは自分の膣の状態を整えましょう。あなたの膣は冷え切っていませんか? 下半身を温めることで膣の状態が整えば、膣内が潤って弾力性もアップし、感度がよくなりますよ。「膣マッサージ」をすれば、会陰や膣内がしなやかになるので、性交痛を解消することにもつながります。
「膣マッサージ」のやり方は膣に小指を入れて、5時の方向と6時の方向、そして7時の方向に、入り口を広げるように動かしましょう。おすすめのタイミングは入浴時です。
セックスの大前提は、お互いが気持ちよくなれること。そのコミュニケーションを円滑にするためにも、自分の膣を整えておくことが重要です。
濡れないのは、膣が整っていないから
「セックスのときに濡れなくて痛い」という性交痛を訴える女性は多くいます。一般的に、濡れないのは相手の技量の問題とか、女性が感じにくい体質だからと言われたりしますが、本当にそうでしょうか? 触れられていなくても、本を読んだり映像を観たときの想像力で、あるいはキスしただけで濡れるという経験をしたことはありませんか? そうした経験があるなら、濡れる・濡れないは相手の問題だけではないですよね。
病院で「濡れにくい」ことを訴えても、治療薬があるわけではないので、基本的には潤滑ゼリーをすすめられて終わることがほとんど。これでは根本的な解決にはならないし、セックスレスが増えていくだけだと思うのです。
そもそも、なぜ「濡れる」という現象が起こるか知っていますか?
膣内の細胞と子宮入り口の表面の細胞は、「扁平上皮」という細胞でできているのですが、この扁平上皮細胞には分泌液を出す働きはありません。つまり、セックス時の愛液や排卵時の分泌物は、膣内から出ているわけではないのです。実際に分泌されるのは、膣の入り口にある分泌腺と、子宮の入り口の少し奥にある分泌腺から。そして、この2つの分泌腺から分泌液が出てくるのは、膣に届く血液の量と体内の水分量が豊富なときなのです。
だからこそ、まずは膣の冷えを解消して、膣をいい状態に整えておきましょう。筋肉量を増やして、運ばれる血液の量を増やすことも有効です。
そのうえで興奮や刺激を与えられれば、濡れないという問題は解決に向かうはずです。
ひとりエッチでいい膣をつくろう
女性のひとりエッチは、いい膣をつくるために、そしてパートナーとのセックスを楽しむためにも、とても大切な行為です。
クリトリスだけでする人、中に指を入れてする人、道具を使う人など、やり方はさまざまありますが、ひとりエッチで刺激を与えると血流がよくなるので、膣を温めることにつながるのです。
また、セックスのときに「痛い」「気持ちよくない」と思っているなら、自分の気持ちいいところを知らないと、どうしてほしいかを相手に伝えられませんよね。そのためにも、ひとりエッチで自分はどこをどんな風にされると気持ちがいいのかを知っておきましょう。
いまは相手がいないという人も、いずれ出会うパートナーのための準備期間として、ひとりエッチをしてはどうでしょうか。実際、いつそんな機会が訪れるかは誰にもわかりません。
だからこそ、日々、膣のケアをして感度を高めておきましょう。いい膣づくりのために、ひとりエッチを楽しむことも大切な女子力です。
文/出雲 安見子
『膣の女子力 ~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方~』(KADOKAWA)