いよいよ本格的な夏到来。とくに今年は、自粛生活によって体が暑さに慣れていなかったり、マスクをつけての外出でいつもよりも熱中症のリスクが高まったりしていて、ふだんよりも慎重に暑さ対策をしておきたいところ。自然療法・予防医学・栄養学などをバランスよくとり入れた発信を行うホリスティック薬剤師の佐々木貴美さんに、ご自身が実践する暑い季節の養生についてうかがいました。
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脱水症状にならないよう、こまめな水分補給を
一気にガブガブと大量に水分をとっても、吸収しきれず体全体に行き渡らないので、なるべくこまめに少量ずつ飲むことを心がけています。
市販のスポーツドリンクや経口補水液は人工甘味料も多く含まれるため、夏場の水分・ミネラル補給にはオーガニックの麦茶やルイボスティーなどをとり入れています。
また、糖分やカフェインを多く含むものは脱水のリスクを高める恐れがあるので、できるだけ控えるようにしています。
よぶんな熱をとり除く「清熱系」の食材をとり入れる食養生
東洋医学ではゴーヤ、スイカ、きゅうり、暖かい地域で育った食物、ローフードなどは、体内の熱をとり除く働きのある「清熱系」の食材と考えられているので、夏場はこれらの食材をとり入れることを意識しています。
ただ、こうした「清熱系」の食材や冷たい飲食物ばかりとりすぎてしまうと、胃腸が冷えて消化・吸収力が低下してしまうため体を温める作用のある、ねぎ・しょうが・七味などの薬味も活用するなど、バランスを取るように気をつけています。
消耗した「気」を補うセルフケア
夏は汗をかくことで脱水症状になりやすいだけでなく、東洋医学的には「気(生命エネルギー)」を消耗しやすい時期なので、ガンバりすぎないことも大事にしています。
昼寝をとり入れたり、十分に睡眠時間をとったりして、消耗した気を回復させるようにしています。
寝るときに使うのはヒマラヤ岩塩とフランキンセンスの入った「ブレインレスト」という枕です。この枕は、もともとは脳疲労の改善に使っていました。個人的な実感としては、頭でいろいろ考え過ぎてモヤモヤしているのが、この枕を使うとスーッと引いていくような感じがします。
寝るときだけでなく、仕事やPCで頭や目が疲れたときに、フェイスピロー代わりに目もと〜おでこの辺りに当てて少し休むだけで、疲れが軽くなるような気もしています。
「ブレインレスト」は、中に入った岩塩が湿気で溶けてしまうため、梅雨時期は冷蔵庫か冷凍庫での保管が推奨されているのですが、今の時期は冷凍庫で冷やして使うことでより心地よく眠れています。
どうしても疲れが取れない場合は、高吸収率のリポソームビタミンCサプリメントを活用したり、朝鮮人参などの「気」を補う生薬の入った「補中益気湯」などの漢方薬を寝る前にとり入れたりする場合もあります。
夏は食欲も落ちやすい時期ですが、「気」を体内にとり込むためには栄養補給が大切です。食事がとれない場合はムリせず、でも栄養価の高い液状のスーパーフード青汁や、「飲む点滴」ともいわれる甘酒などをとり入れて栄養を補うように心がけています。